統合失調症患者の体重管理に有効な薬理学的介入は?

提供元:ケアネット

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公開日:2026/08/20

 

 著しい体重増加は、統合失調症患者が抗精神病薬の服用に伴って経験する懸念すべき有害事象である。統合失調症患者における体重増加の高い有病率と、それが心血管・代謝系疾患の罹患に大きく寄与しているという事実から、抗精神病薬誘発性体重増加および関連する併存疾患の管理について、より明確な合意を形成することが求められている。カナダ・トロント大学のNicolette Stogios氏らは、抗精神病薬治療を受けている統合失調症患者に対する薬物療法と体重変化との関連を評価するため、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2026年7月8日号の報告。

 2025年12月5日までに公表された研究を、Ovid MEDLINE、Embase、PsycINFO、CENTRAL、CINAHL、ClinicalTrials.gov、ICTRP Search Portalより検索した。対象は、抗精神病薬治療を受けている統合失調症患者の体重減少を目的としたあらゆる薬物療法を検討したランダム化臨床試験であった。なお、研究期間に関する制限は設けなかった。システマティックレビューおよび頻度論的ランダム効果モデルを用いたネットワークメタ解析を実施した。エビデンスの確実性は、CINeMAツールを用いて評価した。データ解析は、初回実施期間が2025年5~11月で、同年12月に更新した。主要評価項目は、薬物療法とプラセボまたは標準的ケアとの比較における体重変化とした。副次評価項目に、その他の身体計測指標および代謝関連指標を含めた。

 主な結果は以下のとおり。

・本レビューには、39種類の薬物療法を検討した95件の研究が含まれた(統合サンプルサイズ:5,898例)。
・ネットワークメタ解析の結果、プラセボと比較し、最も顕著な体重減少に関連していた薬剤は次のとおりであった。
【セマグルチド】平均差[MD]:-10.98kg(95%信頼区間[CI]:-13.33~-8.62)、3研究、確実性:中程度
【リラグルチド】MD:-5.43kg(95%CI:-8.54~-2.33)、2研究、確実性:中程度
【トピラマート】MD:-3.95kg(95%CI:-5.89~-2.02)、5研究、確実性:中程度
【メトホルミン】MD:-3.86kg(95%CI:-5.02~-2.70)、16研究、確実性:中程度
【エキセナチド】MD:-2.97kg(95%CI:-5.83~-0.11)、3研究、確実性:中程度
・ラメルテオン、ニザチジン、アリピプラゾールといった他の介入も体重減少効果が認められたが、エビデンスの確実性はきわめて低かった。
・臨床的に意義のある5%以上の体重変化は、セマグルチドおよびメトホルミンで認められた。
・いくつかの薬剤では、他の代謝関連アウトカムに対する有益な効果も確認され、介入間で消化器系の有害事象や試験からの早期離脱に関する重大な懸念は認められなかった。

 著者らは「本システマティックレビューおよびネットワークメタ解析により、抗精神病薬治療を受けている統合失調症患者に対する薬物療法において、体重関連アウトカムに大きなばらつきがあることが明らかとなった。セマグルチド、リラグルチド、トピラマート、メトホルミン、エキセナチドは、最も大きな体重減少に関連し、最も確実性の高いエビデンスに裏付けられていた。これらの結果は、抗精神病薬に関連する体重増加を管理する臨床医にとっての指針となるものである」としている。

(鷹野 敦夫)