オステオペニアへのゾレドロン酸、骨折リスクを低減/NEJM

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2018/12/27

 

 オステオペニアの高齢女性に対して、ゾレドロン酸の18ヵ月ごと投与はプラセボと比較して、長期の非脊椎・脊椎脆弱性骨折リスクを有意に低減することが示された。ニュージーランド・オークランド大学のIan R. Reid氏らが、2,000例を対象に行った6年間にわたる無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果で、NEJM誌2018年12月20日号で発表した。閉経後女性における骨折の大半が、オステオペニアを有する女性で発生するため、そうした女性に対する効果的な治療法が必要とされている。ビスホスホネートは、骨粗鬆症患者の骨折を予防するが、オステオペニアの女性における有効性は不明だった。

ゾレドロン酸5mgを18ヵ月ごと4回投与
 研究グループは、股関節全体または左右どちらかの大腿骨頸部Tスコアが-1.0~-2.5のオステオペニアが認められる、65歳以上の高齢女性2,000例を対象に試験を行った。

 被験者を無作為に2群に分け、一方にはゾレドロン酸5mgを、もう一方には生理食塩水(プラセボ)を、それぞれ18ヵ月ごとに4回静注投与した。

 両群被験者に対し、食事性カルシウムを1日1g量摂取するよう助言する一方、カルシウムサプリメントは投与しなかった。ビタミンDサプリメントを摂取していなかった被験者には、コレカルシフェロールを、試験開始前(2.5mg単回投与)と試験期間中(1.25mg/月)に投与した。

 主要評価項目は、非脊椎・脊椎の脆弱性骨折の初回発生までの期間だった。

1例の骨折予防の治療必要数は15
 被験者のベースラインでの平均年齢(±SD)は71±5歳、大腿骨頸部の平均Tスコアは-1.6±0.5、股関節骨折10年リスクの中央値は2.3%だった。

 脆弱性骨折の発生が認められたのは、プラセボ群190例に対し、ゾレドロン酸群は122例だった(ハザード比[HR]:0.63、95%信頼区間[CI]:0.50~0.79、p<0.001)。1例の骨折を予防するための治療必要数は15だった。

 プラセボ群に比べゾレドロン酸群は、脊椎以外の脆弱性骨折(HR:0.66、p=0.001)、症候性骨折(HR:0.73、p=0.003)、脊椎骨折(オッズ比:0.45、p=0.002)、身長低下(p<0.001)について、リスクの低下が認められた。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)