人工膝関節形成術へのドクターフィー年5%減で起きた総医療費の劇的上昇 米国では1997年8月に財政赤字への懸念から連邦均衡予算法(Balanced Budget Act of 1997)が可決され、メディケアプログラム下の医師への診療報酬(ドクターフィー)の引き下げが命じられた。個々のドクターフィー引き下げそのものによる節減効果と、加えて報酬引き下げは労働インセンティブを低下させ、結果としてアウトプットが減り節減効果がもたらされる、という2つの支出コスト抑制効果があると考えられたためであったという。
長期アスピリン常用と加齢黄斑変性リスクとの関連/JAMA アスピリンの常用と加齢黄斑変性(AMD)発症との関連について調査した長期試験の結果、服用期間が5年では有意な関連はみられなかったが、10年では、わずかだが統計的に有意な発症遅延リスクの上昇が血管新生型AMDでみられたことを、米国・ウィスコンシン大学医学部眼科部門のBarbara E. K. Klein氏らが報告した。アスピリンは関節炎などの疼痛緩和や心保護効果があるとして広く使用されている。その使用は、眼科医にとっても関心が高いという。JAMA誌2012年12月17日号掲載報告より。
雪下ろしによる転落外傷、記録的な大雪に見舞われた2010年冬からの教訓 2010年冬にフィンランドでは記録的な大雪に見舞われ、とくに南部地方で雪下ろしのために屋根に上った人の転落外傷が例年にない規模で発生したという。ヘルシンキ大学病院のM. Aulanko氏らは、その発生状況と大学病院で行われた処置およびコストなどについて解析した。Scandinavian Journal of Surgery誌2012年第4号12月15日号の掲載報告。
整形外科手術が不満足となるリスク、労災患者は2.08倍 整形外科手術結果について、労災対象患者は非労災対象患者と比べて、不満足となるリスクが倍増することが、メタ解析の結果、示された。ブラジル・サンパウロ連邦大学のVinícius Ynoe de Moraes氏らによる報告で、以前のレビューでも、整形外科のアウトカムは労災補償の有無に強く影響を受けることが示されていた。しかし、レビュー対象論文の方法論がさまざまで、関連性が誇張されている可能性があったという。PLoS One誌オンライン版2012年12月5日発表の報告。
難治性慢性腰痛患者への高頻度SCS、6ヵ月時点で74%が改善を報告 難治性の慢性腰痛患者に対して、高頻度の脊髄電気刺激療法(spinal cord stimulation:SCS)は、70%以上で腰痛および下肢痛の軽減を有意かつ持続的にもたらすことが報告された。とくに感覚異常がなく達成され、患者は身体障害や睡眠に関する有意な改善も認められた。
中年期の広範囲の慢性疼痛リスク、少年期の知能指数1SD低下につき1.26倍上昇 精神的因子は、慢性疼痛に関わる因子の一つと考えられていることから、英国・サウサンプトン大学のCatharine R. Gale氏らは、中年期の慢性疼痛について、少年期の知能との関連について調査した。その結果、少年期知能指数が低値になるほど中年期の慢性疼痛リスクは上昇すること、そのリスク上昇は、BMIが高いほど、また社会経済的階層が低くなるほど有意であることが明らかになったという。Pain誌2012年12月号の掲載報告。
手術待機中のOA患者が心に描く期待はICFモデルと合致 変形性膝関節症(OA)患者が心に描く疾患描写(mental representations)は、国際生活機能分類(International Classification of Functioning Disability and Health:ICF)の機能・障害・健康モデルで用いられる用語と整合性が取れており、ICFの3つの構成概念(障害度、活動度、社会参加)がOA患者にとって重要であることが明らかにされた。
腰痛治療に関して男性医師と女性医師とで有意な差 腰痛症患者の疼痛マネジメントの判断に関して、男性医師と女性医師とで有意な差があることが、オランダ・ユトレヒト大学のDieuwke S Veldhuijzen氏らによる調査の結果、報告された。女性医師のほうが男性医師よりも薬物療法を第一選択とする割合が高いという。
日本におけるロコモの有病率と危険因子が明らかに!ロコチェックの有用性も 日本において、ロコモティブシンドローム※(LS)の有病率は男性よりも女性の方が高いことが、弘前大学大学院 佐々木 英嗣氏らにより報告された。また、著者らは、LSの強力な危険因子は画像上の変形性膝関節症(膝OA)であること、LS患者は骨格筋量の減少、バランスと柔軟性が低下していること、ロコチェックは初期段階の関節障害を見つけることができ、LSの予防介入に有用であることも明らかにした。Journal of orthopaedic science誌オンライン版2012年11月1日付の報告。
骨折後早期の造影CTが骨折治癒の過程を明らかとする可能性 骨折後早期の造影CT(contrast enhanced CT、CECT)は、骨折治癒の総合的な研究に有用であるというマウスを用いたex vivo試験からの知見が、米国・ボストン大学のLauren N.M. Hayward氏らにより報告された。骨折治癒初期のX線やCTによる評価は、軟骨組織は不鮮明な所見しか得られず限定的である。