0カロリー表示でもダメ?ダイエット炭酸飲料と2型糖尿病のリスク ダイエット炭酸飲料の消費量が多いほど2型糖尿病発症リスクが高まることが、日本人男性を対象にした検討で明らかになった。たとえ、ゼロカロリー表示でも、ダイエット炭酸飲料を週に1本以上飲むことは、2型糖尿病の予防に効果的とはいえないようだ。本研究は、金沢医科大学の櫻井 勝氏らによる検討で、European Journal of Nutrition誌オンライン版2013年4月11日号に掲載された。
早期統合失調症、認知機能にGABA作動性抑制が関連 統合失調症の早期では認知障害がみられる。この認知障害にGABA作動性機能障害の関与が注目されるようになっている中、和歌山県立医科大学神経精神医学教室の高橋 隼氏らは、発症間もない統合失調症患者の認知機能障害に、皮質GABA作動性抑制が低下しワーキングメモリ機能を障害していることが示唆されることを報告した。Schizophrenia Research誌2013年5月号(オンライン版2013年3月22日号)の掲載報告。
統合失調症患者とタバコ、どのような影響を及ぼすのか? 藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、ニコチン依存が統合失調症の中間表現型に影響を及ぼすか否か、またニコチン依存の病態生理について遺伝学的側面から検討を行った。その結果、ニコチン依存は統合失調症患者の言語記憶および実行機能に影響を及ぼしている可能性があること、ニコチン依存に関連するニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)遺伝子における一塩基多型(SNP)の存在を示唆した。Human Psychopharmacology: Clinical and Experimental誌オンライン版2013年4月4日の掲載報告。
第二世代抗精神病薬、QT延長に及ぼす影響:新潟大学 統合失調症患者において、QT間隔延長による突然死に男女差はあるのだろうか。新潟大学の鈴木 雄太郎氏らは、統合失調症患者において第二世代抗精神病薬がQT間隔に及ぼす影響の性差を検討し、報告した。著者らは「本研究は、第二世代抗精神病薬がQT間隔に及ぼす影響について、性差を示した初の研究である」としている。Human psychopharmacology誌オンライン版2013年4月2日号の報告。
統合失調症の発症に、大きく関与する遺伝子変異を特定 ゲノムワイド関連解析(GWAS)により、統合失調症と強く関連する頻度の高い多型(common variants)が同定されているが、それらが個々の患者における統合失調症発症に及ぼす影響は小さい。現在、頻度は低いが発症への影響が大きい多型(rare variants)が注目されている。理化学研究所脳科学総合研究センター・分子精神科学研究チームの高田篤氏らは、統合失調症の発症に、より大きな影響をもって関与する遺伝子変異の同定を試みた。その結果、NMDA型グルタミン酸受容体のサブユニットをコードするGRIN3A遺伝子中のR480G変異が、統合失調症の発症により大きく関与することを報告した。Biological Psychiatry誌2013年3月号(オンライン版2012年12月11日号)の掲載報告。
乳がん予防には体重コントロールと運動が重要~日本人女性でのリスクの検討 日本人女性において、エストロゲン受容体/プロゲステロン受容体(ER/PgR)の状態からみた乳がんリスク、身体計測因子、身体活動の関連はまだ明らかではない。東北大学の河合賢朗氏らはケースコントロール研究により、女性全体および閉経後女性でBMIが高いとER+/PgR+のがんリスクが高いこと、身体活動がどのタイプの乳がんのリスクも減少させる可能性を報告した。この結果から、乳がん予防には体重コントロールと身体活動が重要であるとしている。Cancer causes & control誌オンライン版2013年3月14日号に掲載。
認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 アルツハイマー型認知症(AD)とレビー小体型認知症(DLB)の鑑別には、交感神経皮膚反応(sympathetic skin response:SSR)と心拍変動率(HRV)の測定が有用である可能性が、金沢大学保健管理センターの根上昌子氏らによる検討の結果より示された。BMJ Open 2013年3月1日号の掲載報告。
仕事のストレスが大きいほど、うつ病発症リスクは高い:獨協医科大学 日々の仕事で深刻な悩みやストレスを抱えている日本人就労者の割合は60%を超え、仕事への義務感による精神的重圧から、精神障害および自殺を起こす頻度が増加している。そこで獨協医科大学の和田佳子氏らは、職業性ストレス簡易調査票(BJSQ)で測定・評価したストレス反応から、うつ病のリスクを識別しうるか否かを明らかにすることを目的としたコホート研究を行った。PLoS One誌オンライン版2013年2月12日号の掲載報告。
日本人のうつ病予防に期待?葉酸の摂取量を増やすべき 日本人労働者を対象とした研究の結果、抑うつ度は、教育レベルならびに収入と有意な関連があり、栄養面では葉酸摂取と有意な関連があることが明らかにされた。国立国際医療研究センターの宮木幸一氏らが、本邦初の研究報告として発表したもので、「葉酸の摂取増を図る運動が、メンタルヘルスに関する社会的格差の問題解消に結びつく可能性がある」と報告した。Nutrients誌2013年2月18日号の掲載報告。
脂肪肝患者では大腸がんの肝転移が少ない!? 脂肪肝と大腸がんはどちらもメタボリックシンドロームと関連する疾患である。肝臓は大腸がんの遠隔転移が最も多い部位だが、大腸がんの肝転移に脂肪肝が影響するかどうかは明確にされていない。 今回、東京大学腫瘍外科の室野浩司氏らは、大腸がんの肝転移と脂肪肝の有無との関連について検討した結果、脂肪肝患者のほうが肝転移が少なく、脂肪肝が肝転移の形成に不利な微小環境である可能性を報告した。また、肥満ではない脂肪肝患者では肝転移が少なく、肥満患者では有意差がなかったことから、肥満による脂肪肝とは異なり、がん細胞に対する防御反応として脂肪肝になるのかもしれないと考察している。International Journal of Colorectal Disease誌オンライン版2013年2月8日号に掲載。
ベーチェット病、治療薬開発に光 ―横浜市立大学― 横浜市立大学の石ヶ坪良明氏の研究グループは、ベーチェット病の疾患関連遺伝子と発症機序を発見したとして、2013年1月6日付のNature Genetics誌オンライン版に発表した。
閉経後女性、血中カロテノイドが高い人ほど骨粗鬆症リスクは低い 閉経後日本人女性を対象とした前向きコホート研究の結果、カロテノイド(とくにβクリプトキサンチンとβカロテン)の血中濃度が高い人ほど、骨減少症および骨粗鬆症リスクが低いことが報告された。農研機構・果樹研究所の杉浦実氏らが、栄養疫学調査「三ヶ日町(静岡県浜松市)研究」の参加者を4年間追跡した結果、報告した。
MDMA誘発の高熱にメマンチンが有用?:自治医大 自治医科大学精神医学教室教授・西嶋康一氏ら研究グループはラット試験の結果、違法ドラッグ3,4-Methylenedioxymethamphetamine (MDMA)が引き起こす可能性がある致命的ともなりうる高熱に対し、メマンチンが有用である可能性が示唆されたことを報告した。Neuroscience Letters誌2012年12月7日号(オンライン版2012年11月6日号)の掲載報告。
いち早く欧米化が進んだ沖縄県。今、脳卒中発生率は増加?減少?日本の未来を暗示!?:宮古島研究 沖縄県宮古島において、2002~2005年の血圧値が1988~1991年より有意に低値であったにもかかわらず、初発脳卒中およびすべての脳卒中病型の発生率に有意な変化を認めなかったことが、琉球大学大学院 洲鎌 千賀子氏らにより報告された。また、脳梗塞発生率の上昇傾向には、代謝異常が関連していると推測した。Journal of stroke and cerebrovascular diseases誌オンライン版2012年11月2日付の報告。
低緯度地域では発揚気質が増強される可能性あり:大分大学 日光を浴びる時間は気分や気分障害に影響を与える。大分大学の河野 健太郎氏らは、最近の研究で、昼間の高照度は発揚気質と関連づけられ、一方、昼間の低照度は循環気質と関連づけられることを実証した。しかしながら、発揚気質または循環気質が向日性ないし非向日性を有するために、より高い照度またはより低い照度を求めるのか、またはその逆であるのかに関しては明らかになっていなかった。著者らはこの疑問を解決するため、日照時間の異なる地域の住民を対象に、双極性気質を比較した。Journal of affective disorders誌2012年12月号の報告。
乳がんのリスクにおけるアルコールと葉酸の影響は?~日本人での研究 葉酸は、アルコールとの相互作用により、多くのがんのリスクに影響を及ぼすことが示唆されているが、これらの因子がアジア人の乳がんリスクに及ぼす影響については十分に検討されていない。今回、閉経前および閉経後の日本人女性の乳がん患者1,754例とコントロール3,508例におけるケースコントロール研究の結果が、European journal of cancer prevention誌オンライン版2012年11月20日号に報告された。
日本人女性におけるマンモグラフィー検診は生存率向上に効果があるのか? マンモグラフィー検診の有効性については、主に欧米諸国の研究によって実証されている。東北大学の河合賢朗氏らは、検診でスクリーニングされた中間期乳がんの40~69歳の日本人女性における累積生存率と乳がんによる死亡リスクについて、乳房視触診とともにマンモグラフィー検診を実施した群、乳房視触診単独群、自己検診群の3群に分け評価した。その結果、40~69歳の日本人女性においては、生存率と乳がんによる死亡リスクの観点からは、乳房視触診とマンモグラフィー検診を実施するほうがマンモグラフィー単独や自己検診より効果的である可能性が報告された。Breast Cancer誌オンライン版2012年12月14日号に掲載。
日本人統合失調症患者における自殺企図の特徴は?:岩手医科大学 救急医療機関における自殺企図患者は、何かしらの精神疾患を抱えているケースが少なくない。岩手医科大学 肥田篤彦氏らは統合失調症患者における自殺企図の特徴を、うつ病患者と比較し、検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2012年11月3日号の報告。 対象は、8年間に岩手医科大学精神科救急部門においてICD-10で統合失調症(F2)と診断された患者260例、およびうつ病(F3)と診断された患者705例。対象患者は24歳以下、25~44歳、45歳以上の3群で比較した。自殺未遂方法の重篤度に関連する因子は、多変量ロジスティック回帰分析を用いて同定した。
日本におけるロコモの有病率と危険因子が明らかに!ロコチェックの有用性も 日本において、ロコモティブシンドローム※(LS)の有病率は男性よりも女性の方が高いことが、弘前大学大学院 佐々木 英嗣氏らにより報告された。また、著者らは、LSの強力な危険因子は画像上の変形性膝関節症(膝OA)であること、LS患者は骨格筋量の減少、バランスと柔軟性が低下していること、ロコチェックは初期段階の関節障害を見つけることができ、LSの予防介入に有用であることも明らかにした。Journal of orthopaedic science誌オンライン版2012年11月1日付の報告。
呼称変更から10年、統合失調症患者へのスティグマを減らすためには:日本医科大学 統合失調症患者とその家族は、スティグマに非常に苦しんできた。名称変更など偏見やスティグマを根絶するためのさまざまな努力にもかかわらず、いまだ医療従事者においてすら偏見にとらわれている者がいる。日本医科大学精神神経科の大森 中氏らは、臨床研修医の統合失調症患者に対する潜在的な態度と患者と接する上での影響、精神科での臨床トレーニング前後の態度と接し方の変化について評価した。BioMed Central Psychiatry誌オンライン版2012年11月22日号の掲載報告。