心房細動アブレーション後の認知機能障害は一過性

心房細動カテーテルアブレーション後に認知機能障害が報告されているが、長期的に持続するかどうかは不明である。今回、オーストラリア・Royal Melbourne HospitalのAhmed M. Al-Kaisey氏らがアブレーション後12ヵ月間の追跡調査を実施したところ、アブレーション後にみられる認知機能障害は一過性であり、12ヵ月後には完全に回復していたことが示された。JACC Clinical Electrophysiology誌2023年7月号に掲載。
本研究は、1種類以上の抗不整脈薬が無効であった症候性心房細動患者100例を対象にした前向き研究で、継続的な内科的治療または心房細動カテーテルアブレーションに無作為に割り付け、12ヵ月間追跡した。認知機能の変化は、ベースライン時および追跡期間中(3、6、12ヵ月)に6種類の認知機能検査で評価した。
主な結果は以下のとおり。
・計96例が研究プロトコルを完了した。平均年齢は59±12歳(女性32%、持続性心房細動46%)であった。
・新規の認知機能障害の有病率は、アブレーション群、内科的治療群の順に、3ヵ月後で14%、2%(p=0.03)、6ヵ月後で4%、2%(p=NS)、12ヵ月後で0%、2%(p=NS)であった。
・アブレーションの時間は、術後認知機能障害の独立した予測因子であった(p=0.03)。
・12ヵ月後にアブレーション群の14%で認知スコアの有意な改善がみられたが、内科的治療群ではみられなかった(p=0.007)。
(ケアネット 金沢 浩子)
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