精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:264

統合失調症はがんになりにくいといわれていたが

 ほぼ一世紀の間、統合失調症患者におけるがんの罹患率は、一般人より低いといわれてきた。しかし、ここ10年間で、がんと統合失調症との関係は明確ではなくなってきている。台湾・台北市病院のL Y Chen氏らは、若者や中年の統合失調症患者におけるがんリスクを調査した。Epidemiology and psychiatric sciences誌オンライン版2016年11月21日号の報告。

双極性障害、再入院リスクの低い治療はどれか

 気分安定薬(MS)による抗精神病薬補助療法が再発予防につながるとされる概念は、双極性障害(BD)患者における少数の自然主義的研究により支持されている。イスラエル・テルアビブ大学のEldar Hochman氏らは、MS(リチウムまたはバルプロ酸)単独療法または非定型、定型抗精神病薬補助療法により退院した双極性障害I型の躁病患者における1年間の再入院率を比較した。Bipolar disorders誌2016年12月号の報告。

アルツハイマーの認知機能低下、冠動脈疾患で加速

 冠動脈疾患(CHD)がアルツハイマー病(AD)における認知機能低下を加速させるかどうかを、ドイツ・ボン大学のMarkus Bleckwenn氏らがプライマリケアでの前向き縦断的コホート研究で検討したところ、CHDは晩期発症型の高齢認知症患者における認知機能低下に有意に影響を及ぼすことが認められた。心血管疾患の予防が認知症の進行に影響するかもしれない。The British journal of general practice誌オンライン版2016年12月19日号に掲載。

まるでゾンビ映画? NYの集団薬物中毒の原因物質とは/NEJM

 街はゾンビ映画の1シーンのようだった…2016年7月12日朝、米国ニューヨーク市ブルックリン地区で発生した薬物の過剰摂取によると思われる33人の集団中毒について、ニューヨークタイムズ紙は目撃者の証言として、こう伝えた。調査を行ったカリフォルニア大学サンフランシスコ校のAxel J Adams氏らは、中毒の原因物質として合成カンナビノイドAMB-FUBINACAを同定し、今回、NEJM誌オンライン版2016年12月14日号で報告した。近年、米国では新たな精神活性物質が、乱用薬物クラスとして急速に成長、活発化しているという。

2つの抗精神病薬持効性注射剤、その違いを分析

 安定期統合失調症患者に対するアリピプラゾール400mg月1回製剤(AOM400)とパリペリドンパルミチン酸(PP)の改善を評価した、28週間無作為化オープンラベル直接比較試験(QUALIFY)について、米国・カリフォルニア大学アーバイン校のSteven G Potkin氏らが、機能的アウトカムに関する多次元的評価を実施した。その結果、AOM400はPPと比較し、良好な改善を示し、より多くの患者が試験終了後、就労可能であることが示唆された。The international journal of neuropsychopharmacology誌オンライン版2016年12月8日号の報告。

大麻常用者では網膜電図の潜時が有意に延長

 大麻の使用は公衆衛生上の重要な問題であり、大麻が中枢神経系の神経伝達に作用することが知られている。フランス・Pole Hospitalo-Universitaire de Psychiatrie du Grand NancyのThomas Schwitzer氏らは、複雑な精神現象における脳神経伝達異常の直接的なマーカーとして網膜機能を用いた、症例対照研究を行った。その結果、大麻の常用者では、網膜神経節細胞の活動電位伝導の遅れが認められたことを明らかにした。これは、視覚の変化を裏付けるものだという。著者は「大麻使用が網膜処理に影響を及ぼすことが認められた。大麻の中枢神経系に対する神経毒性作用が浮き彫りになったことは、公衆衛生の観点から重要と思われる」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年12月8日号掲載の報告。

もしアルツハイマー病の正確な無料診断があったら

 米国高齢者がアルツハイマー病を予測する検査を受けたいのか、また検査が行動に影響を及ぼすかは不明である。米国・スタンフォード大学のMeera Sheffrin氏らは、代表的なサンプルを使用し、将来のアルツハイマー病を正確に予測する無料検査を受けるかどうか、そのような検査を行うことが事前ケア計画にどのような影響を及ぼすかを調査した。Alzheimer's research & therapy誌2016年12月13日号の報告。

成人ADHD、世界の調査結果発表

 WHO世界精神保健(WMH)調査において、初めの10ヵ国よりADHDの国際間疫学調査が報告された。現在、成人のADHDに関するデータを収集した全国的または地域的なWMH調査は、20件にまで拡大している。レバノン・Institute for Development, Research, Advocacy and Applied CareのJohn Fayyad氏らは、WMH調査における成人ADHDの疫学調査をレポートした。Attention deficit and hyperactivity disorders誌オンライン版2016年11月19日号の報告。