レム睡眠潜時の増長がアルツハイマー病のマーカーとなる可能性

提供元:HealthDay News

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公開日:2025/04/01

 

 レム睡眠潜時の増長は、アルツハイマー病およびアルツハイマー病関連認知症(AD/ADRD)のマーカーとなり得るという研究結果が、「Alzheimer's & Dementia」に1月27日掲載された。

 中日友好病院(中国)のJiangli Jin氏らは、睡眠構造とAD/ADRDとの関係を調査するため、成人128人(アルツハイマー病64人、軽度認知障害41人、正常認知機能23人)を登録した。対象者は睡眠ポリグラフ検査、アミロイドβ(Aβ)PET検査、血漿バイオマーカー分析(p-tau181、ニューロフィラメント軽鎖、脳由来神経栄養因子〔BDNF〕を含む)を受けた。

 人口統計学的特性、アポリポ蛋白Eε4の状態、認知機能、併存疾患で調整した解析の結果、レム睡眠潜時が最長の最高三分位群は、最低三分位群と比較して、Aβ負荷の上昇、p-tau181の上昇、BDNFレベルの低下との関連が認められた(それぞれβ=0.08、0.19、-0.47)。

 著者らは、「レム睡眠潜時の増長は、Aβ蓄積および血漿p-tau181の上昇、BDNFレベルの低下など、AD/ADRDの主な病態生理学と関連していた。これらの病理学的変化は通常、臨床症状に10年以上先行するため、われわれの研究結果は、AD/ADRDの早期発見および介入におけるレム睡眠の関与に関し、新たな洞察をもたらす可能性がある」と述べている。

 なお1人の著者が、バイオ製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。

[2025年1月27日/HealthDayNews]Copyright (c) 2025 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら