日本人統合失調症患者の下剤使用開始と関連する要因は

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2023/10/18

 

 抗精神病薬の一般的な副作用の1つに便秘がある。しかし、便秘をターゲットとした研究は、これまで行われていなかった。獨協医科大学の川俣 安史氏らは、同じ統合失調症患者を20年間さかのぼり、下剤使用開始と関連する要因を特定しようと試みた。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2023年9月12日号の報告。

 2021年4月より各病院に通院する統合失調症患者14例を登録した。対象患者の2016、11、06、01年4月1日時点でのすべての処方箋データをレトロスペクティブに収集した。下剤の使用頻度の違いと傾向を特定するため、Bonferroni補正コクランQ検定およびコクラン・アーミテージ検定を用いた。20年にわたる下剤使用開始と関連する要因を評価するため、多変量ロジスティック回帰分析を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・下剤を使用していた患者の割合は、2001年で25.1%、2021年で34.1%であった。
・下剤による治療を受けた患者数は20年で異なり、有意な増加傾向が認められた。
・すべての下剤では、酸化マグネシウム、ルビプロストン、エロビキシバットで治療された患者数には差があり、有意な増加傾向が認められた。
・20年間の下剤使用開始と関連が認められた要因は、女性、年齢、ジアゼパム換算量、レボメプロマジン、オランザピン、クエチアピン、ゾテピン、リチウム、カルバマゼピンの用量であった。

 結果を踏まえ、著者らは「一部の抗精神病薬で治療されている統合失調症患者では、便秘に対する注意深いモニタリングの必要性が示唆された。治療ガイドラインに従い処方の最適化を行うことで、抗精神病薬による便秘を軽減できる可能性がある」としている。

(鷹野 敦夫)