経鼻インフルエンザワクチン、卵アレルギー児も接種可?/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2015/12/25

 

 卵アレルギーのある未成年者(2~18歳)を対象に、卵成分を含む弱毒生インフルエンザワクチン(LAIV)の安全性について検討した結果、卵アレルギーのある児でLAIVによる全身性アレルギー反応が起きるリスクは低く、またコントロール良好な喘息児への同接種について忍容性が認められるとの見解が示された。英国インペリアル・カレッジ・ロンドンPaul J Turner氏らが国内30施設778例を対象とした非盲検第IV相介入試験の結果、報告した。英国では小児予防ワクチンスケジュールに経鼻LAIVが導入されたが、卵アレルギーは頻度が高く、就学前児童では2~6%に及ぶとされる。卵アレルギーや喘息を有する未成年者へのLAIV接種に関する安全性データは限定的で、ガイドラインの中には、喘息持ちの5歳未満児でのLAIV接種は避けるよう勧告するものもあった。BMJ誌オンライン版2015年12月8日号掲載の報告。

卵アレルギーのある中央値5.3歳779例について検証
 試験は2014年9月~2015年2月のインフルエンザシーズンに行われた。英国30施設で卵アレルギーのある2~18歳の779例(年齢中央値5.3歳、65.2%が男子)を集め、LAIVを接種した。被験者のうち270例(34.7%)は卵アナフィラキシー歴があり、157例(20.1%)は呼吸器系/心血管系の症状を経験したことがあった。また、445例(57.1%)が、医師による喘息または反復性喘鳴との診断歴があった。

 被験者は、ワクチン接種後少なくとも30分間観察され、72時間後に電話でフォローアップを受けた。喘息/反復性喘鳴歴のある児はさらに4週間後にもフォローアップを受けた。

 主要評価項目は、卵アレルギーのある未成年者へのワクチン接種後2時間以内の有害事象の発生率とした。また、副次アウトカムとして、LAIV接種後72時間までの後発症状の発生率(非アレルギー関連含む)、喘息/反復性喘鳴のある児の喘息コントロールスコアの接種前と接種1ヵ月後の変化などを評価した。

全身性アレルギー反応は報告なし
 結果、全身性アレルギー反応は報告されなかった(95%信頼区間[CI]上限値は全集団で0.47%、卵アナフィラキシーがあった児で1.36%)。9例が軽度の症状を報告したが、局所的なIgE型アレルギー反応であった。

 ワクチン接種の後発症状と思われる報告は221例であった。72時間以内の下気道症状の報告は62例(8.1%、全集団の95%CI:6.3~10.3%)であった(29例は両親が喘鳴と報告)。

 入院となった被験者はいなかった。また、4週時点までに、喘息コントロールテストの評価に基づく下気道症状の増大はみられなかった。

 今回の試験について著者は、「被験者が2次、3次の医療センターからも参加しており、専門的評価を必要とする、より重症のアレルギーを有していた被験者もいたことを考慮すべき」と指摘したうえで、「卵アレルギーを有する未成年者において、LAIVによる全身性アレルギー反応を引き起こすリスクは低い。また喘息/反復性喘鳴のコントロール良好な未成年者において、忍容性は良好のようである」とまとめている。

(医療ライター 武藤 まき)

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コメンテーター : 小金丸 博( こがねまる ひろし ) 氏

東京都健康長寿医療センター 感染症内科医長

J-CLEAR推薦コメンテーター