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治療抵抗性統合失調症の発生率はどのくらい?

提供元:ケアネット

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公開日:2026/08/28

 

 治療抵抗性統合失調症の真の発生率は、依然として不明である。その主な理由は、過去の研究が不均一な定義やレトロスペクティブ評価に依存していたことにあると考えられる。Treatment Response and Resistance in Psychosis(TRRIP)コンセンサス基準が標準化されたが、これがプロスペクティブに適用されることはまれであった。英国・リバプール大学のDan W. Joyce氏らは、大規模な地域ベースの臨床試験において、操作的に定義されたTRRIP基準を用い、治療抵抗性統合失調症の発生率をプロスペクティブに推定した。また、ベースライン時の人口統計学的変数や臨床的変数が治療抵抗性統合失調症の発生を予測するかどうかを検討した。BJPsych Open誌2026年7月20日号の報告。

 Clinical Antipsychotic Trials of Intervention Effectiveness(CATIE)試験に登録された慢性統合失調症患者1,334例を対象に、TRRIP基準を適用した。治療抵抗性統合失調症の定義は、TRRIPが定める期間・用量・服薬順守の閾値を満たす適切な抗精神病薬治療を2回行った後も、症状および機能障害が持続している状態とした。治療抵抗性統合失調症の発生率は、ブートストラップ法を用いて推定した。ベースライン変数と治療抵抗性統合失調症の発生との関連は、ロジスティック回帰分析により検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・慢性統合失調症患者1,334例のうち、782例(58.6%)がベースライン時点でTRRIPの絶対的症状閾値を満たしていた。
・フォローアップ期間中、治療抵抗性統合失調症の全基準を満たした患者は77例(9.8%)であった。
・治療抵抗性統合失調症の発生率は、全体で100人年当たり5.68(95%信頼区間[CI]:4.51〜7.02)、閾値を超えていた患者では100人年当たり9.20(95%CI:7.43〜11.39)であった。
・ベースライン時の陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)の陽性および陰性サブスケールスコアが高いこと、疾患の全体的な重症度が高いことが治療抵抗性統合失調症と関連していたが、その予測能は低かった。

 著者らは「ランダム化比較試験のデータセットに対してTRRIP基準をプロスペクティブに適用した本研究は、治療抵抗性統合失調症の発生率に関する確実な推定値を提供するものである。日常的な臨床変数や人口統計学的変数の予測能は限定的であり、TRRIPに準拠した枠組みを用いた、生物学的知見に基づく縦断的研究の必要性が裏付けられた」としている。

(鷹野 敦夫)