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チェリージュースによる不眠症治療とそのメカニズムを研究するためのパイロット研究

 不眠症は高齢者において頻繁に認められ、慢性疾患と関連している。高齢者に対する睡眠薬による不眠症治療は、転倒の発生率を増加させる恐れもある。自己報告質問票では、トリプトファン分解酵素を阻害するモンモランシータルトチェリージュースが不眠症を改善するといわれている。米国・ルイジアナ州立大学のJack N. Losso氏らは、睡眠ポリグラフ検査で睡眠状態を確認し、不眠症治療にトリプトファンが有用であるかについて検討を行った。American journal of therapeutics誌2018年3/4月号の報告。

血清尿酸値上昇は高LDL-C/高TG血症リスク~日本人コホート研究

 高い血清尿酸(SUA)値は脂質異常症と関連するが、高尿酸血症がLDLコレステロールを増加させるかどうかは不明である。今回、コロラド大学の桑原 政成氏らが行った日本人のコホート研究により、SUA値の上昇が高LDLコレステロールおよび高トリグリセライド血症の発症リスクを増加させたことが初めて報告された。著者らは「この結果は心血管疾患におけるSUAの役割を解明するかもしれない」としている。International Journal of Cardiology誌オンライン版2018年3月13日号に掲載。

双極性うつ病に対する抗うつ薬補助療法による再入院率に関するコホート研究

 双極性うつ病に対し抗うつ薬が広く用いられているが、その有効性や安全性に関するエビデンスは弱い。また、双極性障害に対する抗うつ薬維持療法のリスク・ベネフィット比に関する研究は不十分である。イスラエル・テルアビブ大学のYahav Shvartzman氏らは、抗うつ薬補助療法の有無にかかわらず、気分安定薬や非定型抗精神病薬治療で退院したうつ病エピソードを有する双極I型障害患者の再入院率について比較検討を行った。European neuropsychopharmacology誌2018年3月号の報告。

CVD-REAL2試験、SGLT2阻害薬で心血管リスク低下

 アジア太平洋、中東、北米の6ヵ国の40万例超の2型糖尿病患者を対象としたCVD-REAL試験の新たな解析(CVD-REAL2)により、SGLT2阻害薬投与患者は他の血糖降下薬と比べて、患者特性にかかわらず心血管イベントリスクが低いことが示された。本結果は第67回米国心臓病学会年次学術集会(ACC2018)で発表され、Journal of the American College of Cardiology誌オンライン版2018年3月7日号にも掲載された。

日本人肺がんにおける免疫関連有害事象とニボルマブの効果/JAMA Oncol

 メラノーマにおける免疫関連有害事象(irAE)とPD-1阻害薬の有効性の相関については報告されてるが、非小細胞肺がん(NSCLC)においては明らかになっていない。この研究は、近畿大学を含む複数の機関の診療録データを基に、再発・進行NSCLCにおける、ニボルマブの有効性とirAEの有無の関係を評価した多施設後ろ向き観察研究である。リードタイムバイアスを最小限にするためにランドマーク解析を用いて、関連性を検討している。近畿大学 原谷浩司氏らにより、JAMA Oncology誌2018年Vol.4で報告された。

授乳中の抗てんかん薬使用に関する母親への情報提供

 さまざまな抗てんかん薬の母乳中への移行、それによる乳児に対する影響についての情報は限られている。これらの問題が明らかとなっていないため、抗てんかん薬服用中の患者には母乳による育児を推奨することができない。スイス・ローザンヌ大学のM. Crettenand氏らは、授乳中の抗てんかん薬に関する利用可能なデータを包括的にレビューし、これらの情報を添付文書(SmPC)に記載されている内容と比較し、母乳育児中の女性にこれらの薬剤を使用するための推奨を提供するため、検討を行った。Der Nervenarzt誌オンライン版2018年2月27日号の報告。

緑内障のディープラーニングによる検出、感度良好

 中国・中山大学のZhixi Li氏らは、ディープラーニングを用い、カラー眼底写真で緑内障性視神経症を自動的に分類するシステムの開発、検証を行い、高い感度と特異度で緑内障性視神経症を検出できることを示した。偽陰性の主な原因は、強度または病的近視の合併であり、偽陽性となった理由で最も多かったのは生理的陥凹と病的近視であることも明らかにした。Ophthalmology誌オンライン版2018年3月2日号掲載の報告。

成人アトピー、日米欧での有病率は約2~5%

 成人におけるアトピー性皮膚炎(AD)の有病率については認識に違いがあることから、フランス・ナント大学病院のSebastien Barbarot氏らは、米国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国および日本においてWEBベースの国際横断研究を行った。その結果、各国における成人のAD有病率は2.1~4.9%で、評価尺度または地域に関係なく重症ADの割合は低いことが示された。Allergy誌オンライン版2018年2月13日号掲載の報告。

認知症と自動車運転~高齢ドライバー5万人の診断にどう対処するか

 2017年3月の道路交通法改正により、75歳以上の高齢者ドライバーが運転免許証を更新する際、「認知症のおそれがある」と判断された場合、すべて専門医または主治医の診断(臨時適性検査)を受け、診断書を提出しなければならなくなった。高齢者による交通事故防止のため、認知症対策がより強化されたこの新制度により、医師による臨時適性検査および診断書作成の対象者は、5万人にまで膨れ上がっている。

エーザイ株式会社とMerck、レンビマでがん領域戦略的提携

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫)とMerck & Co., Inc.Kenilworth, N.J., U.S.A.(Chairman and CEO:Kenneth C. Frazier)は2018年3月8日、エーザイ創製の経口チロシンキナーゼ阻害薬レンバチニブ(商品名:レンビマ)を全世界で共同開発・共同販促する戦略的提携について合意したと発表。本契約に基づき、両社は、レンバチニブの単剤療法、ならびにMerck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)との併用療法における、共同開発と共同販促を行う。

脳卒中再発予防に望ましいLDL-C値は? J-STARS事後解析

 脳卒中の再発を予防するために望ましいLDLコレステロール値を調べるために、J-STARS研究(Japan Statin Treatment Against Recurrent Stroke、脳血管疾患の再発に対するスタチンの予防効果に関する研究、多施設共同無作為化非盲検並行群間比較試験)の事後解析が実施された。その結果、スタチン使用について調整後、無作為化後のLDLコレステロールが80~100mg/dLの群で、脳卒中および一過性虚血発作の複合リスクが低いことが示された。Stroke誌オンライン版2018年3月6日号に掲載。