腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:177

扁平上皮頭頸部がんアジュバント、毎週CDDP+RTに軍配/日本臨床腫瘍学会

 術後再発高リスク因子(切除断端陽性、リンパ節外浸潤)を有する進行頭頸部扁平上皮がんに対する術後補助療法の標準治療は、CDDPを3週ごとに同時併用する化学放射線療法(3wCDDP+RT)である。しかし、毒性の強さ、治療のコンプライアンス、長期入院の必要性、術後の手術部位感染の懸念などから普及せず、毒性の軽い CDDPを毎週投与する化学放射線療法(wCDDP+RT)が頻用されている。ただし、wCDDP+RTのエビデンスは不足しており、標準治療である3wCDDP+RTとの無作為化比較試験も行われていない。

cemiplimab単独療法、PD-L1≧50%進行NSCLCのOSとPFSを延長/Lancet

 未治療のプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)発現率≧50%の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療において、cemiplimab単剤療法はプラチナ製剤ベースの2剤併用化学療法と比較して、全生存(OS)期間および無増悪生存(PFS)期間を有意に延長し、1次治療の新たな選択肢となる可能性があることが、トルコ・バシケント大学のAhmet Sezer氏らが行った「EMPOWER-Lung 1試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2021年2月13日号に掲載された。cemiplimabは、PD-1に直接的に作用する強力な完全ヒト・ヒンジ安定化IgG4モノクローナル抗体。根治的手術や根治的放射線治療が適応とならない転移を有する/局所進行皮膚有棘細胞がんの治療薬として米国などで承認されており、進行固形腫瘍では他のPD-1阻害薬と同程度の抗腫瘍活性と安全性プロファイルが確認されている。

新型コロナでマンモグラフィ2ヵ月中止、診断時の病期に影響/ESMO Open

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の影響を強く受けた北イタリアではマンモグラフィ検診が2ヵ月間中止となった。イタリア・Azienda Ospedaliero-Universitaria di ModenaのAngela Toss氏らが、検診中断後の乳がん診断時および初期治療時の病期を調査したところ、検診中断後にリンパ節転移陽性およびStage IIIの乳がんが増加していた。ESMO Open誌オンライン版2021年2月11日号に掲載。

NSCLC1次治療、ペムブロリズマブへのイピリムマブ上乗せは効果示せず/JCO

 PD-1阻害薬のニボルマブでは、CTLA-4阻害薬イピリムマブとの併用で非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療の有効性の向上を示している。同じくPD-1阻害薬であるペムブロリズマブにおいても、イピリムマブを追加することで有効性が改善するのか。PD-L1(TPS)50%以上のNSCLC集団において、ペンブロリズマブとイピリムマブの併用とペムブロリズマブ単剤を比較した第III相KEYNOTE-598試験の結果が、Journal of Clinical Oncology誌2021年1月29日号で発表された。

前立腺がんの心血管・死亡リスク、経皮エストロゲンvs.LHRHa/Lancet

 進行前立腺がん患者において、エストラジオールの経皮投与(tE2)パッチによる治療と黄体形成ホルモン放出ホルモン作動薬(LHRHa)による治療で、心血管疾患または死亡の発生に差は示唆されなかった。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのRuth E. Langley氏らが、英国の52施設で実施した多施設共同無作為化第II/III相試験「Prostate Adenocarcinoma Transcutaneous Hormone trial:PATCH試験」における長期的な心血管追跡調査データを報告した。アンドロゲン抑制は前立腺がん治療の柱であるが、長期毒性が問題となる。tE2は肝初回通過効果を受けないため、経口エストラジオールでみられる心血管毒性や、LHRHaでみられるエストロゲン枯渇効果を避けられると考えられていた。Lancet誌2021年2月13日号掲載の報告。

ワクチンへの対応も、コロナ禍での肺がん診療指針改訂版を発刊/日本肺癌学会

 日本肺癌学会は、2021年2月14日、「COVID-19パンデミックにおける肺癌診療:Expert opinion」改訂版を公開した。  初版は、感染拡大(第2波)の兆しが見えた2020年7月に、肺がん診療指針を示すことの重要性に鑑み、肺がん医療を担う医療者および病院管理者を利用者として想定し作成。作成にあたっては日本肺癌学会の関連委員会メンバーが、診療ガイドラインのエビデンスを背景にCOVID-19とがん診療に関する内外の文献を参照しつつ作成し、COVID-19による特殊な診療態勢に応用ができることを意図したものであった。

FoundationOne CDx、FGFR阻害薬pemigatinibのコンパニオン診断として承認取得/中外

 中外製薬は、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」について、選択的な線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR: fibroblast growth factor receptor)阻害薬であるpemigatinibのFGFR2融合遺伝子陽性の胆道がんに対するコンパニオン診断として、2月15日に厚生労働省より承認を取得したと発表。  今回の承認は、本プログラムによりpemigatinibで効果が期待できるFGFR2融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性胆道がんに対する使用について、適応判定の補助を可能にすることを目的としている。

FDA、再発/難治性大細胞型B細胞リンパ腫の新CAR-T療法lisocabtagene maraleucelを承認/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年2月5日、米国食品医薬品局(FDA)が、原発性中枢神経系リンパ腫を除く、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)非特定型(インドレントリンパ腫に起因するものを含む)、高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、およびグレード3B濾胞性リンパ腫を含む、2種類以上の全身療法による治療歴を有する再発または難治性(R/R)の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の成人患者の治療薬として、CD19を標的とするCAR-T細胞療法のliso-cel(lisocabtagene maraleucel、海外商品名:Breyanji)を承認したと発表。

頭頸部がん1次治療におけるデュルバルマブ±tremelimumabの結果(KESTREL)/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、2021年2月5日、再発または転移のある頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の1次治療を対象とたデュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)と標準化学療法EXTREMEレジメン(化学療法とセツキシマブ)の比較第III相KESTREL試験の結果を発表。主要評価項目であるPD-L1高発現患者での全生存期間(OS)の延長を達成しなかった。また、デュルバルマブとtremelimumabの併用療法においても、副次評価項目であるすべての患者を対象としたOSの延長は認められなかった。

光免疫療法 抗体薬物複合体アキャルックス、約20施設から順次拡大/楽天メディカルジャパン

 楽天メディカルジャパンは、2021年2月8日、光免疫療法の抗体薬物複合体であるセツキシマブ サロタロカンナトリウム(商品名:アキャルックス)、および同医薬品と組み合わせて用いる医療機器レーザ装置「BioBladeレーザシステム」を日本において2021年1月1日(レーザ機器本体は2020年12月14日)に販売を開始したと発表。また、同医薬品および医療機器による治療を開始または予定している医療機関についても、あわせて明らかにした。 治療開始施設