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全身麻酔と認知症リスクに関するコホート研究

 全身麻酔が認知症リスクを増加させる可能性があることについて、関心が高まっている。しかし、麻酔とその後の認知症との関連については、まだよくわかっていない。韓国・翰林大学校のClara Tammy Kim氏らは、全身麻酔実施後に認知症リスクが増加するかについて検討を行った。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2018年3月29日号の報告。

蜂蜜は小児の急性咳嗽に効くのか?

 小児の咳症状は、外来受診の理由となることが多い。蜂蜜は、小児の咳症状を和らげるために、家庭で一般的に用いられている。University of Calabar Teaching HospitalのOlabisi Oduwole氏らは、小児の急性咳嗽に対する蜂蜜の有効性を評価するためにシステマティックレビューを実施し、2018年4月10日、Cochrane Database of Systematic Reviewsに公開した。本レビューは、2010、2012、2014年に続く更新。本レビューの結果、蜂蜜は、無治療、ジフェンヒドラミン、プラセボと比較して、咳症状を多くの面で軽減するが、デキストロメトルファンとはほとんど差がない可能性が示唆された。また、咳の持続時間についてはサルブタモール、プラセボより短縮する可能性はあるが、蜂蜜使用の優劣を証明する強固なエビデンスは認められなかったと結論している。

重症喘息患者に期待の新薬発売

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は2018年4月18日、「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」を効能・効果とした、ヒト化抗IL-5受容体αモノクローナル抗体製剤ベンラリズマブ(商品名:ファセンラ皮下注30mgシリンジ)を発売した。

EGFR変異肺がんオシメルチニブ1次治療の病勢進行後アウトカム(FLAURA)/ELCC2018

 アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、CEO:パスカル・ソリオ)は2018年4月13日、EGFR変異陽性、局所進行あるいは転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療におけるオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)の有効性および安全性を検討した第III相国際共同FLAURA試験の探索的解析として、病勢進行後の新たなアウトカムを発表した。

慢性不眠症患者におけるバイオレットオイルの有効性に関するランダム化二重盲検プラセボ対照試験

 バイオレットオイルは、昔ながらのイランの診療所において、不眠症を治療するため広く用いられてきた古典的なハーブ薬である。バイオレットオイルは、アーモンドまたはゴマ油をベースとするニオイスミレ(Viola odorata)の抽出物であり、点鼻薬として用いられる。イラン・マシュハド医科大学のZohre Feyzabadi氏らは、不眠症治療におけるバイオレットオイルの有効性を評価するため、検討を行った。Journal of ethnopharmacology誌2018年3月25日号の報告。

EGFR-TKIで進行した日本人肺がん、遺伝子変異と治療選択の実態(REMEDY)/ELCC2018

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は、4月11日~14日にスイス・ジュネーブで開催されたELCC(欧州肺癌学会)において、多施設共同前向き観察研究REMEDY試験の結果を発表した。本試験は実地臨床下でEGFR-TKI治療中に増悪を来した日本人症例における、一連の検査および薬剤選択の状況を明らかにしたもの。日本人患者のオシメルチニブへのアクセスの実態を把握する最初のリアルワールドエビデンスとしても注目される。

1型糖尿病患者、うつ病が認知症リスクに

 1型糖尿病(T1D)患者の14%がうつ病である。うつ病は認知症の強力な危険因子であるが、近年、認知症リスクのある年齢まで生きるようになったT1D患者に、それが当てはまるかどうかは不明である。今回、米国・Kaiser Permanente Division of ResearchのPaola Gilsanz氏らの調査により、高齢のT1D患者において、うつ病が認知症リスクを有意に増加させることが示された。Aging & mental health誌オンライン版2018年4月10日号に掲載。

女性の顔のしわ、食習慣と関連

 顔のしわに対するさまざまな食習慣の影響についてはほとんど知られていない。オランダ・エラスムス大学医療センターのSelma Mekic氏らは、地域の高齢者を対象とした集団ベースコホート研究において、食習慣が女性の顔のしわに影響していることを明らかにした。横断研究のため因果関係を証明することはできず、健康志向の行動が結果に影響した可能性はあるものの、著者は、「健康的な食事が顔のしわを減らすと強調すれば、世界的な疾患予防戦略は恩恵にあずかるかもしれない」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年3月27日号掲載の報告。

自閉スペクトラム症とADHDを有する小児における不安障害と気分障害

 自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如多動症(ADHD)は、頻繁に併発する。ASDとADHDを併発する小児のエンドフェノタイプを理解することは、臨床的な管理に影響を及ぼす可能性がある。米国・ジョンズ・ホプキンズ大学のEliza Gordon-Lipkin氏らは、ASD児の不安障害や気分障害の併発について、ADHDの有無別に比較を行った。Pediatrics誌4月号の報告。

ROCK阻害薬と培養細胞の注入で、角膜内皮細胞が再生/NEJM

 フックス角膜内皮変性症などの角膜内皮障害は、角膜の含水量に異常を来し、水疱性角膜症として角膜の混濁と視力低下を引き起こす。京都府立医科大学の木下 茂氏らは、水疱性角膜症患者において、Rhoキナーゼ(ROCK)阻害薬とともに、培養したヒト角膜内皮細胞(CEC)を前房内に注入することにより、24週間後にCEC密度が増加し、視力が改善したことを明らかにした。NEJM誌2018年3月15日号掲載の報告。

コーヒーと大動脈弁狭窄症リスク~7万人の前向き研究

 コーヒーには、心血管系に有害もしくは有益な作用を及ぼしうる生物学的活性物質が多く含まれているが、コーヒー摂取と大動脈弁狭窄症リスクの関連は不明である。今回、スウェーデン・カロリンスカ研究所のSusanna Larsson氏らの7万人超による前向き研究により、コーヒー摂取量と大動脈弁狭窄症リスクが正相関することが示された。Nutrition, metabolism, and cardiovascular diseases誌オンライン版2018年2月7日号に掲載。

dacomitinibのEGFR変異肺がん1次治療、FDAとEMAが申請受理

 ファイザー社は2018年4月4日、米国食品医薬品局(FDA)が、EGFR変異陽性局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療に対する汎ヒト上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)dacomitinibの新薬申請を受け入れ、優先審査の対象としたと発表。また、欧州医薬品庁(EMA)は、同じ適応症でdacomitinibのマーケティング認可申請を受け入れた。

ペムブロリズマブ、PD-L1発現肺がんの1次治療に単剤でOS改善(KEYNOTE-042)

 メルク社は2018年4月9日、非扁平上皮、扁平上皮を含む非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、ペムブロリズマブ単剤での1次治療を評価する第III相試験KEYNOTE-042試験で、主要評価項目である全生存期間(OS)を達成したと発表。独立データモニタリング委員会(DMC)による中間解析で、PD-L発現1%以上の患者において、ペムブロリズマブの単剤治療が、プラチナベースの化学療法(カルボプラチン+パクリタキセルまたはカルボプラチン+ペメトレキセド)と比べ、OSの有意な改善を示した。この試験におけるペムブロリズマブの安全性プロファイルは、進行NSCLC患者の単独療法試験で以前に報告されたものと一致していた。