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うつ病患者とかかりつけ医、認識のギャップが浮き彫りに

 米国・コロラド大学のRobert D Keeley氏らは、うつ病診療におけるプライマリ・ケア医と患者の認識について質的研究を行った。その結果、患者がうつ病であることを受け入れ、治療を求めることについて感じているスティグマを、医師は過小評価する傾向にあること、また患者は十分に時間をかけて医師とディスカッションすることを望んでいるのに対して、医師は長時間のディスカッションが患者にとって不利益をもたらすと考えているなど、医師と患者の認識の相違が浮き彫りになったことを報告した。BMC Family Practice誌オンライン版2014年1月15日号の掲載報告。

ブプレノルフィン経皮吸収型製剤、慢性腰痛患者の日常生活動作も改善

 ブプレノルフィン経皮吸収型製剤(BTDS、商品名:ノルスパンテープ)は、日常生活動作(ADL)に支障を来す中等度~重度の慢性腰痛に対して鎮痛効果を示すことが知られている。米国・Optum社のKate Miller氏らは、臨床試験成績の事後解析により、同製剤が鎮痛のみならず睡眠や腰痛に関連したADLの実行能力をも改善することを明らかにした。Clinical Journal of Pain誌オンライン版2014年1月3日の掲載報告。

脂漏性皮膚炎への経口抗真菌薬の使用実態が明らかに

 カナダ・トロント大学のA.K. Gupta氏らは、脂漏性皮膚炎に対する経口薬治療について発表された文献数とその質について系統的レビューを行った。脂漏性皮膚炎は通常、局所ステロイドまたは抗真菌薬による治療が行われ、重症例もしくは治療抵抗性の場合には経口薬治療が可能とされている。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌2014年1月号の掲載報告。

統合失調症患者は処理速度が著しく低下、日本人でも明らかに:大阪大学

 統合失調症患者は文化的要因が影響する神経心理学的検査において、統合失調症でない患者と比較してパフォーマンスが劣ることが報告されている。大阪大学の藤野 陽生氏らは、ウェクスラー成人知能検査(WAIS-III)日本語版を用いて、統合失調症患者のパフォーマンスを検討した。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2013年1月22日号の報告。

ダウン症患者の睡眠時無呼吸症候群は体位や睡眠状態と関係するのか

 ダウン症の子供ではノンレム睡眠時の無呼吸低呼吸指数がとくに仰向けの体位で高く、これはダウン症による筋緊張低下が影響していることが理由である可能性を、オーストラリアのリッチー•センターのLauren C Nisbet氏らが報告した。Journal of clinical sleep medicine誌オンライン版2014年1月15日の掲載報告。

早漏症にSSRI、NO濃度との関連を確認

 トルコ・Sisli Etfal研究教育病院のS. L. Kirecci氏らは、精漿中の一酸化窒素(NO)レベルと、早漏症に対するSSRIの有効性との関連について検討を行った。その結果、早漏症は精漿中NO濃度高値と関連しており、SSRI投与により精漿中NO濃度が減少し、さらに膣内挿入から射精までの時間が延長することを報告し、SSRIが早漏症に有効な可能性を示唆した。Andrologia誌オンライン版2013年12月20日号の掲載報告。

日本人女性における大豆摂取と乳がんリスク:系統的レビュー

 日本人女性における大豆摂取と乳がんリスクの関連について、「がん予防法の開発と評価」研究班が疫学的研究をレビューし、その結果をJapanese journal of clinical oncology誌オンライン版2014年1月22日号に報告した。本論文は、健康に関連した生活スタイルとがんとの関連について、既存のエビデンスを評価したレポートの1つである。今回の結果から、著者の岐阜大学教授 永田千里氏らは「日本人女性においては大豆摂取が乳がんリスクをおそらく減少させるだろう」と結論した。

1日1回投与の新規喘息治療薬、国内長期投与における安全性・有効性を確認

 成人気管支喘息患者を対象とした52週間長期投与試験の結果、1日1回投与タイプの新規吸入薬フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ビランテロール配合剤(FF/VI、商品名:レルベア)およびFF(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)単剤は、いずれも忍容性が良好であり、朝・夜のピークフロー値(PEF)および喘息症状の改善・維持が認められた。近畿大学医学部奈良病院 呼吸器・アレルギー内科教授の村木 正人氏らが、日本人の患者243例について行った多施設共同・非対照・非盲検試験の結果を報告した。アレルギー・免疫誌2013年10月号掲載の報告より。

アルツハイマー病とがん死亡リスクの関連~前向き研究(NEDICES)より

 これまでの研究で、アルツハイマー病とがんリスク低下との関連が示されているが、ほとんどの研究は診断未確定の認知症例を除外している。スペイン・12 de Octubre大学病院のJuan Pablo Romero氏らは、高齢者5,278人を含む集団ベースの前向き研究(NEDICES)で、まず検証がなされている方法で認知症の症状がある人々を選別したうえで、認知症が疑われる患者を臨床検査で確認するという2段階の調査方法を用いて、がんによる死亡とアルツハイマー病およびそれ以外の認知症との関連を検討した。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2014年1月21日号に掲載。

禁煙補助薬として抗うつ薬は有用なのか

 抗うつ薬は禁煙を助ける可能性があるといわれている。米国・バーモント大学のJohn R Hughes氏らは、抗うつ薬が禁煙を補助するかどうかを検討するため、Cochrane Tobacco Addiction Group Specialised Registerを用いてレビューを行った。その結果、ブプロピオン(国内未承認)とノルトリプチリンは長期的に禁煙を補助する可能性があること、一方でSSRIやモノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬は禁煙を助けないことを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2014年1月8日号の掲載報告。

変性椎間板の有病率、50歳以上で90%超:Wakayama Spine Study

 これまで、一般地域住民を対象に全脊柱レベルでMRIを撮像し変性椎間板の分布や有病率などについて調べた報告はなかった。和歌山県立医科大学の寺口 真年氏、同講師・橋爪 洋氏、同主任教授・吉田 宗人氏らは、初めてこの課題に取り組み、その結果、変性椎間板の有病率は非常に高く、頚椎、胸椎および腰椎の各部位で椎間板変性はそれぞれC5/6、T6/7およびL4/5に最も多く分布していることを明らかにした。

複雑な薬物療法レジメン、認知症介護者の負担増加

 高齢者や認知症患者の介護を担うインフォーマル介護者(公的機関や専門職によるサービスや支援以外の介護を行う者、以下:家族介護者)が世界的に増加している。家族介護者による良好な服薬管理は、健康アウトカムの改善と、介護を受ける人々の施設入所数減少に寄与する。しかしながら、このような介護領域の実情はほとんど知られていない。オーストラリア・ウーロンゴン大学のRobyn Gillespie氏らは、高齢者や認知症患者の服薬管理を行っている家族介護者の役割について文献レビューを行った。その結果、薬物療法レジメンの複雑化などを背景に家族介護者による服薬管理がしばしば困難な状況に陥っていることを明らかにし、十分な情報提供やトレーニング、サポートの重要性を示唆した。Journal of Clinical Nursing誌オンライン版2013年12月20日号の掲載報告。