腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

子宮頸がん検診、受診率は制度で変わる? 東京都51自治体解析

 日本では子宮頸がんの罹患が増加する一方、検診受診率の低さが課題となっている。今回、東京都内の51自治体を対象とした研究で、検診受診率には大きな地域差があり、医療機関数や予約制度、HPV検査導入などの制度的要因が関連していることが示された。研究は、東京科学大学公衆衛生看護学分野の原田伊織氏、月野木ルミ氏らによるもので、詳細は1月21日付で「The Asian Pacific Journal of Cancer Prevention」に掲載された。  日本では1990年代半ば以降、子宮頸がんの罹患率・死亡率が上昇しているにもかかわらず、検診受診率は欧米に比べ低い状況が続いている。

再発・難治性の濾胞性リンパ腫治療薬タファシタマブを発売/インサイト・ジャパン

 インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパンは、「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」の適応で、タファシタマブ(遺伝子組換え)(商品名:ミンジュビ)を2026年3月18日に発売したことを発表した。タファシタマブとリツキシマブおよびレナリドミドの併用療法は、再発・難治性のFLに対する日本初のCD19およびCD20の両方を標的とした免疫療法となる。

術後ホルモン療法追加で、前立腺がんの予後は改善するか/Lancet

 限局性前立腺がんの治療において、根治的放射線療法へのホルモン療法の追加は全生存期間(OS)を改善するが、根治的前立腺全摘除術後の術後放射線療法(PORT)にホルモン療法を加えた場合に、同様のOSの改善効果が得られるかは明らかでない。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のAmar U. Kishan氏らは「POSEIDON試験」において、PORTにホルモン療法を追加してもOSは改善しないが、PORT前のPSA値が1.6ng/mL超の患者では、長期(24ヵ月)ホルモン療法を加えることでOSの向上が得られる可能性があることを示した。研究の成果は、Lancet誌2026年3月14日号で報告された。

乳がん周術期化学療法後に長期持続する有害事象、患者報告アウトカムで明らかに~日本の前向き研究

 乳がん周術期化学療法終了後、末梢神経障害、味覚異常、不眠、爪脱落が6ヵ月以上持続することが、患者報告アウトカム(PRO)に基づく質問票を用いた前向き観察研究で明らかになった。日本医科大学の藤井 孝明氏らがCancer Diagnosis & Prognosis誌2026年3月1日号で報告した。  本研究は、2016年1月~2023年3月に群馬大学でドセタキセル/シクロホスファミド療法(TC)またはアントラサイクリン系とタキサン系併用療法(A+T)による周術期化学療法を受けた手術可能な原発性乳がん患者を対象に、化学療法後の有害事象の長期経過を評価した。

がん患者の心血管疾患リスクに糖尿病が影響か

 がん治療の進歩により、生存期間が延びる患者が増える一方で、治療後に心血管疾患(CVD)を発症するリスクが新たな課題として注目されている。しかし、どのような患者がCVDを発症しやすいのかは、十分に明らかになっていない。今回、大阪府の大規模がん登録データを用いた解析で、がんの初回診断時に糖尿病を併存する患者では、CVDの新規発症および全死亡リスクが有意に高いことが示された。研究は、大阪国際がんセンターがん対策センターの桒原佳宏氏、宮代勲氏らによるもので、詳細は1月22日付で「PLOS One」に掲載された。

地方在住のがん患者は手術のために都市部へ行くべきか

 地方のがん患者は、主要な医療機関で治療を受けるために長距離移動することが多いが、そうした長旅は、必ずしも必要ではないかもしれない。肺がんまたは大腸がん患者を対象にした新たな研究で、地元の病院で治療を受けた場合と都市部の医療機関へ移動して治療を受けた場合で、死亡率や手術の転帰に大きな差は認められなかったことが明らかになった。米ルイビル大学外科学分野のMichael Egger氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American College of Surgeons」に2月11日掲載された。

高リスクくすぶり型多発性骨髄腫への治療がもたらすベネフィット/J&J

 抗CD38抗体ダラツムマブ(商品名:ダラキューロ)において、2025年11月に高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫(SMM)における進行遅延の適応が追加され、多発性骨髄腫の診断指標であるCRAB症状(高カルシウム血症、腎機能障害、貧血、骨病変)が確認される前に治療を開始することが可能となった。これを受け、2026年2月25日に開催されたJohnson & Johnson(ヤンセンファーマ)の記者説明会において、福岡大学の高松 泰氏がSMMの治療開始基準とその課題を、日本赤十字社医療センターの鈴木 憲史氏がSMM治療の意義とAQUILA試験の結果を解説した。

胃がん術後の早期経口摂取、ガイドライン記載も実施は2割/日本胃癌学会

 胃がん術後の早期経口摂取は、ガイドラインで提唱されているにもかかわらず、実際に導入している施設は約2割に留まることがわかった。水戸済生会総合病院の丸山 常彦氏らはDPCデータを用いて全国472施設・2万6,097例を解析し、早期経口摂取の実施状況と臨床的意義を検討した。本研究「本邦における胃癌手術後の早期経口摂取の現状と臨床的意義―全国DPCデータ26,097例の解析」は、2026年3月4~6日に行われた第98回日本胃癌学会総会で発表され最優秀演題に選ばれるとともに、Surgical Oncology誌2026年2月号に掲載された。

切除可能な高リスク肝内胆管がん、術前補助療法GOLPが有効/NEJM

 切除可能だが再発リスクの高い肝内胆管がん患者において、術前補助療法としてのGOLPレジメン(ゲムシタビン+オキサリプラチン+レンバチニブ+抗PD-1抗体[toripalimab])は、対照群(術前補助療法なし)と比較して無イベント生存期間(EFS)を有意に延長し、有害事象は主として低Gradeであった。中国・復旦大学のGuo-Ming Shi氏らZSAB Study Groupが同国11病院で実施した第II/III相の研究者主導の非盲検無作為化試験の結果を報告した。切除可能だが再発リスクの高い肝内胆管がん患者に対して、標準療法として確立した術前補助療法はない。GOLPレジメンは、進行肝内胆管がんおよび胆道がんに対する有望な有効性と管理可能な安全性プロファイルが示されていた。NEJM誌2026年3月5日号掲載の報告。