睡眠不足の小児、体脂肪量増加による過体重のリスク増大

提供元:ケアネット

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公開日:2011/06/17

 



睡眠時間が短い小児は過体重となるリスクが増大していることが、ニュージーランド・オタゴ大学のPhilippa J Carter氏らが行ったFLAME試験で示され、BMJ誌2011年6月4日号(オンライン版2011年5月26日号)で報告された。体重増加の原因としては、除脂肪体重の増加ではなく、むしろ脂肪蓄積の増大の影響が大きいという。子どもの睡眠不足が体重増加を招くとの指摘は多いが、最近の縦断的研究は睡眠時間や身体活動の客観的な反復測定を行っておらず、交絡変数の調整にもばらつきがみられるなどの限界があり、成長期の睡眠不足と体脂肪量、除脂肪量の変化の関連を評価した検討はないという。

睡眠、身体活動、体脂肪量、除脂肪量を客観的に反復測定




FLAME(Family Lifestyle, Activity, Movement and Eating)試験は、小児における睡眠時間の短縮と体格指数(BMI)、体脂肪量との関連の評価を目的に、反復測定に基づいて行われた縦断的研究である。

ニュージーランド、ダニーデン市で、2001年7月19日~2002年1月19日までに出生した新生児コホートから選択基準を満たした413人が選出され、そのうち244人(59%)が参加した(女児44%、白人83%、3歳時の平均身長:95.5cm、平均体重:15.7kg、平均BMI:17.1)。3歳から7歳となるまで、6ヵ月ごとに大学のクリニックで診察を行った。

BMI、生体電気インピーダンス法および二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)による体脂肪量、除脂肪量の測定、加速度測定法による身体活動と睡眠時間の測定、質問票を用いて食事の摂取状況(果物や野菜、非主要食品)、テレビ視聴時間、家族因子(母親のBMIや教育歴、出生時体重、妊娠中の喫煙)の測定を行った。

睡眠1時間延長でBMIが0.48減少




多数の交絡因子を調整したところ、3~5歳時に睡眠時間が1時間延長するごとにBMIが0.48(95%信頼区間:0.01~0.96)ずつ減少し、7歳時の過体重(BMI≧85パーセンタイル)リスクが0.39(同:0.24~0.63)ずつ低下することが示された。3歳時のBMIについてさらなる調整を行うと、これらの相関関係はいっそう強化された。

このようなBMIの変化が生じる理由として、除脂肪量インデックス(-0.21、95%信頼区間:-0.41~0.00)よりも体脂肪量インデックス(-0.43、同:-0.82~-0.03)の変化の影響が大きかった。

著者は、「睡眠が十分でない小児は、多数の交絡因子で調整後も過体重となるリスクが増大しており、その原因は男女とも、除脂肪体重の増加よりも、むしろ脂肪蓄積の増大によると考えられた」と結論している。

(菅野守:医学ライター)