精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:266

うつ病への薬物療法 vs.精神療法 vs.併用療法

 うつ病治療における機能とQOLのアウトカムの重要性は認識されているが、メタ解析のエビデンスはほとんどない。スペイン・Instituto de Salud Carlos III、Centro de Investigacion Biomedica en RedのK Kamenov氏らは、うつ病患者の機能とQOLに関する精神療法、薬物療法、それらの組み合わせについて、絶対的および相対的な効果を評価するため、無作為化比較試験(RCT)のメタ解析を行った。Psychological medicine誌オンライン版2016年10月26日号の報告。

脳内脂肪酸と精神症状との関連を検証:富山大

 n-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)レベルと精神障害との関連を調べた研究では、死後脳に関して、白質ではなく主に灰白質の分析に焦点が当てられてきた。富山大学の浜崎 景氏らは、統合失調症、双極性障害、うつ病患者の死後の脳組織において、PUFAレベルが白質の最大領域である脳梁に異常を示しているのかを調査した。European psychiatry誌オンライン版2016年11月4日号の報告。

リスペリドン使用で乳がんリスクは上昇するか

 いくつかの抗精神病薬、とくにリスペリドンは、血清プロラクチンを増加させることが知られている。高プロラクチン血症は、動物実験において、乳腺腫瘍の発生に関連していることが知られている。スウェーデン・カロリンスカ大学のJohan Reutfors氏らは、リスペリドンまたは他の抗精神病薬を使用した女性の全国コホートにおける乳がんリスクを調査した。Schizophrenia research誌オンライン版2016年11月4日号の報告。

タウ凝集阻害薬の軽度~中等度アルツハイマー病への効果/Lancet

 ロイコメチルチオニニウムビス(LMTM)の第III相臨床試験の結果は否定的なものであり、軽度~中等度アルツハイマー病に対するLMTMのアドオン療法の有益性は示されなかった。カナダ・ダグラス精神保健大学研究所のSerge Gauthier氏らが、LMTMの安全性および有効性を評価する15ヵ月間の無作為化二重盲検比較試験の結果、報告した。先行研究で、塩化メチルチオニニウム(=メチレンブルー:酸化型メチルチオニニウムの塩化物)は、タウ凝集阻害作用を有し、アルツハイマー病に対し単独療法で有効である可能性が示唆されている。LMTMはメチルチオニニウムの安定還元体で、塩化メチルチオニニウムより溶解性や吸収性が良好で、塩化メチルチオニニウムと同様、in vitroおよび遺伝子導入マウスモデルにおいて選択的タウ凝集阻害剤として作用することが確認されていた。なお、軽度のアルツハイマー病患者を対象としたLMTMの18ヵ月間の臨床試験の結果がまもなく報告される予定である。Lancet誌オンライン版2016年11月15日号掲載の報告。

アルツハイマー病に関する臨床試験、その進行状況は

 現在、アルツハイマー病(AD)に対する薬理学的推奨薬は、コリンエステラーゼ阻害薬とNMDA型受容体アンタゴニストであるメマンチンがある。これらの薬剤は、AD症状を管理するだけで、Aβプラークや神経原線維変化を標的としていない。そのため、AD病変を直接的に標的とし、AD進行経過を変化させる効果的かつ安全な治療法を開発する必要がある。カナダ・トロント大学のMyuri Ruthirakuhan氏らは、AD治療薬について進行中の第II/III相の臨床試験を評価した。Expert opinion on pharmacotherapy誌2016年12月号の報告。

うつ病治療歴があると早期乳がんの予後が悪い?

 デンマークの全国登録ベースのコホート研究より、うつ病治療歴のある初発早期乳がん女性では、ガイドラインで推奨されるアジュバント治療を受けないリスクがあり、それが全生存率および乳がん特異的生存率の低下につながっている可能性があることをデンマークがん協会研究センターのNis P. Suppli氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2016年11月14日号に掲載。