食習慣とアルツハイマー病との因果関係を評価するため、中国・The First Affiliated Hospital of Ningbo UniversityのYi Huang氏らは、2サンプルのメンデルランダム化(MR)解析を用いて、本研究を実施した。Food & Function誌2025年2月17日号の報告。
ゲノムワイド関連研究(GWAS)データと並行し、2サンプルのメンデルランダム化解析を用いて、17食品の食習慣とアルツハイマー病リスクとの因果関係を包括的に評価した。結果のロバストを保証するため、単変量MR解析および多変量MR解析の両方を使用した。すべての分析には、逆分散重み付け(IVW)法を用いた。感度分析には、最尤法、MR-RAPS法、MR-Egger法を用いた。
主な結果は以下のとおり。
・単変量MR解析では、アルツハイマー病リスク上昇と有意な関連が認められた食品は、加工肉、鶏肉、牛肉であった。
【加工肉】オッズ比(OR):1.26、95%信頼区間(CI):1.01〜1.59、p=0.044
【鶏肉】OR:2.06、95%CI:1.18〜3.59、p=0.011
【牛肉】OR:1.79、95%CI:1.25〜2.57、p=0.002
・感度分析では、加工肉、鶏肉、牛肉の摂取との関連は、各方法において一貫しており、正の相関を示すことが明らかとなった。
・多変量MR解析では、うつ病を調整した後、加工肉、鶏肉、牛肉の摂取量と正の相関(有意または傾向)が確認された。
【加工肉摂取量】OR:1.376、95%CI:1.015〜1.864、p=0.040
【鶏肉摂取量】OR:2.174、95%CI:1.205〜3.922、p=0.010
【牛肉摂取量】OR:1.428、95%CI:0.866〜2.355、p=0.163
著者らは「加工肉、鶏肉、牛肉の摂取は、アルツハイマー病リスクと相関していることが明らかとなった」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)