過去10年の院内心停止後の生存率、年率4%で増加の傾向が明らかに/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2012/11/29

 

 米国における2000~2009年の、院内心停止後の生存率は年率4%の増加傾向を示す一方で、生存者の神経障害発症率は年率2%の減少傾向にあることが明らかにされた。米国・アイオワ大学のSaket Girotra氏らが、約8万5,000人の院内心停止患者を追跡し明らかにしたもので、NEJM誌2012年11月15日号で発表した。近年、蘇生ケアは改善してきているものの、院内心停止後の生存率や神経障害発症率の改善傾向については明らかではなかった。

初期リズムが心停止・無脈性電気活動が全体の8割
 研究グループは、2000~2009年にかけて、米国心臓協会(AHA)Get with the Guidelines-Resuscitation registryに参加する374の病院で、院内心停止を起こした8万4,625人について調査を行った。主要アウトカムは、リスク補正後生存退院率の経時的変化傾向だった。また、そうした変化傾向の要因について、救急蘇生時または蘇生後ケアの、改善によるものなのかについても分析した。さらに生存者の神経障害発症率も調べた。

 被験者のうち79.3%が初期リズムが心静止または無脈性電気活動であり、20.7%が心室細動または無脈性心室頻拍だった。調査期間中、心静止または無脈性電気活動による心停止の割合には増加傾向がみられた(傾向に関するp<0.001)。

生存退院率は14%から22%に増加、神経障害発症率は33%から28%へ減少
 補正後の生存退院率は、2000年の13.7%から2009年の22.3%へと上昇したことが認められた(補正後年率比:1.04、95%信頼区間:1.03~1.06、傾向に関するp<0.001)。

 生存率の改善傾向は、2つの初期リズムで同等で、救急蘇生時と蘇生後のケアの両者の改善によるものだった。

 生存者の臨床的神経障害発症率については、2000年には32.9%であったが2009年には28.1%と減少していた(補正後年率比:0.98、同:0.97~1.00、傾向に関するp=0.02)。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)