腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:266

ダラツムマブ追加で、多発性骨髄腫の無増悪生存が改善/NEJM

 自家造血幹細胞移植の適応がない新規診断の多発性骨髄腫患者の治療において、標準治療であるレナリドミド+デキサメタゾンにダラツムマブを併用すると、標準治療単独に比べ病勢進行または死亡のリスクが有意に低減することが、フランス・リール大学のThierry Facon氏らが行ったMAIA試験で示された。研究の詳細は、NEJM誌2019年5月30日号に掲載された。ダラツムマブは、CD38を標的とするヒトIgGκモノクローナル抗体であり、直接的な抗腫瘍活性と免疫調節活性を有する。多くの治療歴のある患者への単剤による有効性や、新規診断および再発・難治例への標準治療との併用による有効性が報告されている。

腎細胞がんへのペムブロリズマブ+アキシチニブ、IMDC分類によらずベネフィット(KEYNOTE-426)/ASCO2019

 進行または転移を有する腎細胞がん(mRCC)の1次治療における、抗PD-1抗体ペムブロリズマブとチロシンキナーゼ阻害薬アキシチニブの併用療法を評価した第III相試験KEYNOTE-426のサブグループ解析から、IMDC分類によらず、また予後不良とされる肉腫様変化を有する患者においても、併用療法のベネフィットが示された。米国・クリーブランドクリニックのBrian I. Rini氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で発表した。なお、本併用療法は同試験の結果に基づき、2019年4月にFDAから承認を受けている。

ペムブロリズマブのNSCLC5年生存、未治療患者で23%(KEYNOTE-001)/ASCO2019

 米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)において、カリフォルニア大学のEdward B. Gron氏が、ペムブロリズマブ単剤治療のマルチコホート第Ib相試験KEYNOTE-001における進行非小細胞肺がん(NSCLC)の5年長期追跡結果を発表した。NSCLCでは未治療および既治療の550例(未治療101例、既治療449例)が対象となっている。

がん患者の偶発的肺塞栓症の再発リスクは?

 画像診断技術の進展により、がん患者に偶発的な所見が見つかる割合は高まっており、その治療に関する検討が各種報告されている。オランダ・アムステルダム大学のNoemie Kraaijpoel氏らは、国際共同前向き観察コホート研究において、偶発的な肺塞栓症を有するがん患者で、抗凝固療法を行った場合の再発リスクについて評価した。その結果、治療を行っても静脈血栓塞栓症の再発リスクが懸念されることが示されたという。リスクは、亜区域枝の肺塞栓症患者と、より中枢部の血栓を有する患者で同等であった。がん患者における偶発的な肺塞栓症は、ルーチンの画像検査で最高5%に発見されるという。しかし、とくに遠位血栓に関して、臨床的な関連や最適な治療法は明らかになっていなかった。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年5月22日号掲載の報告。

臨床研究法、J-CLEARメンバーも対応に苦戦

 臨床研究法が施行されて早1年。2019年3月までは移行期間ということもあり、倫理委員会への登録などで忙殺された方が多かったようだ。本年4月からの新たな申請はこれまでに比べ、少ないというが、日本の臨床研究は法律に則り、滞りなく進んでいるのだろうか。NPO法人 臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR/理事長 桑島 巖氏)は2019年4月20日、都内においてJ-CLEAR講演会を開催。6名の先生が特定臨床研究の現状や糖尿病領域の臨床試験の変遷などについて発表した。

エルロチニブ+ラムシルマブ、EGFR陽性NSCLCの新オプションに?(RELAY)/ASCO2019

 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、EGFR-TKIエルロチニブと抗VEGF-R2抗体ラムシルマブの併用が、エルロチニブ単剤と比較して無増悪生存期間(PFS)を大きく延長した。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、第III相RELAY試験の中間解析結果を、近畿大学の中川 和彦氏が発表した。  エルロチニブを含む第1~第2世代TKIによる治療後、30~60%でT790M変異が発現する。第3世代TKIのオシメルチニブはT790M変異に対して有効だが、1次治療でオシメルチニブを投与した場合、その後の治療選択肢は限られる。

日本のAYA世代がん患者が終末期ケアに望むこと

 2018年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(厚生労働省)が改訂され、本人が望むエンドオブライフ・ケア(EOLケア)がいっそう推進されているが、国立がん研究センター 中央病院の平野 秀和氏らは、日本のAYA世代(思春期・若年成人、15~39歳)のがん患者が、どのようなEOLケアを選好するのか、初となる調査を行った。同センターによれば、日本のAYA世代では、年間約2万人ががんの診断を受けているという。Journal of Pain and Symptom Management誌オンライン版2019年5月8日号掲載の報告。

尿路上皮がんに対する化学療法後のペムブロリズマブでPFS改善(HCRN GU14-182)/ASCO2019

 転移のある尿路上皮がん(mUC)に対してプラチナベースの抗がん剤治療後の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ単剤によるメンテナンス治療の効果が、第II相の二重盲検比較試験の結果として、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)において、米国・マウントサイナイ医科大学のMatt D. Galsky氏より発表された。

尿路上皮がん1次治療におけるゲムシタビン・シスプラチン・ベバシズマブ併用療法の結果(CALGB90601)/ASCO2019

 転移のある尿路上皮がん(mUC)を対象にしたゲムシタビン+シスプラチン併用療法にベバシズマブをオン/オフする無作為化プラセボ対照第III相試験(CALGB90601)の結果を、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、米国Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのJonathan E. Rosenberg氏が発表した。