適量の飲酒、非飲酒より死亡率低い?~女性コホート

提供元:ケアネット

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公開日:2023/08/02

 

 女性の中年期のアルコール摂取量と全死亡率およびがん死亡率の関連について、オーストラリア・メルボルン大学のYi Yang氏らが持続的仮説的介入で検討した結果、全死亡率はまったくアルコールを摂取していなかった場合よりもある程度の量(エタノール30g/日以下)を摂取していたほうが低くなっていた可能性が示唆された。一方、がん死亡率では明らかではなかった。American Journal of Epidemiology誌オンライン版2023年7月24日号に掲載。

 本研究は、1996~2016年に定期的に収集されたAustralian Longitudinal Study on Women's Health 1946~51年出生コホートのデータを用いた。ベースライン時に女性をさまざまなアルコール摂取量(エタノール0~30g/日超、または30g/日超の場合は20g/日以下に減量)に割り付け、摂取量を継続した場合の全死亡率およびがん死亡率を推定した。

 主な結果は以下のとおり。

・全死亡率およびがん死亡率の累積リスクは、それぞれ5.6%(1万118人を20年間追跡)および2.9%(18年間追跡)であった。
・ベースラインのエタノール摂取量が30g/日以下の場合、まったく摂取していない場合に比べて、全死亡率およびがん死亡率のリスクが低く、30g/日を超えると高くなった。
・介入を継続していた場合、全死亡率については上記と同様の関係が観察されたが、がん死亡率については30g/日以下でみられた負の相関と30g/日超でみられた正の相関は明らかではなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)