がんやコロナで使用されるマスタープロトコル試験、適切な報告の方法は/BMJ

マスタープロトコル研究計画(master protocol research programs:MPRPs)は、複数の問いに答えるために1つの包括的な研究プロトコルに基づき複数のサブ試験を行う方法で、対象の特性(疾患、組織型、分子マーカーなど)や治療の種類・数に基づきバスケット試験、アンブレラ試験、プラットフォーム試験に分けられ、現在、主にがん(ALCHEMIST試験、NCI-MATCH試験など)や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(RECOVERY試験など)の研究に使用されている。MPRPは、さまざまな利点を有する一方で、複数のサブ試験についてプロトコルで詳細に指定された試験デザイン情報を1つの登録記録にまとめると、各サブ試験の解析集団や主要評価項目、試験終了日などの重要な記述の詳細が不明瞭化し、その全体像の迅速な把握が困難になるという問題が指摘されている。そこで、米国国立衛生研究所(NIH)のRebecca J. Williams氏らは、既存の優れた試験報告とは矛盾せずに、構造化された情報を用いてマスタープロトコル全体と各サブ試験のデザインを伝達するための、MPRPの適切な報告の仕方について検討した。研究の詳細は、BMJ誌2022年6月10日号に掲載された。