精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:304

もしアルツハイマー病の正確な無料診断があったら

 米国高齢者がアルツハイマー病を予測する検査を受けたいのか、また検査が行動に影響を及ぼすかは不明である。米国・スタンフォード大学のMeera Sheffrin氏らは、代表的なサンプルを使用し、将来のアルツハイマー病を正確に予測する無料検査を受けるかどうか、そのような検査を行うことが事前ケア計画にどのような影響を及ぼすかを調査した。Alzheimer's research & therapy誌2016年12月13日号の報告。

成人ADHD、世界の調査結果発表

 WHO世界精神保健(WMH)調査において、初めの10ヵ国よりADHDの国際間疫学調査が報告された。現在、成人のADHDに関するデータを収集した全国的または地域的なWMH調査は、20件にまで拡大している。レバノン・Institute for Development, Research, Advocacy and Applied CareのJohn Fayyad氏らは、WMH調査における成人ADHDの疫学調査をレポートした。Attention deficit and hyperactivity disorders誌オンライン版2016年11月19日号の報告。

過剰飲酒者への治療、カウンセリング併用で改善/Lancet

 飲酒問題を抱える過剰飲酒者に対して、1次医療施設の医師による強化ケア(enhanced usual care:EUC)と、非専門カウンセラーによる飲酒問題カウンセリング(Counselling for Alcohol Problems:CAP)の併用は、EUC単独よりも有効であり、費用対効果も良好であることが示された。インド・Sangath CentreのAbhijit Nadkarni氏らが、ゴアにある1次医療機関10施設で治療を受けている過剰飲酒者を対象とした無作為化比較試験の結果を報告した。過剰飲酒(アルコールの有害な使用)に対する治療では構造化精神療法が第一選択として推奨されているが、プライマリケアでこのような専門治療をルーチンに受けることは難しく、飲酒問題に対する大きな治療格差が問題となっている。今回の結果を踏まえて著者は、「CAPが、男性の世界的な疾病負担の主要原因の1つであるアルコール使用障害の治療格差を減らす重要戦略となり得ることが示された」とまとめている。Lancet誌オンライン版2016年12月14日号掲載の報告。

認知症患者のQOLは介護従事者による緩和ケアの理解で向上する可能性:都医学研

 認知症緩和ケア(palliative care)には、ファーストライン治療として心理社会的介入が含まれる。しかし、日本における認知症計画は、認知症緩和ケアによる推奨に反している。東京都医学総合研究所の中西 三春氏らは、日本のコミュニティケア環境における認知症患者のケアの質と認知症緩和ケアに対するprofessional caregiver(仕事として対価を得る介護提供者全般)の視点との関連性を検討した。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2016年11月17日号の報告。

世界的に増加する抗精神病薬処方、製薬企業の影響は

 抗精神病薬(主に第2世代抗精神病薬:SGA)の処方数は、世界的に急速に増加している。しかし、第1世代抗精神病薬(FGA)と比較し、SGAの急増は、エビデンスでは説明できない。いくつかの研究では、FGAとSGAは、統合失調症の陽性症状、陰性症状、認知機能に対し同等の有効性を有するとされている。そのような中、製薬企業が処方行動に及ぼす影響について、高い関心を集めている。ベルギー・Universiteit AntwerpenのStijn Cleymans氏らは、抗精神病薬の処方パターンと製薬企業による直接的な情報提供との関連について研究を行った。Journal of medical ethics誌オンライン版2016年11月28日号の報告。

陰性症状に対するボディサイコセラピー、男女間で効果が異なる

 ボディサイコセラピーは、統合失調症の陰性症状に対し有効な治療法であることを示唆する研究が、小規模ではあるものの有望な発見として報告されている。しかし、これらの結果は、最近のマルチサイト試験では見出されなかった。これは、以前の研究と比較し、女性の割合が非常に少なく、統合失調症における試験結果に影響を及ぼすことがわかっている性別混合が問題となっている可能性がある。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のMark Savill氏らは、マルチサイト試験のデータについて2次分析を行った。Psychiatry research誌2017年1月号の報告。

新規アルツハイマー型認知症治療剤の発売による処方動向の変化:京都大

 現在、国内においては4種類のアルツハイマー型認知症(AD)治療剤が使用可能であるが、2011年までは1剤しか存在しなかった。京都大学の門原 公子氏らは、2011年の新規AD治療剤発売前後における日本人外来患者の処方動向を明らかにするため検討を行った。Neurology and therapy誌オンライン版2016年11月28日号の報告。