眼科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:25

網膜症は、糖尿病の有無に関係なく死亡率増加の予測因子

 網膜症は死亡率と関連していることが示唆されているが、その理由はよくわかっていない。米国国立衛生研究所(NIH)のDiana E. Fisher氏らは、併存疾患を有している高齢者の死亡率に対し網膜症がどのように影響するのか、前向きコホート研究のデータを解析し調べた。結果、網膜症は軽微であっても、高齢者、とくに男性で、糖尿病の状態に関係なく死亡率増加の有意な予測因子であったという。著者は、「網膜症を有するということは、健康状態の綿密な臨床的管理を必要とする根拠となりうる」と指摘している。Ophthalmology誌2016年7月号(オンライン版2016年4月7日号)の掲載報告。

血圧と眼球後方の血行動態は関連している?

 高血圧症を合併する原発開放隅角緑内障(POAG)患者において、血圧は眼球後方の血行動態と関連しているのだろうか。セルビア・ベオグラード大学のIvan Marjanovic氏らは、外来患者を対象とした観察研究で、dipper型の高血圧症を有するPOAG患者では血圧と眼動脈の血管抵抗指数(resistivity index)が有意に関連しており、non-dipper型のPOAG患者と比較してdipper型で眼球後方の血行動態パラメータの低下がみられることを明らかにした。

日本人未成年者のぶどう膜炎の臨床的特徴

 若年者のぶどう膜炎の多くは、両眼性であり、全身性疾患との関連はないことが、東京の3次医療施設における調査で示された。杏林大学の慶野 博氏らが、杏林アイセンターを受診した20歳未満のぶどう膜炎若年患者の臨床的特徴、全身疾患との関連、治療および視力予後を分析したもの。眼炎症のコントロールに全身療法を要した患者は5分の1のみで、視力予後はほとんどの患者で良好であった。

眼外科領域でヒューマンエラー回避訓練は可能か?

 医療の特定領域では、チームワークを強化しエラーを減少させるヒューマンファクターに関する訓練が定期的に行われているが、眼科では確立されていない。英国・Moorfields Eye HospitalのGeorge M. Saleh氏らは、眼外科チームのための没入型ヒューマンファクターシミュレーション訓練を考案・検討し検証試験を行った。評価ツールとして、麻酔科医用ノンテクニカルスキル(ANTS)および外科医用ノンテクニカルスキル(NOTSS)が使用でき、重大な安全性に関するイベントが減少できることを示した。著者は、「眼科学のヒューマンファクターシミュレーションは、チームメンバーに対する新しい教育法であり、今後、さらにその有用性と実用的な適用法について検討することが望まれる」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年6月16日号掲載の報告。

DPP-4阻害薬は糖尿病網膜症の進行を抑制する!?

 DPP-4阻害薬による糖尿病治療は、糖尿病網膜症の進行に対し血糖コントロールの改善とは独立した防御因子であることを、韓国・亜洲大学校のYoo-Ri Chung氏らが報告した。DPP-4阻害薬の糖尿病網膜症に対する有用性を示した最初の研究であり、著者らは「DPP-4阻害薬の糖尿病網膜症の進行に対する有効性について、無作為化二重盲検プラセボ比較試験によりさらなる評価を行うことを促す予備的データである」とまとめている。Retina誌オンライン版2016年6月9日号の掲載の報告。

スマホを毎日長時間利用する若者、複数眼症状の有病率3倍

 スマートフォンの利用が、若者の眼の健康に悪影響をもたらしている可能性があることを、韓国・ソウル大学校のJoowon Kim氏らが715例の調査の結果、明らかにした。近年、スマートフォンの利用は激増しているが、携帯電話としての利用よりも、画面を見つめての利用時間のほうが長く、とくに眼の健康に有害作用をもたらす可能性が示唆されていた。Ophthalmic Epidemiology誌オンライン版2016年6月2日号の掲載の報告。

黄斑下血腫、ラニビズマブ硝子体内注射は有用

 黄斑下血腫に対し、組み換え組織プラスミノーゲン活性化因子(rt-PA)ラニビズマブおよびガス硝子体内注射は血腫の移動と病変改善に有用であることを、日本大学 医学部視覚科学系眼科学分野の北川 順久氏らが前向き研究により示した。著者は、「視力の改善・維持には、治療後の再発を早期に発見し、必要に応じて血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬硝子体注射を行うことが大切」とまとめている。Ophthalmology誌2016年6月号(オンライン版2016年3月2日号)の掲載の報告。

ジカウイルス胎内感染児の3分の1に先天性眼障害

 ジカウイルス感染は、2015年にブラジル北東部で流行が確認され、南北アメリカの多くの地域にまで急速に拡大している。最近、新生児の小頭症とこれら小頭症児における視力を脅かす所見が増加していることから、ブラジル・ロベルト サントス総合病院のBruno de Paula Freitas氏らは、胎内感染が疑われる小頭症児の眼所見について調査した。