デュラグルチドが2型DMの腎アウトカム改善/Lancet

提供元:
ケアネット

デュラグルチドが2型DMの腎アウトカム改善/Lancetのイメージ

 デュラグルチド(商品名:トルリシティ)は、Stage3/4の慢性腎臓病患者において、1年後の推算糸球体濾過量(eGFR)の低下を軽減することが報告されている。カナダ・マックマスター大学のHertzel C. Gerstein氏らREWIND試験の研究グループは、今回、同試験の探索的解析として、デュラグルチドの長期使用による2型糖尿病患者の腎アウトカムへの影響を検討し、プラセボと比較して有意な改善効果が得られることを示した。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2019年6月10日号に掲載された。本試験では、既存の血糖降下レジメンへのデュラグルチドの追加により、2型糖尿病患者の心血管イベントのリスクが低減することが確認されている。

顕性アルブミン尿、eGFRの30%以上の低下、腎代替療法を評価
 本研究は、心血管リスク因子を有し、HbA1cが広範囲にわたる2型糖尿病の中年~高齢患者の血糖コントロールにおけるデュラグルチドの有用性を検討する、二重盲検プラセボ対照無作為化試験「REWIND試験」の探索的解析である(Eli Lilly and Companyの助成による)。

 対象は、年齢50歳以上、BMI≧23で、2剤以内の安定用量の経口血糖降下薬を服用している2型糖尿病(HbA1c≦9.5%、下限値は設けない)で、心血管イベントの既往または心血管リスク因子を有する患者であった。

 被験者は、デュラグルチド(1.5mg)またはプラセボを毎週1回皮下注射する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。少なくとも6ヵ月ごとに、アウトカムの評価のためのフォローアップが行われた。また、12ヵ月ごとに、尿検査と血清学的検査を実施し、尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)およびeGFRを推算した。

 探索的解析として、細小血管症の複合アウトカムのうち腎関連項目(新規の顕性アルブミン尿[UACR>33.9mg/mmol]の初回発現、eGFRのベースラインから30%以上の持続的低下、持続的腎代替療法[透析、腎移植])の評価を行った。

複合腎アウトカム:17.1% vs.19.6%(p=0.0004)
 2011年8月~2013年8月の期間に24ヵ国371施設で9,901例が登録され、デュラグルチド群に4,949例(平均年齢66.2歳(SD 6.5)、女性46.6%、平均HbA1c 7.3%[SD 1.1])、プラセボ群には4,952例(66.2歳(SD 6.5)、46.1%、7.4%[1.1])が割り付けられた。ベースライン時に、791例(7.9%)が顕性アルブミン尿を発症しており、平均eGFR値は76.9(SD 22.7)mL/分/1.73m2であった。

 フォローアップ期間中央値5.4年(IQR:5.1~5.9)の時点(5万1,820人年)で、腎アウトカムはデュラグルチド群が848例(17.1%、3.5件/100人年)で発現したのに対し、プラセボ群は970例(19.6%、4.1件/100人年)と、デュラグルチド群が15%有意に少なかった(ハザード比[HR]:0.85、95%信頼区間[CI]:0.77~0.93、p=0.0004)。

 最も明確なデュラグルチドの効果を認めたのは、顕性アルブミン尿の抑制効果(HR:0.77、95%CI:0.68~0.87、p<0.0001)であり、eGFRの30%以上の持続的低下(0.89、0.78~1.01、p=0.066)と持続的腎代替療法(0.75、0.39~1.44、p=0.39)には有意差はみられなかった。

 重篤な腎有害事象の発現率は、両群間に有意差を認めなかった(デュラグルチド群1.7% vs.プラセボ群1.9%、HR:0.90、95%CI:0.67~1.20、p=0.46)。

 著者は、「今後、ベースライン時に腎機能が保持された患者や低下した患者において、デュラグルチドの腎機能への影響の特性をさらに明らかにするために、大規模な前向き試験を行う必要がある」としている。

■「デュラグルチド」関連記事
デュラグルチドのREWIND試験は1次予防の壁を越えるか

(医学ライター 菅野 守)

専門家はこう見る:CLEAR!ジャーナル四天王

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)

会員の方へ