血圧と眼球後方の血行動態は関連している?

提供元:ケアネット

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公開日:2016/07/13

 

 高血圧症を合併する原発開放隅角緑内障(POAG)患者において、血圧は眼球後方の血行動態と関連しているのだろうか。セルビア・ベオグラード大学のIvan Marjanovic氏らは、外来患者を対象とした観察研究で、dipper型の高血圧症を有するPOAG患者では血圧と眼動脈の血管抵抗指数(resistivity index)が有意に関連しており、non-dipper型のPOAG患者と比較してdipper型で眼球後方の血行動態パラメータの低下がみられることを明らかにした。European Journal of Ophthalmology誌オンライン版2016年6月21日号の掲載報告。

 研究グループは、眼科外来を受診したdipper型およびnon-dipper型の高血圧症を有するPOAGの連続症例を対象に、前向き横断的観察研究を行った。

 24時間血圧測定、ドップラー法および脈拍眼圧(ocular pulse amplitude:OPA)測定を同じ日に行い、夜間の血圧が日中から10%以上減少している患者をdipper型、10%未満の患者をnon-dipper型とし、血圧と眼球後方(眼動脈、網膜中心動脈および短後毛様体動脈)の血行動態パラメータとの関連を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・解析対象は、計114例(dipper型78例、non-dipper型36例)であった。
・non-dipper型よりdipper型で、拡張終期速度が有意に低く、比抵抗指数(resistivity index:RI)が有意に高かった(どちらもp<0.0001)。
・dipper型では、眼動脈のRIが日中および夜間の収縮期血圧、ならびに日中平均動脈圧と有意に関連していた。

(ケアネット)