整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:84

テリパラチド+デノスマブ、骨折リスクの高い患者に有用である可能性/Lancet

 骨粗鬆症治療薬のテリパラチド(商品名:テリボン、フォルテオ)とデノスマブ(同:プラリア)について、併用して用いると、それぞれを単独かつ承認最大用量で用いた場合よりも骨密度が有意に増大することが示された。米国・マサチューセッツ総合病院のJoy N Tsai氏らによる、閉経後骨粗鬆症患者を対象としたオープンラベル無作為化試験の結果で、「併用療法は骨折リスクの高い患者に対する治療として有用である可能性がある」と報告した。ここ数十年で骨粗鬆症の治療薬は選択肢が拡大したが、骨粗鬆症が進行した患者の骨を完全に正常に回復することは困難で、また重症患者の治療オプションはなお課題とされている。これまでの併用療法による治療改善の検討は、大半が不成功に終わっていた。テリパラチドについてもビスホスホネートとの併用による治療の改善は示されなかった。Lancet誌オンライン版2013年5月15日号掲載の報告より。

人工股関節全置換術後の脚長差を防ぐ新しい方法

 人工股関節全置換術において、脚長差などの合併症は機能障害と患者の不満の重大な原因となる。術中の下肢長測定にはいくつかの方法があるが、多くは侵襲的であり、そうでないものはあまり正確ではない。米国・ミシガン大学のJoseph D. Maratt氏らは、非侵襲的で術中に迅速かつ正確に下肢長を測定し術後の脚長差を防ぐことができる、新しいツールを開発した。

遺伝性骨疾患とWNT1遺伝子変異の関連が明らかに/NEJM

 遺伝病である若年性骨粗鬆症と骨形成不全症はWNT1遺伝子変異と関連し、WNT1は骨形成のシグナル伝達経路の主要分子であり、骨量調節における重要なリガンドであることが、フィンランド・ヘルシンキ大学のChristine M. Laine氏らの検討で示された。近年、骨の形成や維持におけるWNTシグナル伝達経路の役割が広く研究されているが、主要な伝達物質である低密度リポ蛋白受容体関連蛋白(LRP)5/6を介する経路のWNTリガンドはみつかっていなかった。NEJM誌オンライン版5月9日号掲載の報告。

高齢者では喫煙が慢性疼痛を増悪させている可能性がある

 スウェーデン・ルンド大学のUlf Jakobsson氏らによる横断研究の結果、65歳以上の高齢者では喫煙が慢性疼痛の強さと関連していることが明らかになった。著者は、喫煙をやめさせるための介入が、高齢者の疼痛を緩和する一つの方法となるかもしれないとまとめている。Pain Practice誌オンライン版2013年4月12日号の掲載報告。

腰椎椎間板ヘルニア患者、オピオイド使用は手術回避には結びつかない

 The Spine Patient Outcomes Research Trial(SPORT)は、腰椎椎間板ヘルニアに対する手術的治療と保存的治療を比較する多施設前向き無作為化研究である。同研究参加者について、米国・トーマスジェファーソン大学のKris Radcliff氏らが行ったサブグループ解析の結果、オピオイド使用患者は試験開始時からの疼痛とQOLの悪化が著しかったこと、またオピオイド使用の有無で4年後の臨床転帰に差はなく、オピオイド使用により手術を回避できるわけではないことが明らかになった。

キーンベック病の長期予後、血管柄付き骨移植術は良好

 血管柄付き骨移植術(VBG)は、進行期のキーンベック病に対する治療法の一つであるが、この治療法の長期予後に関する報告はほとんどなかった。日本・京都府立医科大学講師の藤原浩芳氏らは、VBGを施行したキーンベック病患者を10年以上追跡し、長期予後は良好であることを報告した。The Journal of Hand Surgery誌2013年5月号(オンライン版2013年4月2日号)の掲載報告。