医療一般|page:1

再発・難治性B-NHLへのglofitamab、日本人第I相試験の結果

 glofitamabは、T細胞誘導型CD20/CD3二重特異性抗体であり、欧米において再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に承認されている。今回、日本人の再発・難治性B細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)患者における安全性・薬物動態・有効性を評価した第I相試験で、glofitamabが管理可能な安全性プロファイルを示し、有望な奏効率が認められたことを、がん研究会有明病院の城内 優子氏らが報告した。International Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年7月2日号に掲載。

早期HR+/HER2-乳がん、術後アベマシクリブ初回用量漸増後24週時点での忍容性(TRADE)/ESMO Open

 高リスクの早期ホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)乳がんにおけるアベマシクリブ術後療法は再発率を低下させ、全生存期間を改善するが、毒性、とくに下痢で減量や早期の中止をせざるをえない場合がある。TRADE試験においてはすでに、アベマシクリブの早期用量漸増により12週までに目標用量である1日2回150mgに到達し、維持できることが報告されている。今回、米国・Dana-Farber Cancer InstituteのIlana Schlam氏らが本試験の24週時点での臨床アウトカムに関する解析結果について、ESMO Open誌2026年7月6日号で報告した。

日本人統合失調症外来患者の再発率と関連する要因は~MUSASI研究

 社会機能障害は、統合失調症患者の生活の質に大きな影響を及ぼすが、社会機能に関連する因子が再発頻度によって異なるかどうかは明らかになっていない。関西医科大学の嶽北 佳輝氏らは、日本人統合失調症外来患者を対象に、再発頻度別にこれらの因子の違いを検討するため、本研究を実施した。Psychological Medicine誌2026年5月29日号の報告。  本研究は、日本の精神科診療所における統合失調症の多施設共同治療調査・評価(MUSASI)として実施された全国横断研究である。2023年9~10月にかけて日本国内の精神科診療所330施設で実施した。解析対象は、統合失調症関連疾患と診断された患者1万81例。

PPI中止後のGERD再燃、プロバイオティクスが抑制

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)にプロバイオティクスを併用することで、胃食道逆流症(GERD)患者におけるPPI中止後の症状再燃が抑制され、その効果が腸内細菌叢および代謝物のリモデリングを介して維持される可能性が報告された。中国・南昌大学のLi Yingmeng氏らによる研究成果はmSystems誌オンライン版2026年1月29日号に掲載された。  GERDに対する標準治療であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)は高い有効性の一方、長期使用による腸内細菌叢の乱れや中止後の症状再燃が課題となっている。研究者らは、多菌種プロバイオティクス製剤をPPIに併用することで、PPI中止後も症状改善効果が持続するかを検証した無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。

家庭血圧測定値の遠隔モニタリングで心血管イベントリスクが低下

 動脈硬化性疾患(ASCVD)と診断された50歳以上の成人において、帯状疱疹(HZ)ワクチンの接種は、主要心血管イベント(MACE)およびその他の心血管アウトカムのリスク低下と関連するという研究結果が、米国心臓病学会年次総会(ACC.26、3月28~30日、米ニューオーリンズ)で発表予定である。  米カリフォルニア大学リバーサイド校のRobert Nguyen氏とAditya Desai氏は、米国のTriNetXデータベースを用い、2018年1月1日~2024年1月1日にASCVDと診断された50歳以上の成人を対象とした後ろ向きコホート研究を実施し、この集団において帯状疱疹ワクチン接種が心血管リスクを低減するかどうかを検討した。傾向スコアマッチング後、HZワクチン接種群27万5,304人と非接種群27万5,304人が解析対象となった。

保護者の料理スキル、子どものレジリエンスや思いやり行動と関連

 子どもの心の健康には、家庭環境や親子関係が大きく関わることが知られている。今回、日本の小学生と保護者を対象とした縦断研究により、保護者の料理スキルが高いほど、子どものレジリエンス(困難への対処力)や向社会的行動(思いやり行動)が高い傾向にあることが示された。さらに、食に関する家庭習慣や親子の関わり、家族の結び付きが、この関連に一部関与している可能性も示唆された。研究は、東京科学大学大学院医歯学総合研究科公衆衛生学分野の谷友香子氏らによるもので、詳細は5月1日付の「BMC Psychology」に掲載された。

タモキシフェン治療中の乳がん患者のホットフラッシュ、ベンラファキシンが有望(HOFLA-V試験)/日本乳癌学会

 内分泌療法治療中の乳がん患者において、発汗や動悸を伴う血管運動症状である「ホットフラッシュ」は、患者の約50~80%と高頻度に発生する。とくに閉経前患者や、LH-RHアゴニスト併用症例においては、その頻度や重症度が高い。更年期障害に伴うホットフラッシュに対しては、ホルモン補充療法が第一選択となるが、乳がん患者においては再発リスクを増加させる懸念があるため推奨されていない。非ホルモン療法の中では、抗うつ薬ベンラファキシン、抗けいれん薬ガバペンチンについて、NCCNガイドラインでは「preferred」とされ推奨度が高いが、日本人乳がん患者、とくに閉経前患者におけるエビデンスは不足している。

日本人片頭痛患者に対する3年間の抗CGRP抗体継続治療、その有用性は

 抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)抗体については、治療期間が24ヵ月を超える長期的な実臨床のデータが乏しく、とくに治療継続率や目標達成後の計画的中止に関するデータは不足している。昭和医科大学の笠井 英世氏らは、実臨床における3年間にわたる抗CGRP抗体の有効性および安全性を評価するため、単施設レトロスペクティブ研究を実施した。Frontiers in Neurology誌2026年5月13日号の報告。

移植適応のある未治療多発性骨髄腫へのテクリスタマブベースの導入療法~第II相試験(MajesTEC-5)

 移植適応のある未治療多発性骨髄腫(NDMM)に対する、BCMA/CD3二重特異性抗体テクリスタマブベースの導入療法の安全性と有効性を検討した第II相GMMG-HD10/DSMM-XX(MajesTEC-5)試験の結果、移植適応のあるNDMMに対して、テクリスタマブベースの導入療法レジメンが、構成する各薬剤と比較して一貫した安全性プロファイルと顕著な早期微小残存病変(MRD)陰性率を示した。ドイツ・Heidelberg University HospitalのMarc S. Raab氏らがNature Medicine誌オンライン版2026年6月25日号に報告した。

死亡リスクが低下する適切な筋トレ時間は?

 レジスタンス運動(筋力トレーニング)は生活習慣病の予防・治療だけでなく、日常生活でも広く行われている。とくに筋力トレーニングは、健康な体の維持に勧められている。では、筋力トレーニングは、運動すればするだけ死亡率を減らす効果があるのであろうか。米国・ハーバードT.H.チャン公衆衛生大学院栄養学部のYiwen Zhang氏の研究グループが、長期的な筋力トレーニングと死亡との関連を検討した結果、中程度の長期的な筋力トレーニングは全死因死亡率の低下と関連し、約120分/週以上の筋力トレーニングで死亡リスクは頭打ちとなることが判明した。この結果はBritish Journal of Sports Medicine誌2026年6月12日号に掲載された。

脊髄刺激療法で脳卒中後の上肢機能改善を確認

 脊髄への電気刺激により、脳卒中患者の上肢(腕や手)の機能が改善する可能性があるようだ。重度の運動障害を有する脳卒中患者7人を対象としたパイロット試験で、4週間にわたる脊髄刺激療法(spinal cord stimulation;SCS)により、上肢の筋力が平均32%向上し、痙縮も軽減したことが示された。痙縮とは、脳卒中や脊髄損傷後の後遺症であり、自分の意思とは無関係に筋肉が収縮して関節が固くなる運動障害である。米ピッツバーグ大学脊髄刺激研究室長のMarco Capogrosso氏らによるこの研究結果は、「Nature Medicine」6月4日号に掲載された。

幼少期の逆境体験が多いほど肥満リスク上昇、支える大人が保護因子の可能性

 幼少期の逆境体験が多いほど、小児期の肥満リスクが高いという関連が報告された。米ロサンゼルス小児病院のVictoria Goldman氏、米ジョージア大学のShana Adise氏らの研究の結果であり、詳細は「JAMA Network Open」に12月4日掲載され、2月17日にジョージア大学からリリースが発行された。  この研究では、幼少期に経験した虐待や両親の離婚、貧困、ネグレクト、いじめなどの逆境的小児期体験(adverse childhood experiences;ACEs)が多いほど、BMIが有意に高いという関連性が示された。

症状モニタリングアプリが進行がん患者のQOL維持に有効

 緩和ケアを受けている進行がん患者の症状への対処や健康関連QOLの維持に、スマートフォンのアプリによる症状モニタリングが役立つ可能性があることが、新たな研究で示された。香港大学(中国)臨床腫瘍学准教授のWendy Wing-lok Chan氏らによるこの研究結果は、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO 2026、5月29日~6月2日、米シカゴ)で発表されるとともに、「JAMA Network Open」に6月1日掲載された。  今回の研究では、さらなる全身性抗がん治療を受けないことを決めた進行固形がん患者1,214人(年齢中央値78歳、男性50.8%)を対象に、症状モニタリングアプリを活用した緩和ケアの有効性をランダム化比較試験で検討した。

トマトに認知機能改善効果は期待できるのか?

 トマトは、血液脳関門を通過して抗酸化作用と抗炎症作用を発揮するカロテノイドであるリコピンの主要な供給源である。しかし、健康成人におけるトマト摂取が認知機能に及ぼす影響は、依然として不明であった。スペイン・バルセロナ大学のRicardo Lopez-Solis氏らは、濃縮トマトペーストが認知機能に及ぼす影響を評価し、脳由来神経栄養因子(BDNF)や脳機能結合などの潜在的なメカニズムを検討した。Antioxidants誌2026年5月19日号の報告。  40~55歳の健康成人47人を対象に、ランダム化2期クロスオーバー試験を実施した。

プラチナ抵抗性卵巣がんに対するrelacorilant+nab-パクリタキセル、タキサン既治療例でも良好な結果(ROSELLA試験)/ASCO2026

 プラチナ抵抗性再発卵巣がん(Platinum-Resistant Ovarian Cancer、以下PROC )に対するグルココルチコイド受容体拮抗薬relacorilantとnab-パクリタキセルの併用は、全集団およびタキサン既治療群において生存ベネフィットを示した。relacorilantの第III相試験であるROSELLA試験についてLucy Gilbert氏(カナダ・McGill University)が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。  コルチゾールがグルココルチコイド受容体(GR)を介して伝えるシグナルは、腫瘍細胞の化学療法に対する感受性を低下させることが明らかとなっている。

低侵襲治療で変形性膝関節症の痛みが軽減

 膝動脈塞栓術(GAE)と呼ばれる低侵襲性の治療によって膝関節周囲の異常血管への血流を減少させ、膝の痛みを緩和できる可能性が新たな研究で示された。約200人の変形性膝関節症(OA)患者を対象にGAEを実施したところ、膝の痛みの軽減と機能の改善が認められたという。シャリテ大学病院(ドイツ)インターベンショナルラジオロジー部門のFlorian Fleckenstein氏らによるこの研究の詳細は、「Radiology」に6月16日掲載された。  Fleckenstein氏はニュースリリースの中で、「今回の研究の対象となった集団において、痛みの大幅な軽減が認められた。

尿検査で自閉症をスクリーニングできる可能性

 簡単な尿検査によって、自閉症スペクトラム症(ASD)の可能性が高い子どもを早期にスクリーニングできる可能性があることが、新たな研究で示された。研究グループは、「ASD児の腸内細菌叢に認められる特徴が、ASD児と定型発達児の識別に役立つ可能性がある」と述べている。米アリゾナ州立大学(ASU)Biodesign Center for Health Through Microbiomes工学教授James Adams氏らによるこの研究の詳細は、「Molecular Psychiatry」に5月26日掲載された。  過去の多くの研究において、一部のASD児では、p-クレゾール硫酸やインドキシル硫酸といった微生物由来代謝物(MDM)の尿中濃度が異常に高いことが確認されている。

子どものうそ、大半は将来の問題行動につながらず

 「犬が宿題を食べてしまった」「妹が先に始めた」「携帯電話の充電が切れていた」——。子どもがつくこんなうそに、大人はいら立ちを覚えがちだ。しかし、子どもが時々うそをつくのはよくあることであり、大半は成人後の深刻な問題につながらないことが新たな研究で示された。一方で、うそをつく行動が持続したり、年齢とともに頻度が増加したりする子どもは、6歳時の攻撃性や12歳時の衝動性が高い傾向が見られ、若年成人期に反社会性パーソナリティ症の診断や犯罪歴との関連が認められたという。マギル大学(カナダ)教育・カウンセリング心理学教授のVictoria Talwar氏らによるこの研究結果は、「Development and Psychopathology」に5月27日掲載された。

テゼペルマブで重症喘息患者のステロイド減量が可能に

 最近承認された喘息治療薬テゼペルマブ(商品名テゼスパイア)により、喘息コントロールを維持しながら経口ステロイドの使用量を減らせる可能性が、臨床試験で示された。テゼペルマブ群では、喘息コントロールを維持しつつ日常的なステロイド使用量をより大きく減らせるオッズがプラセボ群の約3倍であったという。米National Jewish HealthにあるCohen Family Asthma Institute所長であるMichael Wechsler氏らによるこの研究結果は、「The Lancet Respiratory Medicine」6月号に掲載された。Wechsler氏は、「長期的な経口コルチコステロイドの使用は、糖尿病、骨粗鬆症、心血管疾患などの健康被害をもたらす可能性があり、生活の質(QOL)にも重大な影響を与え得る」と述べている。

GLP-1受容体作動薬、肥満関連がんの進行を抑制か

 新たな研究により、GLP-1受容体作動薬が一部の肥満関連がんの転移進行リスクを抑制する可能性が示された。GLP-1受容体作動薬はもともと糖尿病治療薬として開発されたが、現在は肥満症や心血管疾患の治療にも広く用いられている。米Taussig Cancer InstituteのMark David Orland氏らによるこの研究結果は、米国臨床腫瘍学会(ASCO 2026、5月29~6月2日、米シカゴ)で発表された。  米フォックス・チェイスがんセンターで支持療法腫瘍学・緩和ケアプログラム責任者を務めるMarcin Chwistek氏は、「GLP-1受容体作動薬は、これまでも単なる血糖降下薬ではなかった。その抗炎症作用および免疫調節作用から、以前より幅広い作用を持つことが示唆されている」と述べている。