社会的貧困と死亡率との関連は100年経っても変わっていない

英国ランカスター大学人文社会科学学部のIan N Gregory氏は、イギリスおよびウェールズの中で、社会的に貧困状態にある人々に焦点をあてた死亡率の、20世紀初頭と21世紀初頭における変化を調査した。イギリスおよびウェールズは、20世紀において死亡率パターンに劇的な改善が見られた。乳幼児死亡率が激減し、男女とも寿命は30歳以上延び、死因についてもかつては約2割を感染症や寄生虫症が占めていたが、現在は替わって、がん・虚血性心疾患・脳卒中が主因を占める。一方でこの1世紀の間に、貧困は一部地域(行政区)に住まう人々だけのものとなった。そうした人々に焦点をあてた死亡率の変化を見たような国家的研究はほとんどないという。BMJ誌2009年9月19日号(オンライン版2009年9月10日号)より。