慢性片頭痛の診断率~6ヵ国の比較

米国・アッヴィのAubrey Manack Adams氏らは、世界6ヵ国における慢性片頭痛患者の評価に基づいた詳細調査を実施した。その結果、6ヵ国ともに、片頭痛の過小診断の割合が高いことが示唆された。Cephalalgia誌2023年6月号の報告。
カナダ、フランス、ドイツ、日本、英国、米国において、Webベースの横断的観察コホート研究を実施した。最初のスクリーニング調査では、代表的なサンプルより一般的な健康管理情報を収集し、国際頭痛分類第3版(ICHD-3)基準に基づき片頭痛の有病率を特定した。検証済みの片頭痛特有の評価に基づき詳細調査を行った。
主な結果は以下のとおり。
・スクリーニング調査に回答した9万613人中1万4,492人が片頭痛基準を満たしていた。
・片頭痛基準を満たした人の平均年齢は、40~42歳であった。
・1ヵ月当たりの頭痛日数の中央値の範囲は2.33~3.33日であり、中等度から重度の片頭痛(頭痛障害度評価尺度:MIDAS基準)の割合は、日本の30%からドイツの52%の範囲であった。
・1ヵ月当たりの頭痛日数が15日以上であった割合は、フランスの5.4%から日本の9.5%の範囲であった。
・片頭痛基準を満たした人の診断率は、半数未満であった。
(鷹野 敦夫)
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