腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

腺腫あり高齢者の定期大腸内視鏡検査、優先順位を下げてよい/JAMA

 75歳以上の高齢者において、75歳前に大腸内視鏡検査で腺腫が認められた人は腺腫が認められなかった人と比べ、その後10年間の大腸がん発症および大腸がん死の発生率は高かったものの、その累積リスクは大腸がん以外の要因による死亡リスクよりはるかに低かった。米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のSamir Gupta氏らが、同国の退役軍人を対象とした後ろ向きコホート研究の結果で報告した。これまで、腺腫が認められた高齢者の大腸がんのリスクは不明であった。著者は、「高齢者では、他の健康上の懸念事項を優先し、経過観察のための大腸内視鏡検査の優先順位を下げることを検討してよいだろう」とまとめている。JAMA誌オンライン版2026年4月9日号掲載の報告。

プラチナ抵抗性再発卵巣がん、ペムブロリズマブ+週1回パクリタキセルでOS延長/Lancet

 1~2ラインの治療歴を有するプラチナ製剤抵抗性再発卵巣がん患者において、ペムブロリズマブ+週1回パクリタキセル併用療法(ベバシズマブ併用または非併用)が週1回パクリタキセル単独(ベバシズマブ併用または非併用)と比較して、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を有意に改善することが、国際共同無作為化二重盲検第III相試験「ENGOT-ov65/KEYNOTE-B96試験」において認められた。イタリア・IRCCSのNicoletta Colombo氏らが、2回の中間解析結果および最終解析結果を報告した。上皮性卵巣がんは再発しやすく、プラチナ製剤併用化学療法に抵抗性となることが多い。

タルラタマブが小細胞肺がん2次治療に加わる意義/アムジェン

 2026年3月、タルラタマブ(商品名:イムデトラ)が小細胞肺がん(SCLC)の2次治療に承認された。アムジェンが主催したメディアセミナーでは、関西医科大学呼吸器腫瘍内科学講座の倉田 宝保氏と肺がん患者会のワンステップの長谷川 一男氏が登壇。医師と患者の立場から、新たな展開の意義を語った。   SCLCは肺がんの10〜15%を占める。喫煙との関連が高く、病勢進行も速い。進行の速さに加え、喫煙歴のある患者が多いため、咳や痰などの症状がSCLCによるものなのか、その鑑別は容易ではない。発見時には片肺にとどまっている限局性であっても、もう一方の肺に浸潤した進展型となっていることがほとんどだ。

HR+/HER2-乳がん、早期および晩期再発の関連因子は

 ホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2-)乳がんのリアルワールドコホートにおいて、早期(5年未満)および晩期(5~10年)再発の関連因子を特定することを目的とした後ろ向き研究の結果、臨床的に低リスクに分類される患者であっても晩期再発が生じる可能性がある一方、早期再発は高い腫瘍量および増殖活性を反映することが示唆された。チリ・Pontificia Universidad Catolica de ChileのBenjamin Walbaum氏らによるBMC Cancer誌オンライン版2026年4月10日号掲載の報告より。 . 本研究では、1981~2022年に診断されたStageI~IIIのHR+/HER2-乳がん症例について、後ろ向き解析を実施した。無浸潤疾患生存(iDFS)率がSTEEP 2.0基準に従い評価され、評価変数には転移部位や早期および晩期の浸潤性再発が含まれた。

造血細胞移植におけるEmergency/日本造血・免疫細胞療法学会

 造血細胞移植は、急性白血病や悪性リンパ腫などに対して根治を目指しうる治療法である。一方で、移植前処置や強力な免疫抑制療法、長期にわたる好中球減少状態などを背景に、早急な対応を講じなければ不可逆的な臓器障害を来し、致命的となりうる重篤な病態(Emergency)が急速に進行することもある。そのため移植医療の現場では、数日単位で生命予後が左右されるEmergencyに備える姿勢が不可欠であり、事態への即応力が強く求められることになる。

医師でリスクの低いがんは?~日本人の職業とがんリスクの大規模研究

 日本の労働者における職業とがん種別発症リスクの関連を全国規模で調査した、東海大学の深井 航太氏らによる大規模症例対照研究の結果、肉体労働や運輸関連の職業でがんリスクが高いなど、職業による違いがみられ、とくに男性で顕著であることがわかった。一方、医師などの専門職では肺がん、食道がん、胃がん、大腸がんのリスクが低いことが示された。Journal of Occupational and Environmental Medicine誌オンライン版2026年4月14日号に掲載。

がんサバイバーの運動習慣、死亡だけでなく要介護化リスクとも関連

 がん医療の進歩により、がんサバイバーは増加しているが、その後の生活機能や自立の維持は重要な課題となっている。今回、日本の大規模データを用いた研究で、がんサバイバーにおける日常的な身体活動が、死亡だけでなく新規の要介護認定リスクとも関連する可能性が示された。研究は、国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部の中塚清将氏、国立長寿医療研究センター老年社会科学研究部の小野玲氏、九州大学大学院医学研究院の福田治久氏らによるもので、詳細は2月16日付で「BMJ Open」に掲載された。

移植患者に対するワクチン接種/日本造血・免疫細胞療法学会

 造血幹細胞移植後の患者において、ワクチン接種は感染症予防のための重要な手段となる。しかし、免疫再構築の個別性やワクチン免疫原性の低下、さらには費用・制度面の課題などにより、実臨床における実装状況には施設間差が見られる。  2026年2月27日~3月1日に開催された第48回日本造血・免疫細胞療法学会総会では、「移植患者に対するワクチン接種」をテーマとしたシンポジウムが企画され、国内実態調査、優先度の高い予防接種の科学的根拠、実臨床における運用体制という3つの視点から、移植後ワクチン接種の現状と課題が提示された。

CD19-CAR-T細胞療法/日本造血・免疫細胞療法学会

 CD19キメラ抗原受容体T(CD19-CAR-T)細胞療法は、再発・難治性B細胞性悪性腫瘍に対する革新的な細胞免疫療法であり、急性リンパ芽球性白血病(ALL)や大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)を中心に臨床実装が進んでいる。  2026年2月27日~3月1日に開催された第48回日本造血・免疫細胞療法学会総会では、「CD19-CAR-T細胞療法」をテーマとしたシンポジウムが開催され、ALLやLBCLに対する治療の進化と課題、さらに治療アクセスの課題などを含めた包括的な議論が展開された。CD19-CAR-T細胞療法はすでに重要な治療選択肢として位置付けられている中で、その治療最適化に伴い、治療戦略の再設計や医療提供体制の整備などが同時に求められる段階に入っていることが示された。

生菌製剤と食物繊維、肺がんに対するICIの効果を増強か/日本呼吸器学会

 がん免疫療法において腸内細菌叢へのアプローチが注目されている。近年、生菌製剤として用いられる酪酸菌Clostridium butyricum MIYAIRI 588株(以下、CBM588)が、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を用いた進行肺がん患者の全生存期間(OS)の延長と関連していたことが、後ろ向き研究で報告されている1)。また、腎細胞がんでは、無作為化比較試験においても、CBM588がICIによる治療を受ける患者の無増悪生存期間や奏効率の改善に寄与する可能性が示唆されている2,3)。そこで、本邦においても、CBM588の使用の有無と食物繊維の摂取量がICIの効果に及ぼす影響について、前向き観察研究での検討が実施された。