主に抗CD38抗体薬やレナリドミドによる治療に抵抗性を示す多発性骨髄腫において、セレブロンE3リガーゼ調節薬であるmezigdomideとカルフィルゾミブ+デキサメタゾンの併用(MeziKd)は、カルフィルゾミブ+デキサメタゾン(Kd)と比較して無増悪生存期間(PFS)の有意な延長をもたらし、感染症を含むGrade3または4の有害事象の頻度が高いものの管理可能であることが、ギリシャ・アテネ大学のMeletios A. Dimopoulos氏らが実施した「SUCCESSOR-2試験」の中間解析で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2026年6月14日号に掲載された。
26ヵ国の無作為化対照比較第III相試験
SUCCESSOR-2試験は、日本を含む26ヵ国160施設で実施した非盲検無作為化対照比較第III相試験(Bristol Myers Squibbの助成を受けた)。
2023年2月~2025年11月に、測定可能な多発性骨髄腫を有し、少なくとも1つの治療レジメン(抗CD38抗体薬およびレナリドミドを含む)による前治療歴があり、その治療で最小奏効(minimal response)以上を達成し、直近の治療中または治療後に病勢の進行が確認された成人患者を登録した。
被験者479例(年齢中央値68歳[四分位範囲[IQR]:61~75]、女性227例[47%]、アジア人147例[31%])を、MeziKdを受ける群(288例)またはKdのみを受ける群(191例)に無作為に割り付けた。
主要評価項目は、PFSとし、独立審査委員会が評価した。
PFSが2倍以上に、全奏効も良好
ベースラインで479例中120例(25%)が75歳以上で、診断後の経過期間中央値は4.5年(IQR:2.5~7.3)であった。411例(86%)が抗CD38抗体薬抵抗性、363例(76%)がレナリドミド抵抗性で、前治療ライン数中央値は2(IQR:2~4、範囲:1~9)であり、127例(27%)が前治療ライン数4以上であった。
追跡期間中央値10.6ヵ月の時点で、PFS中央値は、Kd群8.3ヵ月に対し、MeziKd群は18.0ヵ月と有意に延長した(ハザード比[HR]:0.48、95%信頼区間[CI]:0.36~0.63、p<0.0001)。
また、完全奏効以上は、MeziKd群77例(27%)、Kd群17例(9%)(群間差:18%、95%CI:11~24)、非常によい部分奏効以上は、それぞれ173例(60%)および59例(31%)(群間差:29%、95%CI:20~37)であり、全奏効(部分奏効以上)は、231例(80%)および102例(53%)(群間差:27%、95%CI:18~35)で達成された。
今回の中間解析時において、死亡はMeziKd群の22%(62/288例)、Kd群の27%(51/191例)で報告された(HR:0.79、95%CI:0.54~1.15)。
Grade3、4の好中球減少、感染症が多い
Grade3または4の有害事象は、MeziKd群で241例(84%)、Kd群で105例(56%)に認められ、好中球減少(176例[61%]、17例[9%])および感染症(98例[34%]、29例[16%])の頻度が高かった。Grade3または4の好中球減少は、アジア(81%[71/88例])に比べ米国(44%[12/27例])および欧州(46%[50/109例])で頻度が低かった。これらの多くは、標準治療および支持療法で管理可能であった。
重篤な有害事象は、MeziKd群で188例(65%)、Kd群で63例(34%)に発現し、肺炎(44例[15%]、12例[6%])の頻度が高かった。また、Grade5の治療関連有害事象は、それぞれ8例(3%)および1例(1%)で報告された(群間差:2%、95%CI:-1~5)。死亡は、MeziKd群で62例(22%)、Kd群で51例(27%)に認められ、その主な原因は病勢の進行であった。
著者は、「経口mezigdomideと静注カルフィルゾミブ+経口または静注デキサメタゾンの併用療法は、地域医療を含む多様な医療現場で広く導入が可能な外来治療の選択肢となる」「これらの知見は、この3剤併用療法が再発・難治性多発性骨髄腫に対する強力で導入しやすい新たな標準治療となることを示すものである」としている。
(医学ライター 菅野 守)