虚血性脳卒中のAF検出、植込み型心電計が有効/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2021/06/14

 

 心房細動(AF)の既往歴のない虚血性脳卒中患者における長期間の心電計によるモニタリング法として、12ヵ月間の植込み型ループレコーダーは30日間の体外式ループレコーダーと比較して、1年間のAF検出率が有意に優れることが、カナダ・アルバータ大学のBrian H. Buck氏らが実施した「PER DIEM試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌2021年6月1日号に掲載された。

アルバータ州の3施設で非盲検無作為化試験

 本研究は、カナダ・アルバータ州の2つの大学病院と1つの地域病院が参加した医師主導の非盲検無作為化試験であり、2015年5月~2017年11月の期間に患者登録が行われた(カナダAlberta Innovates Health Solutions Collaborative Research and Innovations Opportunities[AIHS CRIO]などの助成による)。

 対象は、年齢18歳以上、AFの既往歴がなく、無作為化前の6ヵ月以内に虚血性脳卒中と診断された患者であった。

 被験者は、長期心電図モニタリング法として、植込み型ループレコーダーを装着し遠隔モニタリングを行う(Reveal LINQ、Medtronic製)群、または体外式ループレコーダー(SpiderFlash-t、Sorin製)を装着する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。参加者は、フォローアップのために、30日、6ヵ月、12ヵ月後に受診した。

 主要アウトカムは、definite AFまたはhighly probable AF(無作為化から12ヵ月以内に、2分以上持続する新たなAFと判定された場合)の発現とした。

主要アウトカム:15.3% vs.4.7%

 300例が登録され、両群に150例ずつが割り付けられた。全体の年齢中央値は64.1歳(IQR:56.1~73.7)、121例(40.3%)が女性で、66.3%がCHA2DS2-VAScスコア(0~9点、点数が高いほど虚血性脳卒中の年間リスクが高い)中央値4(IQR:3~5)の原因不明の脳卒中であった。このうち273例(91.0%)が24時間以上の心臓モニタリングを完了し、259例(86.3%)が割り付けられたモニタリングと12ヵ月後のフォローアップ受診を完遂した。

 主要アウトカムは、植込み型ループレコーダー群が15.3%(23/150例)で検出され、体外式ループレコーダー群の4.7%(7/150例)に比べ、有意に高率であった(群間差:10.7%、95%信頼区間[CI]:4.0~17.3、リスク比:3.29、95%CI:1.45~7.42、p=0.003)。

 事前に規定された8つの副次アウトカムのうち6つには有意差が認められなかった。すなわち、無作為化から2分間以上持続するAFの初回検出までの時間(年齢と性別で補正したハザード比[HR]:3.36、95%CI:1.44~7.84、p=0.005、log-rank検定のp=0.002)と、12ヵ月以内のAFの検出と死亡の複合(植込み型17.3% vs.体外式6.7%、群間差:10.7%、95%CI:3.4~17.9、p=0.007、補正後HR:2.64、95%CI:1.27~5.49、p=0.009)は植込み型ループレコーダー群で良好であったが、虚血性脳卒中再発(3.3% vs.5.3%、群間差:-2.0%、95%CI:-6.6~2.6)、頭蓋内出血(0.7% vs.0.7%、群間差:0%、95%CI:-1.8~1.8)、死亡(2.0% vs.2.0%、群間差:0%、95%CI:-3.2%~3.2%)、デバイス関連の重篤な有害事象(0.7% vs.0%)などには両群間に差はなかった。

 著者は、「これらのモニタリング戦略に関連する臨床アウトカムや相対的な費用対効果を比較するには、さらなる研究を要する」としている。

(医学ライター 菅野 守)