精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:343

精神疾患発症と喫煙の関連性

 喫煙は、健康な人よりも統合失調症やうつ病を有する患者においてより多くみられる。そこで、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のMarie Kim Wium-Andersen氏らは、喫煙は一般集団における抗精神病薬の使用、統合失調症、抗うつ薬使用やうつ病の発症原因となっていると仮定し、慢性閉塞性肺疾患(COPD)との関連と比較を行った。その結果、喫煙は、統合失調症の発症に影響しているようだが、うつ病には影響しないようだという見解を報告した。International Journal of Epidemiology誌2015年4月号(オンライン版2015年6月7日号)の掲載報告。

抗精神病薬の変更は何週目が適切か

 統合失調症において抗精神病薬が無効な場合、どの程度の期間を待ったうえで治療変更すべきかという臨床上の課題は未解決である。この点に関して、各ガイドラインの見解はさまざまであった。オランダ・アムステルダム大学のMyrto T. Samara氏らは、統合失調症において抗精神病薬の変更を考える場合の効果判定時期の目安を明らかにすべく、メタ解析を行った。その結果、治療開始2週時点で効果が認められない場合は、その後も効果が得られる可能性が低いことを報告した。American Journal of Psychiatry誌2015年7月1日号の掲載報告。

躁病、混合性エピソードの有無で何が違うのか

 躁病期間中の抑うつ要素の評価は、混合状態の正確な診断に重要であるが、DSM-5以前の分類システムは非常に狭義なものであった。スペイン・バロセロナ大学のReinares M氏らは、DSM-5における混合性定義の妥当性を評価するため、混合性の特徴を伴う躁病患者と伴わない躁病患者において、臨床的・機能的アウトカムに加え、社会人口統計学的、臨床・治療上の特徴を比較検討した。その結果、躁病患者の2割以上に混合性の特徴を伴う症例が存在すること、混合性の特徴を伴う躁病患者は伴わない患者に比べエピソード数が多く、抑うつ状態の変化が多くみられるなど、臨床的特徴や疾患の経過に相違が認められることを報告した。Australian & New Zealand Journal of Psychiatry誌オンライン版2015年6月号の掲載報告。

青年期うつは自助予防可能か

 思春期はうつ病発症のピーク期であるが、青少年が自身でリスクレベルを低下可能かどうかは、ほとんど明らかとなっていない。オーストラリア・メルボルン大学のKathryn E. Cairns氏らは、デルファイ法を用いた検討で、青年期うつ病の自助予防戦略について専門家のコンセンサス確立を試みた。その結果、自助予防が可能だと支持される戦略が明らかになった。Affective Disorders誌オンライン版2015年5月18日号の掲載報告。

治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬の比較

 うつ病に対する非定型抗精神病薬治療に関するメタ解析の報告では、2つの治療を直接比較した試験は限られている。中国・重慶医科大学のXinyu Zhou氏らは、無作為化比較試験の直接的または間接的なエビデンスを統合し、治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬による補助的な治療の有効性と忍容性を比較するため、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を行った。The international journal of neuropsychopharmacology誌オンライン版2015年5月25日号の報告。

魚をよく食べるほど、うつ病予防に:日医大

 うつ病は、職場の心理社会的因子によって影響されることから、レジリエンス(逆境に直面してストレスに対処する能力)を高めることがうつ病の予防に重要と考えられる。長鎖n-3系多価不飽和脂肪酸(LC n-3 PUFA)を多く含む魚の摂取がうつ病を予防することが示唆されているが、日本医科大学多摩永山病院の吉川 栄省氏らは、横断研究を行い、魚の摂取がうつ病に対するレジリエンスと関連している可能性があることを明らかにした。「今後、うつ病へのレジリエンスに対するLC n-3 PUFAの予防的効果を無作為化二重盲検プラセボ対照比較介入試験で、さらに検討する必要がある」とまとめている。Lipids In Health And Disease誌2015年5月26日号の掲載報告。

認知症患者への睡眠薬投与、骨折に注意

 睡眠薬の使用は、高齢患者における転倒や骨折の潜在的な危険因子である。しかし、睡眠薬と骨折発生との関連についてデータがないことから、東京大学医学部附属病院老年病科の田宮 寛之氏らは、認知症の入院患者における睡眠薬と骨折の関連について、全国入院患者データベースを用いた症例対照研究で検討した。その結果、短時間型ベンゾジアゼピン系睡眠薬と超短時間型非ベンゾジアゼピン系睡眠薬により、認知症入院患者の骨折リスクが高まる可能性が示唆された。PLoS One誌2015年6月10日号に掲載。

抗精神病薬、日本人の脂質異常症リスク比較:PMDA

 脂質異常症は非定型抗精神病薬の有害事象としてよく知られているが、各非定型抗精神病薬のリスクを定量的に比較した研究は少ない。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の竹内 由則氏らは、連続した疫学調査を用い、日本で承認されている非定型抗精神病薬の使用に関連する脂質異常症のリスクを比較評価した。Drug safety誌オンライン版2015年5月23日号の報告。

統合失調症発症予測に喫煙が関連

 米国バージニア・コモンウェルス大学のKenneth S. Kendler氏らは、喫煙と将来の統合失調症または非感情性精神病リスクとの関連を明らかにするため、スウェーデンの出生および徴兵登録より収集したデータを検討した。その結果、喫煙が統合失調症の将来リスクを予測しうることを報告した。American Journal of Psychiatry誌オンライン版2015年6月5日号の掲載報告。