肝細胞がんデュルバルマブ+トレメリムマブの1次治療、免疫介在性有害事象とOS の関係(HIMALAYA)/ASCO2023

提供元:ケアネット

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公開日:2023/06/26

 

 切除不能肝細胞がん(uHCC)に対する1次治療として抗PD-L1抗体デュルバルマブと抗CTLA-4抗体トレメリムマブの併用は、免疫介在性有害事象(imAE)発生の有無にかかわらず、全生存期間(OS)の延長を示していた。第III相のHIMALAYA試験の探索的解析の結果として、香港humanity and health clinical trial centerのGeorge Lau氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2023 ASCO Annual Meeting)にて発表した。

 HIMALAYA試験はuHCCを対象とした国際多施設共同オープンラベル第III相試験である。デュルバルマブとトレメリムマブを併用するSTRIDEレジメンはソラフェニブに比べて有意なOS改善を、デュルバルマブ単剤はソラフェニブに対して非劣性を示していた。
・対象:局所療法の適応とならない未治療のuHCC
・試験群1:トレメリムマブ300mg 単回+デュルバルマブ1,500mg 4週ごと(STRIDE群、388例)
・試験群2:デュルバルマブ1,500mg 4週ごと(Dur群、389例)
・対照群:ソラフェニブ400mg×2/日(Sora群、389例)
・評価項目:
[主要評価項目]OS(STRIDE群対Sora群)
[副次評価項目]OS(Dur群対Sora群、非劣性)、無増悪生存期間(PFS)、奏効期間(DOR)、全奏効率(ORR)、安全性など

 今回は、HIMALAYA試験の探索的解析から、imAEとOSの関連について、STRIDE群とDur群で検討されている。

 主な結果は以下のとおり。
・STRIDE群およびDur群のimAEの多くは低Gradeであり、ほとんどが治療開始から3ヵ月以内に発現していた。
・STRIDE群でのimAE発現は139例(35.8%)、非発現は249例(64.2%)、Dur群のimAE発現は64例(16.5%)、非発現は324例(83.5%)であった。
・STEIDE群のimAE発現グループにおけるOS中央値は23.2ヵ月、非発現グループでは14.1ヵ月であり、ハザード比(HR)は0.727(95%信頼区間[CI]:0.557~0.948)であった。
・STRIDE群におけるimAE発現および非発現グループの6ヵ月OS率は、それぞれ36.2%と27.7%であった。
・Dur群でのimAE発現グループにおけるOS中央値は17.8ヵ月、非発現グループでは16.5ヵ月であり、HRは1.136(95%CI:0.820〜1.574)であった。

 Lau氏は「imAEの発現はSTRIDEレジメンによるOSの延長を妨げず、また、STRIDEレジメンでは、imAE発現の有無にかかわらず長期生存が観察された」と述べた。

(ケアネット)