腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

PSMA陽性前立腺がん、177Lu-PSMA-617併用が有用(PSMAddition試験)/Lancet

 PSMA陽性の転移のあるホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)患者において、177Lu-PSMA-617(ルテチウム[177Lu]ビピボチドテトラキセタン)を、標準治療のアンドロゲン除去療法(ADT)+アンドロゲン受容体経路阻害薬(ARPI)併用に追加することで、画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)が延長した。米国・Weill Cornell MedicineのScott T. Tagawa氏らPSMAddition Investigatorsが、世界20ヵ国169施設で実施している第III相無作為化非盲検優越性試験「PSMAddition試験」の中間解析結果を報告した。著者は、「有害事象の発生割合は高かったものの、177Lu-PSMA-617と標準治療の併用に関連する新たな安全性の懸念は認められなかったことから、177Lu-PSMA-617の追加はmHSPCに対する新たな治療選択肢となりうる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年8月6日号掲載の報告。

非心臓大手術、全静脈麻酔vs.揮発性吸入麻酔/JAMA

 非心臓大手術を受ける高齢患者において、全静脈麻酔(TIVA)は揮発性吸入麻酔と比較し、術後30日時点の在宅日数(days alive and at home;生存し、自宅で過ごした日数)を改善しなかった。英国・Institute of Cancer ResearchのShaman Jhanji氏らVITAL Trial Teamが、「Volatile vs Total Intravenous Anesthesia for Major Non-Cardiac Surgery(VITAL)」試験の結果を報告した。非心臓大手術を受ける高齢者は、術後合併症を呈し医療サービスを利用することが多く、これらに麻酔手技が関係する可能性がある。TIVAと吸入麻酔は意識消失をもたらすが、薬理学的特性、術中の生理学的影響および周術期の安全性プロファイルは顕著に異なる。しかし、回復および安全性に関する両者間の比較は行われていなかった。JAMA誌オンライン版2026年8月12日号掲載の報告。

既治療の進行腎細胞がん、ベルズチファン+レンバチニブがPFS改善(LITESPARK-011)/Lancet

 抗PD-1/PD-L1療法後に増悪した進行淡明細胞型腎細胞がん患者において、ベルズチファン+レンバチニブはカボザンチニブと比較し、全生存期間(OS)に有意差はなかったものの無増悪生存期間(PFS)を有意に延長し、安全性プロファイルは単剤投与の場合と同程度であったことが、米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのRobert J. Motzer氏らLITESPARK-011 Investigatorsが実施した「LITESPARK-011試験」で示された。著者は、「ベルズチファン+レンバチニブは、抗PD-1/PD-L1療法後の進行淡明細胞型腎細胞がん患者に対する新たな標準治療となりうるだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年8月12日号掲載の報告。

胃がんに初の周術期治療、D-FLOTレジメン承認/AZ

 2026年6月、抗PD-L1抗体デュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)が「胃癌における術前・術後補助療法」の適応追加で国内承認された。これまで手術と術後補助化学療法を中心としてきた日本の胃がん治療に、デュルバルマブとFLOT療法を組み合わせた周術期治療の選択肢が加わることとなる。8月4日に開催されたアストラゼネカのメディアセミナーでは、山梨大学医学部外科学講座第1教室教授の市川 大輔氏が「胃がん治療のアンメットメディカルニーズとMATTERHORN試験がもたらすPractice Change」と題して講演を行った。

がんの既往歴/家族歴のある女性、原発性肺がんリスク高い

 喫煙歴にかかわらず、がんの既往歴や家族歴を有する成人女性では、新規に原発性肺がんを発症するリスクが有意に高まることが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)East BayのCarissa A. Villanueva氏らによる大規模後ろ向き研究で明らかになった。JTCVS Open誌2026年8月号に掲載。  本研究は、Kaiser Permanente Northern Californiaの2010年1月1日〜2022年12月31日の電子健康記録データを用いた。研究開始時点で肺がんの既往がない18歳以上の成人女性で、期間中に1年以上の加入歴を有する約280万例を抽出。

プラチナ感受性再発卵巣がんの卓越奏効例、PARP阻害薬中止の影響は/JAMA Oncology

 PARP阻害薬による維持療法を受け、卓越奏効(exceptional response)を示したプラチナ感受性再発卵巣がん(PS-ROC)患者を対象とした国際コホート研究の結果、卓越奏効者ではPARP阻害薬を中止しても無増悪生存期間(PFS)は悪化せず、長期的な骨髄系腫瘍の発症も低頻度であると報告された。本研究はオーストラリア・Prince of Wales Hospital and Royal Hospital for WomenのLucy Haggstrom氏らによるもので、JAMA Oncology誌オンライン版に2026年6月25日付で発表されている。

転移大腸がん1次治療への高用量ビタミンD3上乗せ、PFSを延長せず/JAMA

未治療の転移を有する大腸がん(mCRC)の1次治療において、高用量ビタミンD3の補充は標準用量のビタミンD3の補充と比較して無増悪生存期間(PFS)を延長しないことが、米国・ダナファーバーがん研究所のKimmie Ng氏らによる第III相「SOLARIS(Alliance A021703)試験」の結果で示された。前臨床研究および疫学研究により、大腸がんにおけるビタミンDの抗悪性腫瘍薬としての役割が示され、第II相SUNSHINE試験では、標準用量と比較して高用量ビタミンD3の補充はPFSを改善する可能性が示唆されていた(13ヵ月vs.11ヵ月、多変量補正後ハザード比[HR]:0.64、片側95%信頼区間[CI]:0~0.90、p=0.02)。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年8月3日号に掲載された。

gBRCA病的バリアントを有する若年早期乳がん、周術期化学療法の種類と生存アウトカムの関係

 生殖細胞系列BRCA1/2病的バリアントを有する40歳以下のHER2陰性(HER2-)早期乳がん患者において、周術期化学療法のレジメン間で生存アウトカムに統計学的な有意差はみられないことが、国際多施設共同後ろ向きコホート研究(BRCA BCY Collaboration研究)の結果で示された。イスラエル・Sheba Medical CenterのRinat Bernstein-Molho氏らが、European Journal of Cancer誌オンライン版2026年8月11日号に報告した。  本研究では、2000~2020年にStageI~IIIの乳がんと診断された40歳以下のBRCA1/2病的バリアント保持者を対象に、アントラサイクリン+タキサン系、アントラサイクリン系(タキサンなし)、非アントラサイクリン系の各術前/術後化学療法による無病生存期間(DFS)および全生存期間(OS)を評価した。

ロボット支援手術導入初期の執刀機会、女性外科医で伸び悩み/日本消化器外科学会

 ロボット支援手術の普及が進む中、新規術式導入期における執刀機会に男女差が存在する可能性が明らかになった。日本消化器外科学会はNational Clinical Database(NCD)のデータを用いた全国規模解析を実施、大阪医科薬科大学の河野 恵美子氏、東京大学の野村 幸世氏らの研究グループは、男性外科医では経験年数に応じてロボット支援手術の執刀数が増加する一方、女性外科医では同様の増加傾向が認められなかったことを報告した。研究成果はSurgery誌オンライン版2026年8月4日号に掲載された。

超高齢の乳がん患者における術後の局所再発率と生存率

 超高齢乳がん患者に対する外科的治療の有効性とアウトカムを検討するために、米国・スタンフォード大学のDavid Foulad氏らが、新規発症の原発乳がんまたは温存乳房内再発(IBTR)で手術を受けた85歳以上の患者のデータを解析したところ、手術が満足のいく局所制御をもたらすことが示唆された。Breast Cancer Research and Treatment誌2026年8月6日号に掲載。