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心房細動と認知症リスク~1万3千人を20年追跡

 これまでに心房細動(AF)と認知機能低下および認知症との関連が報告されている。しかし、これらの研究は追跡期間が限られ、ほとんどが白人や選択された集団に基づいており、また認知機能の減衰を考慮していなかった。今回、ミネソタ大学のLin Y. Chen氏らは、ARIC(Atherosclerosis Risk in Communities)研究において、認知機能の20年間の変化(減衰を考慮)および認知症発症との関連を評価した。その結果、虚血性脳卒中と関係なく、AFが認知機能のより大きな低下や認知症リスクの増加と関連することが示された。Journal of the American Heart Association誌2018年3月7日号に掲載。

統合失調症におけるパリペリドンパルミチン酸とリスペリドンの持効性注射剤の比較

 統合失調症患者の初回入院期間、再入院リスク、治療期間に関して、パリペリドンパルミチン酸(PP)またはリスペリドン持効性注射剤(RLAI)による治療の影響を、フランス・Corentin-Celton HospitalのFrederic Limosin氏らが、比較検討を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2018年2月号の報告。

ニボルマブの480mg4週ごと投与、FDAが承認

 米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は2018年3月6日、米国食品医薬品局(FDA)が、480mg固定用量4週間ごと投与の追加適応を含む、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)の生物学的製剤承認一部変更申請を承認したと発表。この承認により、医療者は、新バイアルによる240mgの2週間ごと投与と、480mgの4週ごと投与を、患者に合わせて選べるようになる。また、すべてのニボルマブ適応疾患で、従来より短い30分投与も承認された。

健康状態に関係なく余暇身体活動で死亡率低下~アジア50万人調査

 余暇身体活動(LTPA)と死亡リスクの関連を評価する研究は、ほとんど欧州系の健康人で実施されている。今回、米国・Vanderbilt-Ingram Cancer CenterのYing Liu氏らが東アジアの健康人および慢性疾患患者のコホートで調査を実施し、アジアの中高齢者において、定期的なLTPAが健康状態にかかわらず死亡率低下と関連していることが示唆された。International journal of epidemiology誌オンライン版2018年2月27日号に掲載。

加齢黄斑変性の治療効果、AIで予測可能か

 ドイツ・ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのMarkus Rohm氏らは、加齢黄斑変性患者の治療後の視力について、機械学習を用いた予測が可能かどうか、データベース研究により検討した。著者は、「治療3ヵ月後の視力については実測値に匹敵する結果を予測でき、12ヵ月後の視力についても、その予測値が硝子体内治療の継続に対する患者のアドヒアランスを高めるのに役立つのではないか」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2018年2月14日号掲載の報告。

男女における握力とうつ病との関連

 筋力は、高齢者のメンタルヘルスにおける、修正可能な保護的要因である。性差のエビデンスにおいて、メンタルヘルスとその関連は限られている。アイルランド・リムリック大学のCillian P. McDowell氏らは、握力とうつ症状やうつ状態との横断的および将来的な関連について、性差の評価を行った。Experimental gerontology誌オンライン版2018年2月14日号の報告。

意外にも中高齢層にフィット、糖尿病診療でのスマホアプリ活用

 糖尿病患者の“自己管理ノート”としてのスマホアプリの活用は、医療者・患者双方にとってどのようなメリットがあるのか。2018年3月3日、「第52回 糖尿病学の進歩」において「リアルワールドデータによる糖尿病治療の最前線~PHR(パーソナルヘルスレコード)や検査データを活用した新しい診療の実際と展望~」と題したランチョンセミナーが開催された(共催:株式会社ウェルビー/株式会社エスアールエル)。セミナーでは木村 那智氏(医療法人純正会ソレイユ千種クリニック 院長)が登壇。アプリ「Welbyマイカルテ」を主に2型糖尿病患者への診療に取り入れ約3年が経過した中での、使用感やメリットについて紹介した。

腫瘍溶解ウイルス+ペムブロリズマブの固形がん医師主導治験開始/国がん

 国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区)東病院(病院長:大津 敦、千葉県柏市)は2018年3月2日、進行性または転移性固形がん患者を対象とした、腫瘍溶解ウイルス製剤テロメライシン(OBP-301)と、抗PD-1抗体ペムブロリズマブの併用療法に関する医師主導治験(第I相試験)を開始したと発表。同試験では、併用した際の安全性及び有効性などの評価を行う。

きわめて高いHDL-Cは心血管死リスク? EPOCH-JAPAN

 心血管疾患(CVD)に対するvery highやextremely highレベルの HDLコレステロール(HDL-C)の影響は十分にわかっていない。最近のいくつかの研究では、extremely highレベルのHDL-CのCVDイベントへの悪影響が報告されているが、原因別CVD死亡率との間に有意な関連はみられておらず、またアジア人集団では研究されていない。今回、日本の主要な循環器疫学コホート研究の統合データベース共同研究であるEPOCH-JAPANにおける大規模なプール解析により、extremely highレベルの HDL-Cがアテローム性CVDによる死亡率に悪影響を及ぼすことを示した。Journal of clinical lipidology誌オンライン版2018年2月8日号に掲載。

1994~2014年の30ヵ国におけるうつ病有病率調査

 うつ病の有病率は、過去20年間の精神医学的治療の変化やオンラインメンタルヘルス情報の入手による影響を受けている可能性がある。オーストラリア・モナッシュ大学のGrace Y. Lim氏らは、1994~2014年にかけて、異なる国と地域におけるうつ病の有病率を評価し、地理的、方法論的、社会経済的な要因によって層別化された有病率の変動を調査した。Scientific reports誌2018年2月12日号の報告。

低用量スタチンでの糖尿病リスク~日本のコホート研究

低用量スタチンを服用している日本人の糖尿病新規発症リスクはこれまで検討されていない。今回、秋田大学医学部附属病院薬剤部の加藤 正太郎氏らは、低用量スタチン服用患者を、高力価スタチン群と低力価スタチン群に分けて糖尿病新規発症リスクを評価した。その結果、高力価スタチン群では低力価スタチン群と比べ有意に発症リスクが高かった。さらに、ステロイドや免疫抑制薬との併用で発症リスクが上昇するため、注意が必要と指摘している。Journal of Clinical Pharmacy and Therapeutics誌オンライン版2018年2月26日号に掲載。

統合失調症の維持治療に対するブレクスピプラゾールの長期安全性評価研究

 ブレクスピプラゾールは、統合失調症の急性期や再燃予防において有効性を発揮するセロトニン・ドパミンアクティビティモデュレーター(SDAM)である。米国・大塚ファーマシューティカルD&C Inc.のAndy Forbes氏らは、フェーズIIIの多施設共同研究において、ブレクスピプラゾールのフレキシブルドーズ1~4mg/日における長期安全性、忍容性、有効性の評価を行った。The international journal of neuropsychopharmacology誌オンライン版2018年2月3日号の報告。

マイボーム腺機能不全や眼表面摩擦関連疾患でドライアイが重症化

 マイボーム腺機能不全(MGD)や眼表面摩擦関連疾患(FRD)は、ドライアイの重症度にどのような影響を及ぼしているのか。慶應義塾大学のChi Hoang Viet Vu氏らDry Eye Cross-Sectional Study in Japan Study Groupは、約450例を対象とした横断観察研究において、MGD、FRDまたはその両方が存在すると、ドライアイの状態やサブタイプに関係なく涙液層破壊時間(TBUT)が有意に短縮していることを明らかにした。Ophthalmology誌オンライン版2018年2月16日号掲載の報告。

早期の認知症発見とコンピュータ使用との関連性の検証

 高齢者が多様なコンピュータを使用する動作から、認知機能に問題がないか、または認知機能低下の初期段階にあるか判断することはできるか、そしてこれらの動作が認知機能低下と関連しているかについて、英国・マンチェスター大学のG. Stringer氏らが調査を行った。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2018年2月9日号の報告。