TN乳がん1次治療のDato-DXd、QOL悪化までの期間を延長(TROPION-Breast02)/ESMO BREAST 2026

提供元:ケアネット

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公開日:2026/05/14

 

 免疫チェックポイント阻害薬の適応とならない局所進行切除不能または転移を有する未治療のトリプルネガティブ乳がんを対象とした第III相TROPION-Breast02試験において、抗TROP2抗体薬物複合体であるダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd)は、化学療法と比較してQOL悪化までの期間を延長したことを、英国・Barts Cancer InstituteのPeter Schmid氏が欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2026、5月6~8日)で報告した。

 これまでの解析では、Dato-DXdが治験責任医師選択化学療法(パクリタキセル、nab-パクリタキセル、カペシタビン、エリブリン、カルボプラチン)と比較して、主要評価項目である全生存期間および無増悪生存期間において統計的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示したことが報告されている。今回報告された患者報告アウトカム(PRO)解析では、全般的健康状態/QOL(GHS/QoL)、身体機能、疼痛、乳房症状、上肢症状について、初回悪化までの期間(time to first deterioration:TTFD)および悪化が確認されるまでの期間(time to confirmed deterioration:TTCD)などを評価した。PROは主としてEORTC QLQ-C30、EORTC Item Library(IL146、IL116)を用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・合計644例がDato-DXd群または化学療法群に1対1で無作為に割り付けられた。
・GHS/QOL悪化までの期間は、Dato-DXd群のほうが化学療法群よりも有意に長かった。中央値とハザード比(HR)、95%信頼区間(CI)は以下のとおり。
 -TTFD 23.5ヵ月vs.8.3ヵ月(HR:0.64[95%CI:0.46~0.88])
 -TTCD 未到達vs.29.0ヵ月(HR:0.61[95%CI:0.41~0.91])
・身体機能についてもDato-DXd群で悪化リスクの有意な低下が認められた。
 -TTFD 10.4ヵ月vs.4.1ヵ月(HR:0.67[95%CI:0.51~0.90])
 -TTCD 24.9ヵ月vs.9.0ヵ月(HR:0.59[95%CI:0.42~0.83])
・上肢症状についてもDato-DXd群で悪化リスクの有意な低下が認められた。
 -TTFD 未到達vs.12.5ヵ月(HR:0.51[95%CI:0.35~0.75])
 -TTCD 両群とも未到達(HR:0.48[95%CI:0.30~0.76])
・疼痛および乳房症状についてもDato-DXd群で悪化リスクの低下傾向がみられたものの、統計学的有意差は認められなかった。
・患者報告による症候性有害事象および治療忍容性は、主解析における医師報告の安全性プロファイルとおおむね一致していた。

(ケアネット 森)