アリピプラゾールで患者満足度向上?! 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/10/15 近年、統合失調症治療において、アドヒアランスや患者満足度向上への関心が高まっている。 ベルギーのPeuskens氏らは、幅広い種類の統合失調症患者における12週間のアリピプラゾールによる治療効果を評価するため、医師、介護者、患者に対しさまざまなスケールを使用して評価した。Eur Psychiatry誌2012年10月号の報告。 対象は、DSM-Ⅳで統合失調症と診断された外来患者361例。アリピプラゾール10~30㎎/日による治療を12週間実施した多施設前向きオープンラベル試験。主要評価項目は、CGI-Iスコアによるアリピプラゾールの治療効果とし、有効性、安全性、忍容性を評価した。治療効果の完全な見解を得るため、医師、患者、介護者のさまざまなパラメーターを使用した。 主な結果は以下のとおり。 ・95%CI上限値が4(変化なし)以下であることより、幅広い種類の統合失調症患者におけるアリピプラゾールの治療効果が実証された(CGI-Iスコア:3.0、95%CI:2.8~3.2 [LOCF])。 ・アリピプラゾールの治療効果は、患者および介護者のPGI-Iスコアにより裏付けられた(各LOCF 95%CI:2.79~3.09、2.74~3.17)。 ・試験終了時、医師評価によるCGI-Sスコアの増加が認められ、53.7%の患者でアリピプラゾール治療による症状重症度の改善が認められた(不変:30.8%、悪化:11.3% [LOCF])。 ・調査官による問診IAQスコアは著明に改善した。 ・71%の患者および67%の介護者が、アリピプラゾールによる治療は前治療薬と比較し、QOLおよび全般的に有意な改善が認められたと報告した(LOCF:p<0.0001 )。 *LOCF(Last Observation Carried Forward):追跡期間中の脱落例も除外せず、脱落時点の検査値を最終結果とし解析する方法。 関連医療ニュース ・双極性I型障害におけるアリピプラゾールの有効性-AMAZE試験より- ・アリピプラゾールが有用な双極性障害の患者像とは? ・抗精神病薬アリピプラゾール併用による相互作用は? (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Peuskens J, et al. Eur Psychiatry. 2012 Oct;27(7): 506-512. doi: 10.1016/ j.eurpsy.2011.06.008. Epub 2011 Sep 14. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 手術低~中等度リスク重症大動脈弁狭窄症、TAVI vs.SAVRの1年成績/NEJM(2024/04/26) 狭小弁輪を伴う大動脈弁狭窄症へのTAVR、自己拡張型弁vs.バルーン拡張型弁/NEJM(2024/04/26) 若年乳がんサバイバーにおける2次原発性乳がんのリスク因子/JAMA Oncol(2024/04/26) アレクチニブによるALK陽性肺がん術後補助療法をFDAが承認/中外(2024/04/26) うつ病の第2選択治療、機械学習で最適化できるか(2024/04/26) テレビや動画の視聴時間の長さは夜間頻尿リスクに関連(2024/04/26) ChatGPTは医師の10倍の速さで事務作業をこなす(2024/04/26) 1型糖尿病患者の血糖変動の認知機能への影響(2024/04/26)
Peuskens J, et al. Eur Psychiatry. 2012 Oct;27(7): 506-512. doi: 10.1016/ j.eurpsy.2011.06.008. Epub 2011 Sep 14.