うつ病治療戦略、第2世代抗精神病薬増強療法はどのタイミングで検討すべきか

提供元:ケアネット

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公開日:2026/05/13

 

 重篤な疾患を有する患者では、うつ病が頻繁に認められる。重篤な疾患に合併するうつ病は、日常生活に支障を来し、多くの場合、迅速な改善が求められる。従来の抗うつ薬では、効果が現れるまでに数週間かかることが課題となっていたが、第2世代抗精神病薬(SGA)は、一般的な精神疾患患者において、より迅速な効果発現と強力な増強効果を示すことが示唆されている。米国・エモリー大学のGregg Robbins-Welty氏らは、一般的な精神疾患および重篤な疾患を有する患者のうつ病に対するSGAの単剤療法および増強療法としての使用に関するエビデンスのレビューを実施した。Journal of Pain and Symptom Management誌オンライン版2026年3月21日号の報告。

 主な内容は以下のとおり。

・精神医学的エビデンスでは、SGAの増強療法は、奏効率および寛解率を改善し(オッズ比:1.34~2.93、治療必要数:7~13)、その効果は1~2週間以内に認められた。
・単剤療法は、忍容性が低く、ガイドラインでは推奨されていなかった。
・重篤な疾患を有する患者におけるうつ病に対するSGAの有効性を特異的に評価したランダム化比較試験は存在しなかった。しかし、多くの悪性腫瘍の臨床試験において、悪心、食欲不振、その他の症状に対するSGAの安全性が支持されていた。
・重篤な疾患に特化した精神医学的臨床試験は実施されていなかった。しかし、SGAは増強療法の中で最も強力なエビデンスを有しており、予後や症状の重症度から迅速な改善が求められる場合には、好影響をもたらす可能性が示唆された。

 著者らは「SGAの増強療法は、複数の抗うつ薬が無効であった場合だけでなく、早期に低用量での導入を検討すべきである。とくに、SGAは緩和ケアに関連して併発する身体症状にも効果を発揮する可能性がある」としている。

(鷹野 敦夫)