小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:67

家族性高コレステロール血症の基礎知識

 8月27日、日本動脈硬化学会は、疾患啓発を目的に「家族性高コレステロール血症」(以下「FH」と略す)に関するプレスセミナーを開催した。  FHは、単一遺伝子疾患であり、若年から冠動脈などの狭窄がみられ、循環器疾患を合併し、予後不良の疾患であるが、診療が放置されている例も多いという。  わが国では、世界的にみてFHの研究が進んでおり、社会啓発も広く行われている。今回のセミナーでは、成人と小児に分け、本症の概要と課題が解説された。

ゾフルーザに低感受性の変異株に関する調査結果

 昨年発売された抗インフルエンザウイルス薬のバロキサビルは、臨床試験において、本剤に対する感受性が低下したPA/I38アミノ酸変異株の発現が報告されたことから、各国でその影響について検証が進められている。  2019年9月2日、塩野義製薬は、バロキサビルの特定使用成績調査におけるPA/I38アミノ酸変異株に関する結果を公表した。この内容は8月28日~9月1日にシンガポールで開催されたOptions X for the Control of Influenzaにて発表された。同学会では、1 歳以上12 歳未満の小児インフルエンザ患者に対するグローバル第III相試験、インフルエンザ発症抑制効果を検証した国内第III相試験の結果も報告された。

インフルエンザ増加傾向、例年比較で「かなり多い」~感染研

 国立感染症研究所が8月30日付でまとめた感染症週報(8月12~18日)によると、全国の指定された医療機関(定点)約5,000ヵ所から報告されたインフルエンザの報告数が3週連続で増加しており、過去5年の同時期(前週、当該週、後週)と比較して「かなり多い」数値だった。  全国総数では定点当たりで0.23(報告数:1,075)となり、都道府県別に見ると、沖縄県で突出して多く(定点当たり:12.26)、次いで愛媛県(同:0.38)、福島県(同:0.28)となっている。

全国の医療施設、災害対策の実情はいかに!?

 地震大国の日本において、異常気象の常態化によるスコール、それに伴う洪水・土砂災害などが後を絶たない。このような災害時には、DMAT(災害急性期に活動できる機動性を持った トレーニングを受けた医療チーム)と呼ばれる災害派遣医療チームにより医療支援が行われる場合がある。しかし、医療者一人ひとりが日頃から災害を意識し準備を行っていなければ、家族や患者、ましてや自らの命は救えないだろう。  そこで、ケアネットでは2019年7月に会員医師約200名を対象とし、「院内の災害対策」に関するアンケート調査を実施。医師たちの災害に対する意識や対策状況などの実態について、実情や意見を聞いた。

スクリーンタイムとうつ病との関連

 スクリーンを見ている時間(スクリーンタイム)の増加は、抑うつ症状増加と関連していることがわかっているが、縦断的研究が不足している。カナダ・モントリオール大学のElroy Boers氏らは、スクリーンタイムとうつ病との関連を繰り返し測定し、3つの説明仮説(超越性、上方社会比較、スパイラル強化)について検証を行った。JAMA Pediatrics誌オンライン版2019年7月15日号の報告。  パーソナリティーをターゲットとした薬物とアルコール予防介入の4年間の有効性を評価したランダム化臨床試験のデータを用いて、2次解析を行った。本研究では、グレーターモントリオール地区の31校に入学した7年生を対象に年次調査を行い、4年間のスクリーンタイムとうつ病を評価した。

アナフィラキシーには周囲の理解が必要

 2019年8月21日、マイランEPD合同会社は、9月1日の「防災の日」を前に「災害時の食物アレルギー対策とは」をテーマにしたアナフィラキシー啓発のメディアセミナーを開催した。セミナーでは、アナフィラキシー症状についての講演のほか、患児の親の声も紹介された。  セミナーでは、佐藤さくら氏(国立病院機構相模原病院 臨床研究センター 病態総合研究部)を講師に迎え、「アナフィラキシーの基礎知識とガイドラインに基づく正しい治療法について」をテーマに講演を行った。

日本の小中学生におけるインフル予防接種の有効性

 インフルエンザワクチンの接種は、インフルエンザの発症予防や発症後の重症化の予防に一定の効果があるとされている。今回、東北大学の國吉 保孝氏らが、地域の小中学生における季節性不活化インフルエンザワクチン接種(IIV)の有効性について2シーズンで評価した結果が報告された。Human Vaccines & Immunotherapeutics誌オンライン版2019年8月19日号に掲載。  本研究は、公立小中学校の生徒における2012/13年および2014/15年シーズンのデータでの横断調査。調査地域における対象学年の全員にアンケートを配布し、得られた7,945人の回答を分析した。予防接種状況とインフルエンザ発症は、両親または保護者による自己申告式アンケートにより判断した。一般化線形混合モデルを用いて、学校および個人の共変量におけるクラスタリングを調整し、予防接種状況とインフルエンザ発症との関連についてオッズ比および95%信頼区間(CI)を計算した。

小児抑うつ尺度-日本語版の信頼性と妥当性

 うつ病は、個人だけでなく社会に大きな悪影響を及ぼす疾患であり、早期発見のための心理学的な評価ツールが求められる。久留米大学の大園 秀一氏らは、アップデートされた小児抑うつ尺度-日本語版(CDI-J)の信頼性および妥当性を評価し、うつ病検出のカットオフ値を設定するため検討を行った。Pediatrics international誌オンライン版2019年7月25日号の報告。  対象は、7~17歳の子供・青年465人。小・中学校の生徒および病院スタッフの子供たちより集められた群を対照群、小児心身外来および思春期精神科外来患者を外来患者群とした。両群のCDI-Jスコアを、バリマックス回転を用いた因子分析の対象とし、その後、測定不変性分析を行った。妥当性を評価するため、Youth Self Report(YSR)を実施した。外来患者群には、現在の抑うつ症状を診断するため、精神疾患簡易構造化面接法を実施した。うつ病発見のパフォーマンスを評価し、うつ病検出のカットオフ値を設定するため、ROC解析を実施した。

10~16歳の2型DMにリラグルチド追加は有効?/NEJM

 2型糖尿病の小児・思春期患者(10~17歳)において、メトホルミンへのリラグルチド(1.8mg/日)追加投与は、基礎インスリン投与の有無にかかわらず、52週間にわたり血糖コントロール改善の効果があることが示された。ただし、消化器系有害事象の発現頻度がかなり高かった。米国・イェール大学のWilliam V. Tamborlane氏らが、135例を対象に行ったプラセボ対照無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2019年8月15日号で発表した。メトホルミンは、疾患初期の若い2型糖尿病患者の大半にとって選択肢として承認された血糖コントロール薬である。一方で、メトホルミン単独治療を受けていると血糖コントロールが早期に不能になることが観察されている。若い2型糖尿病患者においてリラグルチドの追加(基礎インスリンの有無を問わず)の安全性および有効性は明らかになっていなかった。

喘息患者の3 人に1 人は救急経験あり

 アストラゼネカ株式会社は、気管支喘息患者を取り巻く現状や喘息治療の実態を明らかにすることを目的とした患者調査を全国3,000名の患者に実施し、その結果が公表された。  調査結果は今回発表の「喘息患者さんの予定外受診・救急受診・救急搬送の現状」編のほか、「喘息患者さんの通院・服薬の現状」編、「重症喘息患者さんの現状」編という3つのテーマで公開される。監修は東田 有智氏(近畿大学病院 病院長)が担当した。  調査実施日:2019年4月15~26日