リハビリテーション科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:4

変形性関節症の痛みに、SNRIが有効な可能性/BMJ

 セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の疼痛や能力障害(disability)に対する効果は小さく、背部痛への臨床的な意義はないものの、変形性関節症への臨床的に意義のある効果は排除できず、ある程度有効な可能性があることが、オーストラリア・シドニー大学のGiovanni E. Ferreira氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年1月20日号で報告された。抗うつ薬は、背部痛(神経根症状の有無を問わず)や股関節・膝の変形性関節症の治療に広く用いられており、多くの診療ガイドラインがこれを推奨している。一方、背部痛や股関節・膝の変形性関節症への抗うつ薬の使用を支持するエビデンスは十分でないという。

手術前の体力づくりには十分な時間を

 手術後の安静に伴う筋肉の減少を抑制するには、手術を受ける前に筋力トレーニングなどを十分に行う必要があるとする、英バーミンガム大学のLeigh Breen氏らの研究結果が、「Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle」に12月21日掲載された。  手術を受けるには体力が必要だ。高齢者では、手術後の安静により筋肉が減ってしまい、日常生活に必要な筋肉を取り戻すためにリハビリテーションが必要となることが多い。これに対して、筋肉が減少する前、つまり手術を受ける前のトレーニング「プレハビリテーション」は、その後の安静による筋肉量減少を抑制し、リハビリテーションよりも有用である可能性を示唆する研究データが存在する。ただしその報告数は少なく、結果も一貫性を欠いている。

五十肩、短期的に最も有効な治療は?

 五十肩(肩関節周囲炎)に対するさまざまな治療の有効性について、英国・グラスゴー大学のDimitris Challoumas氏らが65研究のメタ解析を行った結果、関節内ステロイド注射が他の治療(外科的治療を除く)と比べて短期での有用性が高く、その優位性は6ヵ月継続することがわかった。この結果から著者らは、最初に関節内ステロイド注射が行われるべきとしている。JAMA Network Open誌2020年12月16日号に掲載。  本研究では、五十肩の治療について他の治療法やプラセボ/無治療と比較した無作為化試験を2020年2月にMedline、EMBASE、Scopus、CINHALで検索し、2名が独立して抽出した。主要評価項目は疼痛と機能、副次評価項目は外旋可動域であった。ペアワイズメタ解析の結果は、疼痛と外旋可動域の平均差および機能の標準化平均差として提示した。追跡期間について、短期(12週以下)、中期(12週超12ヵ月以下)、長期(12ヵ月超)に分けた。

ビーガンやベジタリアンは骨折リスクが高い

 肉や魚、乳製品を食べないビーガンは、骨折リスクが4割以上高いことが英国の研究で判明した。また、魚は食べるが肉は食べないペスクタリアンや、肉と魚を食べないが乳製品や卵は食べるベジタリアンも、大腿骨近位部の骨折リスクが高いという。英オックスフォード大学のTammy Tong氏らの研究によるもので、詳細は「BMC Medicine」に11月23日掲載された。  Tong氏らは、1993~2001年に登録された、ベジタリアン食に関する世界最大規模のコホート研究である「EPIC-Oxford研究」の参加者5万4,898人を平均17.6年追跡し、骨折リスクを検討した。研究登録時と追跡調査時の2回、食事調査を実施。非ベジタリアン(一般的な食生活の人)が2万9,380人で、ペスクタリアンは8,037人、ベジタリアン1万5,499人、ビーガン1,982人だった。骨折の発生は、国民保険サービスのデータを用いて確認した。

「リウマチを悪友」と呼ぶ患者さん/日本イーライリリー

 高血圧、糖尿病などとともに慢性疾患の代表格と言われる「関節リウマチ」。わが国の関節リウマチ患者数は70~80万人と推定され、仕事や家庭を築くライフステージの重要期にある40代の女性が診断されることも多い疾患と言われている。近年では、治療薬の進歩もあり、患者さんのQOLの改善は大きく進展している。その一方で、目に見えない「痛み」、「倦怠感」、「朝のこわばり」という症状は、周囲の理解を得ることが難しく、また、伝えることも容易でないため、社会生活において悩みを抱える患者さんも多いという。  日本イーライリリーと女性の暮らしを応援する「生活情報サイトハルメクWEB」は、関節リウマチ患者さんの周囲に理解されにくい症状・日常生活の困りごとを俳句で詠む「GoodDAY関節リウマチ俳句コンテスト」を共催し、受賞作品を発表した。

「外骨格」で麻痺患者が再び歩けるように

 脊髄損傷に伴い体に麻痺が残った患者を対象としたランダム化比較試験の結果、外骨格型のアシスト付きスーツ(以下、外骨格)の装着が患者の歩行補助に有効かつ安全であることが示された。同試験は米ケスラー財団のティム・アンド・キャロライン・レイノルズ脊髄刺激センターのGail Forrest氏らが実施したもので、詳細は「Frontiers in Robotics and AI」に8月4日掲載された。  この試験には、脊髄損傷を原因とする四肢麻痺、または対麻痺(両下肢の麻痺)を有する患者50人が参加した。参加者には、完全に運動機能を失っている人から、ある程度の動作能力が残っている人まで、さまざまな症状の患者が含まれていた。Forrest氏らはこの試験の目的を、脊髄損傷患者向けの外骨格の補助による歩行プログラムに関するガイドラインを確立することとしている。同氏らはさらに、外骨格を装着した状態で歩行スキルを身に付け、目標とする速度で歩けるようになるために必要な歩行訓練のセッション数も明らかにしたいと考えていたとも述べている。

高齢者の転倒・骨折予防、スクリーニング+介入は有効か/NEJM

 高齢者の転倒による骨折の予防において、郵送での情報提供に加え、転倒リスクのスクリーニングで対象を高リスク集団に限定した運動介入または多因子介入を行うアプローチは、郵送による情報提供のみと比較して骨折を減少させないことが、英国・エクセター大学のSarah E. Lamb氏らが行った無作為化試験「Prevention of Fall Injury Trial」で示された。研究の詳細は、NEJM誌2020年11月5日号で報告された。高齢者における転倒の発生は、地域スクリーニングとその結果を考慮した予防戦略によって抑制される可能性があるが、英国ではこれらの対策が骨折の発生、医療資源の活用、健康関連QOLに及ぼす効果は知られていないという。

高齢者の転倒をダンスで予防

 ダンスを楽しむことが高齢者の転倒予防につながるかもしれない。その可能性を示す論文が、「JAMA Network Open」9月25日オンライン版に発表された。チューリッヒ大学(スイス)のMichele Mattle氏らが行ったシステマティックレビューとメタ解析の結果であり、ダンスなどの身体活動と転倒リスクの低下に有意な関連が認められたという。  高齢化が進行している先進国では、高齢者の転倒と骨折が増加している。65歳以上の地域住民の約3割が年に1回転倒し、80歳以上ではその割合が約5割に上るとの報告もある。また転倒を起こした場合、その5~7%が骨折を来すという。Mattle氏らは今回の研究で、頭を使いながら行う「ダンスベースの運動」(dance-based mind-motor activities)に着目し、そのような運動に転倒予防効果があるか否かを、これまでの報告を統合して解析した。

坐骨神経痛に早期の理学療法が有効か

 坐骨神経痛と背部痛のある患者には、早期の理学療法開始が良い結果につながる可能性のあることを示唆する臨床試験の結果が明らかになった。米ユタ大学College of HealthのJulie Fritz氏らによるこの研究結果は、「Annals of Internal Medicine」10月6日オンライン版に掲載された。  坐骨神経痛とは、腰背部から臀部、左右の脚の裏側へと続く坐骨神経に沿って痛みが生じる症状で、椎間板ヘルニアなどで坐骨神経が圧迫されて発症することが多い。一般的に、坐骨神経痛の患者は安静にする必要はなく、むしろ普段の活動を維持すべきとされている。その一方で、坐骨神経痛の症状に特化した運動を行うべきとする考え方もある。そこで、Fritz氏らは、坐骨神経痛の診断後、早い段階での理学療法の開始により、回復が早まるかどうかを調べるための臨床試験を実施した。

膝関節の痛みにウコンが有効か

 カレーに使われるスパイスであるターメリック(ウコン)が、膝関節の痛みを和らげてくれるかもしれない。タスマニア大学メンジーズ医学研究所(オーストラリア)のBenny Antony氏らが実施した臨床試験で、ウコン抽出物に変形性膝関節症の痛みを軽減する効果のあることが示された。研究結果の詳細は、「Annals of Internal Medicine」9月15日オンライン版に掲載された。  関節炎はごくありふれた疾患の一つで、米疾病対策センター(CDC)によると、米国には3250万人以上の患者が存在する。関節炎の中でも多いのが、変形性膝関節症である。変形性膝関節症では、膝関節でクッションとして働いている関節軟骨が加齢に伴いすり減ることで、痛みやこわばりが生じたり、関節可動域が狭まったりする。