眼科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:22

女性眼科医の報酬が男性より低い理由は?

 女性眼科医の数は増加しているが、彼女らの臨床活動や報酬についてはわかっていない。米国ジョンズ・ホプキンス大学のAshvini K Reddy氏らの分析の結果、2012年および2013年におけるメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)からの報酬は、女性眼科医による請求の提出が少なく、男性眼科医と女性眼科医とでまったく異なっていた。著者は、「臨床活動は類似しており機会は公平でありながら差があることについて、その根本原因をさらに調査する必要がある」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年1月19日号掲載の報告。

アジア人で眼圧上昇と血糖降下薬の関連を示唆

 眼圧は全身薬物療法と関連しているのだろうか。シンガポール・国立眼科センターのHenrietta Ho氏らは、中国人、インド人およびマレー人を対象としたシンガポール眼疾患疫学研究の事後解析を行い、β遮断薬は眼圧低値と、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、スタチンおよびスルホニル尿素(SU)薬は眼圧高値と関連が示唆されることを明らかにした。

遠隔医療を活用した未熟児網膜症スクリーニング法4つを比較

 米国・ペンシルベニア大学のJaclyn Gurwin氏らは、急性期未熟児網膜症の遠隔評価法(e-ROP)研究における遠隔医療システムでの眼底所見分類と、フィラデルフィア小児病院未熟児網膜症(CHOP-ROP)出生後体重増加予測モデルを相乗的に使用し、重症ROP発症児を特定するROPスクリーニング段階的アプローチ法(TARP)について検討した。

ドライアイ患者の主観的健康感を損ねる因子とは

 ドライアイでは、しばしば自覚症状と他覚所見の間に乖離がみられる。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのJelle Vehof氏は、この不一致が主観的健康感の指標であることを大規模な横断研究により示した。不一致に関与する因子も明らかにされ、「その因子を認識しておくことは、日常診療においてドライアイ患者の評価に役立つ」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2016年12月23日号掲載の報告。

研修医が行った緑内障手術の再手術・合併症の頻度

 緑内障手術を3年目の研修医が実施した場合、術後最初の90日以内における再手術率や合併症発生率はどのくらいなのか、米国・カリフォルニア大学のYen C Hsia氏らが、後ろ向き調査で調べた結果、再手術率は約4%で、受け入れられる結果であることが示された。また、手術法による再手術率および合併症発生率に差はなく、再手術を要した患者の臨床転帰も良好であったという。Journal of Glaucoma 誌オンライン版2016年12月20日号掲載の報告。

高齢者のロービジョンケアへのリハビリ併用効果

 視覚機能が低下したロービジョン(LV)高齢者を対象に、基本的なデバイス使用のLVケア介入と、そこにリハビリテーションを併用する介入(LVR)の有用性を、無作為化臨床試験で比較検討した結果が報告された。結果は、LVRの有効性が顕著だったのは最良矯正遠見視力(BCDVA)が20/63~20/200の患者においてのみであることが示されたという。

大麻常用者では網膜電図の潜時が有意に延長

 大麻の使用は公衆衛生上の重要な問題であり、大麻が中枢神経系の神経伝達に作用することが知られている。フランス・Pole Hospitalo-Universitaire de Psychiatrie du Grand NancyのThomas Schwitzer氏らは、複雑な精神現象における脳神経伝達異常の直接的なマーカーとして網膜機能を用いた、症例対照研究を行った。その結果、大麻の常用者では、網膜神経節細胞の活動電位伝導の遅れが認められたことを明らかにした。これは、視覚の変化を裏付けるものだという。著者は「大麻使用が網膜処理に影響を及ぼすことが認められた。大麻の中枢神経系に対する神経毒性作用が浮き彫りになったことは、公衆衛生の観点から重要と思われる」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年12月8日号掲載の報告。

AIの画像診断能、糖尿病網膜症の検出で確認/JAMA

 成人糖尿病患者の網膜基底部の画像評価について、ディープラーニングをベースとした診断アルゴリズムは、糖尿病網膜症の検出に関し、高い感度、特異度を示したことを、米国・Google社のVarun Gulshan氏らが発表した。ディープラーニングは、コンピュータアルゴリズムのプログラムに、自身で膨大な症例から学び適切な行動を示すことを容認する人工知能(AI)技術の1つで、プログラムに明確なルールを記述する必要がない。研究グループは、この技術を医学画像診断に適用できるか、評価と検証試験を行った。JAMA誌オンライン版2016年11月29日号掲載の報告。