死亡リスクが低下する適切な筋トレ時間は?

提供元:ケアネット

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公開日:2026/07/08

 

 レジスタンス運動(筋力トレーニング)は生活習慣病の予防・治療だけでなく、日常生活でも広く行われている。とくに筋力トレーニングは、健康な体の維持に勧められている。では、筋力トレーニングは、運動すればするだけ死亡率を減らす効果があるのであろうか。米国・ハーバードT.H.チャン公衆衛生大学院栄養学部のYiwen Zhang氏の研究グループが、長期的な筋力トレーニングと死亡との関連を検討した結果、中程度の長期的な筋力トレーニングは全死因死亡リスクの低下と関連し、約120分/週以上の筋力トレーニングで死亡リスクは頭打ちとなることが判明した。この結果はBritish Journal of Sports Medicine誌2026年6月12日号に掲載された。

筋トレは120分/週で死亡リスク低下効果が頭打ちに

 研究グループは、長期的な筋力トレーニングが、全死因および死因別死亡率の低下と関連しているかどうか、その用量反応関係、有酸素運動との複合的な効果を検証することを目的に3つの大規模前向きコホートのデータを解析した。

 対象は、Health Professionals Follow-up Study(1992~2022年)、Nurses' Health Study(2002~21年)、Nurses' Health Study II(2003~21年)の参加者。週当たりの筋力トレーニング時間および有酸素運動時間は、ベースライン時およびその後2年ごとに、妥当性が検証された質問票を用いて評価した。ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)の推定には、Cox比例ハザードモデルを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・最大30年間追跡された14万7,374例(男性3万1,540例、女性11万5,834例)のうち、3万5,798例の死亡が確認された。
・有酸素運動の影響を調整した結果、筋力トレーニングを行わない場合と比較して、週90~119分の筋力トレーニングは全死因死亡リスクの13%低下(HR:0.87、95%CI:0.81~0.95)、心血管疾患による死亡リスクの19%低下(HR:0.81、95%CI:0.67~0.97)、神経疾患による死亡リスクの27%低下(HR:0.73、95%CI:0.58~0.92)と関連していた。
・120分/週を超えると、それ以上の追加的な効果は認められなかった。
・がんによる死亡リスクの低下は、筋力トレーニングの実施時間が短い場合にのみ認められ、週1~29分の場合でHR:0.91(95%CI:0.86~0.97)、週30~59分の場合でHR:0.88(95%CI:0.81~0.97)であった。
・組み合わせ解析では、有酸素運動が不十分(週7.5MET・時間未満)で筋力トレーニングを行っていない群と比較して、有酸素運動量が多く筋力トレーニングも行っている参加者(例:有酸素運動30~45MET・時間/週未満、筋力トレーニング60~119分/週)(HR:0.55)や、筋力トレーニング量にかかわらず有酸素運動45MET・時間/週以上を達成した参加者(HR:0.53~0.58)では、死亡リスクが最も低かった。

 以上の結果から研究グループは、「最大30年間の追跡調査における筋力トレーニングの反復測定データを用いると、中程度の長期的な筋力トレーニングは全死因死亡の低下と関連し、約120分/週以上の筋力トレーニングでリスクの最小値が頭打ちとなった。また、有酸素運動量が約45MET・時間/週以上に達するまでの各レベルで、筋力トレーニングは死亡リスクのさらなる低下と関連していた」と結論付けている。

(ケアネット 稲川 進)