腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:296

内視鏡による進行腺腫あり vs.なし、大腸がんリスクに有意差/JAMA

 軟性S状結腸鏡検査(FSG)が陽性で大腸内視鏡検査を受けた結果、進行腺腫が認められた人は、腺腫が認められなかった人に比べて、その後の大腸がんリスクが有意に高かった。一方で非進行腺腫の有無と同リスク増大には関連は認められない可能性が示されたという。米国・ピッツバーグ大学のBenjamin Click氏らが、FSGの結果が陽性だった1万5,935例を対象にした試験で明らかにしたもので、JAMA誌2018年5月15日号で発表した。腺腫ポリープがある人は大腸がんを予防するために、定期的な大腸内視鏡検査を受けるよう勧められる。しかし、検査受診時の腺腫有無と、長期の大腸がん発症との関連は明らかになっていなかった。

降圧薬が皮膚がんのリスク増加に関連

 米国・マサチューセッツ総合病院のK.A. Su氏らによる調査の結果、光感作性のある降圧薬(AD)による治療を受けた患者では、皮膚の扁平上皮がん(cSCC)のリスクが軽度に増加することが明らかになった。多くのADは光感作性があり、皮膚の日光に対する反応性を高くする。先行の研究では、光感作性ADは口唇がんとの関連性が示唆されているが、cSCCの発症リスクに影響するかどうかは不明であった。British Journal of Dermatology誌オンライン版2018年5月3日号掲載の報告。

コーヒー豆は浅煎りを選んでがん予防

 コーヒーは世界で最も広く飲まれている飲料の1つであり、健康に有益な多くの植物性化合物を含んでいる。これまでに、浅いローストレベル(焙煎度)の豆が、高い抗酸化活性を持つという報告1)があるが、抗がん作用との関わりは明確にされていなかった。今回、米国・カリフォルニア州立大学のBenigno E. Mojica氏らの研究結果より、浅めに焙煎されたコーヒー豆が、口腔および結腸がんのような、特定のがん予防に寄与する可能性が示唆された。Journal of food science誌2018年4月号に掲載。

術直後ゲムシタビン膀胱内注入、膀胱がん再発リスク低減/JAMA

 低悪性度の筋層非浸潤性尿路上皮がん患者は、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)後の再発の頻度が高いという。米国・ロチェスター大学のEdward M. Messing氏らは、本症が疑われる患者では、術直後の単回ゲムシタビン膀胱内注入療法により、4年後の再発リスクが低減することを、多施設共同試験「SWOG S0337試験」で示した。ゲムシタビンを含むレジメンは、筋層浸潤性および高度に進行性の尿路上皮がんの全身療法に使用されており、予備的エビデンスではゲムシタビン膀胱内投与は安全であり、筋層非浸潤性尿路上皮がんでは他の薬剤と同等以上の有効性が示唆されている。JAMA誌2018年5月8日号掲載の報告。

ニボルマブ・イピリムマブ併用、高腫瘍変異負荷肺がん1次治療でPFS延長/NEJM

 ニボルマブとイピリムマブは、第I相CheckMate-012試験で非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療に有効性を示し、また腫瘍変異負荷(TMB)はバイオマーカーとして注目されている。そのような中、ニボルマブおよびニボルマブベースのレジメントと化学療法を比較した、無作為化オープンラベルマルチパート第III相CheckMate-227試験から、TMB高レベル患者(1メガベースあたりの変異が10個以上)における、ニボルマブ+イピリムマブ群と化学療法群を比較したPart1の結果が、NEJM誌2018年4月16日号とAACR2018で同時に発表された。

赤身肉や加工肉の摂取、悪性黒色腫発症のリスクを低下?

 赤身肉および加工肉の摂取は、がんのリスク増加に関与していることが知られているが、悪性黒色腫との関連については結論が得られていない。米国・ハーバード公衆衛生大学院のHsi Yen氏らが、2つの前向きコホート研究、Nurses' Health Study(NHS)およびHealth Professionals Follow-up Study(HPFS)を使用した調査と解析の結果、赤身肉および加工肉を多く摂取することは悪性黒色腫の発症リスクを低下させる可能性があると報告した。ただし結果について著者は、「この2つのコホート研究の対象者は白人の医療従事者に限られているので、今回の結果は一般化可能性に限界があるかもしれない」と述べている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年4月23日号掲載の報告。

日本人は身長が高いと脳血管死亡リスク低い~JPHC研究

 成人の身長と死亡リスクの関連が以前の研究で示唆されているが、日本人における身長と全死因死亡率・疾患別死亡率との包括的な関連は不明である。今回、わが国の前向きコホート研究(JPHC研究)で評価したところ、成人での身長が高いと、男女共に脳血管疾患死亡リスクが低く、逆に男性のがん死亡リスクが高いことが示唆された。PLOS ONE誌2018年5月14日号に掲載。

エピシルが化学療法や放射線療法の口内炎の口腔内疼痛を緩和/Meiji Seikaファルマ

 Meiji Seikaファルマ株式会社は2018年5月16日、局所管理ハイドロゲル創傷被覆・保護材エピシル口腔用液(以下、エピシル)の販売を開始した。  エピシルは口腔内病変の被覆および保護を目的とする非吸収性の液状機器。口腔粘膜にエピシル適量を適用すると数分以内に口腔粘膜の水分を吸収してゲル状になり、物理的バリアを形成することにより、化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛を管理および緩和する。