中等度~高度のアルツハイマー型認知症に対するドネペジル+メマンチンの有効性・安全性の検討 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/06/07 Doody氏らは中等度~高度のアルツハイマー型認知症(AD)に対しドネペジル23㎎/日または10㎎/日を実施した大規模多施設試験に参加した患者に対し、メマンチンを併用した際の有効性および安全性を検討した。Dement Geriatr Cogn Disord 誌オンライン版2012年5月10日掲載の報告。24週の無作為化二重盲検比較試験のデータを事前に分析し、ドネペジルの用量をランダム化したうえでメマンチン投与の有無にて層別化した。有効性および安全性はドネペジルの用量ごとにメマンチンの併用の有無により評価した。主な結果は以下のとおり。 ・高度AD患者ではメマンチンの併用の有無にかかわらず、ドネペジル23㎎/日群で有意な認知機能への影響を示した(p<0.01、ベースライン値、地域、治療などで調整し、共分散分析[ANCOVA]にて解析)。・ドネペジル23㎎/日群では全般機能、SMMSE(認知機能の指標)、日常生活の活動性において、メマンチン投与の有無による影響はなかった。・有害事象の発現率はドネペジル23㎎/日+メマンチン群で80.7%、ドネペジル23㎎/日単独群で69.7%、ドネペジル10㎎/日+メマンチン群で66.7%、ドネペジル10㎎/日単独群で62.0%であった。また、有害事象の重症度は大部分が軽度であり、高度AD患者では中等度であった。・重篤な有害事象の発現率はメマンチンの投与にかかわらず低かった(<1.0%)。(ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・わが国の認知症有病率は従来の報告よりかなり高い:第53回日本神経学会学術大会より ・認知症患者の興奮症状に対するメマンチンの効果を検討 ・明確な “人生目標”をもつことが認知症の予防に 原著論文はこちら Doody RS, et al. Dement Geriatr Cogn Disord. 2012; 33: 164-173. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25)