眼科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:24

最も近い眼科まで車で何分?

 米国・ワシントン大学のCecilia S. Lee氏らは、人口調査をベースとしたアプローチを用いて、走行ルートと走行時間を計算して、“近場の眼科”を定量化する検討を行った。結果、地域によって差はあるが、概して、米国のメディケア受給者集団の90%以上が、眼科医まで車で30分、検眼士まで15分以内のところに住んでいることが明らかになったという。Ophthalmology誌オンライン版2016年9月12日号掲載の報告。

高齢者の視力低下、認知障害と関連

 視力障害と認知障害は共に高齢者のQOLを左右する重要な問題であるが、両者には関連があるのだろうか。奈良県立医科大学眼科学教室の峯 正志氏らは、奈良県在住の65歳以上の高齢者を対象としたコホート研究「藤原京スタディ」を行い、認知障害は視力障害と有意に関連していることを明らかにした。著者は、「認知障害のリスクを減らすためには良好な視力を維持することが重要である」とまとめている。BioResearch Open Access誌2016年8月1日号掲載の報告。

感覚トリックで患者の半数の眼周囲ジストニア症状が緩和

 良性本態性眼瞼痙攣患者や片側顔面痙攣患者の中には、感覚トリックを利用して症状を緩和させている患者もいることが知られている。感覚トリックの利用と重症度およびボツリヌス毒素療法との関連はわかっていなかったが、英国・St Mary's HospitalのCaroline L. S. Kilduff氏らによる前向き横断観察研究の結果、患者の半数は感覚トリックを利用しており、それは重症度と関連していたがボツリヌス毒素療法とは関連していないことが明らかとなったと報告した。今回の研究について著者は、「今後、たとえば感覚トリックの使用についてアドバイスしたり装置を作ったり、治療方針を考えるうえで役に立つかもしれない」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年9月8日号の掲載の報告。

ゲーム感覚で小児の視力を自動測定できるタブレット端末

 小児の視力を自動的に測定するタブレット型コンピュータが開発された。ゲームデザインを用いたアプリケーションソフトウェアが搭載されている。英国・マンチェスター大学のTariq M Aslam氏らは、100例以上の小児において検討し、このシステムは眼疾患を有する小児の視力を客観的かつ正確に自動測定できることを示した。将来の実用性が期待される。American Journal of Ophthalmology誌オンライン版2016年8月17日号掲載の報告。

加齢黄斑変性の抗VEGF療法、心血管イベントとは関連せず

 米国では、2006年に滲出型加齢黄斑変性(AMD)に対し抗VEGF(血管内皮増殖因子)療法が導入された。米国・デューク大学のArseniy P. Yashkin氏らは、メディケア受給者を対象に後ろ向きコホート研究を行い、心血管イベントの発生について5年間の追跡調査を行った。その結果、滲出型AMD患者に対する抗VEGF療法は、急性心筋梗塞(AMI)、脳卒中または全死亡のリスクを増加しないことが示されたという。Ophthalmology誌オンライン版2016年8月11日号掲載の報告。

人工網膜システム、移植から5年後の機能と安全性

 人工網膜システム「Argus II」(Second Sight Medical Products社)は、網膜色素変性症や網膜外層変性で失明した患者の視覚を回復させるために開発された。小型カメラとビデオプロセッサを搭載したメガネをかけ、カメラで捉えた映像を電気信号に変換して人工網膜に送信することで、視覚が得られる。今回、英国・ロンドン大学のLyndon da Cruz氏らは、Argus II移植後5年の臨床試験成績を報告。Argus IIの長期安全性および有効性が確認されたことを明らかにした。Argus IIは、世界初の網膜インプラントとして欧州、米国およびカナダで承認されている。Ophthalmology誌オンライン版2016年7月19日号の掲載報告。

眼科医 vs.検眼士、緑内障レーザー手術の転帰は?

 米国のオクラホマ州は、検眼士(Optometrist)がレーザー線維柱帯形成術(LTP)を行うことのできる数少ない州の1つで、他の州では検眼士がLTPやその他のレーザー治療を行えるよう特別な認可を得るためにロビー活動を行っている。一方で、検眼士による治療を受けた患者の転帰については不明であった。そこで、米国・ミシガン大学のJoshua D. Stein氏らは、メディケア受益者を対象に後ろ向き縦断コホート研究にて検証。

コンタクトレンズ vs.レーシック、視覚満足度を調査

 コンタクトレンズ装着者とレーシックを受けた人計1,800人に対し、年1回3年にわたる視覚改善に関する満足度調査を行った結果、レーシックは、夜間ドライブを容易なものに改善し、ドライアイ症状の有意な増大もなく、3回の調査とも満足度が高い結果であったことが報告された。米国・Cornea Research Foundation of AmericaのMarianne O. Price氏らが行った多施設共同の前向き並行群間比較調査の結果で、Ophthalmology誌2016年8月号掲載の報告。

HbA1c、糖尿病の有無にかかわらず眼底循環と相関

 レーザースペックルフローグラフィ(LSFG)を用いて視神経乳頭と脈絡膜の血行動態を測定し、糖尿病の有無で血行動態パラメータと空腹時血糖値およびHbA1cとの関連を調べたところ、非糖尿病患者でもHbA1cが視神経乳頭と脈絡膜の血流に影響を及ぼすことを、東邦大学大森病院眼科の柴 智恵子氏らが明らかにした。著者は、「LSFGは無症候性の眼循環異常の検出に有用」とまとめている。Graefe's Archive for Clinical and Experimental Ophthalmology誌オンライン版2016年7月20日掲載の報告。

左眼白内障の増大、車のサイドウィンドウが関連?

 紫外線A波(UV-A)と、白内障や皮膚がんリスクとの関連は知られているが、米国・Boxer Wachler視覚研究所のBrian S. Boxer Wachler氏は、自動車のフロントガラスとサイドウィンドウの紫外線A波(UV-A)カット率を比較した。その結果、フロントガラスのUV-Aカット率は車種による差はみられず一貫して高かったが、サイドウィンドウのUV-Aカット率はフロントガラスよりも低く、車種によって差があることが判明したという。