高齢者におけるベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZD)の中止では、さまざまな阻害要因が存在する。これら阻害因子を特定し、優先順位付けすることは、BZDを中止するための効率的な介入方法を作成するうえで不可欠である。ベルギー・Universite Catholique de LouvainのVladyslav Shapoval氏らは、高齢者におけるBZD中止の阻害因子およびBZDの減量または中止に対する意欲に関連する因子を特定するため、横断調査を実施した。Age and Ageing誌2025年11月28日号の報告。
対象は、欧州6ヵ国の医療機関から募集した睡眠障害の治療のためBZDを使用している65歳以上の高齢者。BZD中止の阻害因子は、行動の個人的および状況的決定要因を体系的に特定する理論的領域フレームワーク(TDF)に基づく27項目の質問票を用いて特定した。分析には、記述統計分析を用いた。患者のBZDの減量または中止への意欲に関連する因子の特定には、多変量ロジスティック回帰分析を用いた。
主な結果は以下のとおり。
・本研究の参加者183例のうち、医師の勧めがあればBZDを減量する意欲があると回答した患者は59.1%、中止する意欲があると回答した患者は42.7%であった。
・参加者の半数は、中止が必要な理由を理解していた。
・多くの参加者において、TDFの複数の領域において阻害因子が特定された。
・阻害要因としては、BZDに対する「高い満足度」「副作用リスクが低い」と認識されていること、「対処スキルや中止能力が限られている」こと、「中止への不安」「医師やソーシャルネットワークからのサポート不足」などが挙げられた。
・TDFの目標、感情、社会的影響といった領域のスコアが高いほど、BZDを減量する意欲が高いことが示された。
・これらの領域に加え、強化、環境的背景、リソースも、中止する意欲が高いことと関連していた。
著者らは「本知見は、高齢者のBZD中止における期間と課題の両方を浮き彫りにしている。約半数の患者は、BZDを中止する意欲があるものの、効果的にBZD中止を行うためには、多くの行動領域にまたがる障壁に対処できる介入が求められる」とまとめている。
(鷹野 敦夫)