単純ヘルペスワクチン、HSV-1型とHSV-2型で有効性に違い

提供元:ケアネット

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公開日:2012/01/18

 



単純ヘルペスウイルス(HSV)ワクチンの有効性について、HSV-1型とHSV-2型への有効性に違いがあることが報告された。米国・セントルイス大学のRobert B. Belshe氏らが、両タイプ血清陰性の一般女性8,300例超を対象に、糖蛋白Dを含有するHSV-2サブユニットワクチンの有効性を検討した試験の結果で、HSV-1型の予防には効果が認められたが、HSV-2型の予防に対する有効性は認められなかったという。同ワクチンについての2つの先行研究(HSV抗体陽性と陰性の男女カップル対象、どちらが陽性かは問わない)では、抗体陰性の女性では、性器ヘルペス予防に関してタイプを問わず有効性が認められていた(HSV-1型73%、HSV-2型74%)。一方で、男性と、HSV-1型血清陽性の女性では有効性が認められていなかった。NEJM誌2012年1月5日号掲載報告より。

HSV-1型とHSV-2型の抗体陰性女性対象に二重盲検試験を実施




Belshe氏らは、米国40施設、カナダ10施設から登録した、HSV-1型とHSV-2型ともに抗体陰性だった18~30歳の女性8,323例を対象に、無作為化二重盲検有効性実地試験を行った。

一部の被験者に対して、0、1、6ヵ月で、本試験HSVワクチン(HSV-2由来の糖蛋白D 20μgと、アジュバントとしてミョウバンと3-o脱アシル化モノホスホリル脂質Aを含む)を接種し、対照被験者には、A型肝炎予防ワクチンを720 ELISA(酵素免疫吸着検定法)単位で接種した。

主要エンドポイントは、2ヵ月後(2回目接種の1ヵ月後)から20ヵ月後の間におけるHSV-1またはHSV-2いずれかによる性器ヘルペスの発症とした。
HSV-2関連疾患・感染の予防には有効性認められず




HSVワクチン接種群(3,798例)では、対照ワクチン群(3,076例)と比べて、局所反応のリスク増加が認められ、HSV-2に対するELISAおよび中和抗体を誘導した。

全体として、HSVワクチンの有効性は認められなかった。性器ヘルペスに対する有効性は20%(95%信頼区間:-29~50)であった。しかし、HSV-1型の性器ヘルペスに対する有効性は58%(同:12~80)だった。

感染に対する有効性(疾患発症の有無にかかわらず)は、HSV-1型に対しては35%(同:13~52)だった。しかしHSV-2型では-8%(同:-59~26)で有効性は観察されなかった。

(朝田哲明:医療ライター)