思春期うつ病と脂質異常症との関連

提供元:ケアネット

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公開日:2023/07/11

 

 小児期および思春期のうつ病患者は、若年性心血管疾患(CVD)リスクが上昇するといわれている。思春期うつ病患者において、CVDの重要なリスクファクターである脂質異常症の兆候が認められているかは、よくわかっていない。カナダ・Sick Kids Research InstituteのAnisa F. Khalfan氏らは、思春期うつ病患者における脂質異常症の有病率を調査した。その結果、思春期うつ病患者の脂質異常症レベルは、健康対照群と同レベルであった。うつ病の経過とともに出現する脂質異常症のタイミングや思春期うつ病患者のCVDリスク増加に関連するメカニズムを明らかにするためには、今後の研究において、うつ症状と脂質関連検査値の軌跡を調査することが求められる。Journal of Affective Disorders誌2023年10月号の報告。

 精神科クリニック外来および地域社会より募集した若者を、診断後にうつ病群または健康対照群に分類した。HDLコレステロール(HDL-C)、LDLコレステロール(LDL-C)、トリグリセライド(TG)濃度などのCVDリスクファクターに関する情報を収集した。うつ病の重症度評価には、小児のうつ病スケールを用いた。うつ病群およびうつ病重症度と脂質濃度との関連を評価するため、重回帰分析を用いた。年齢、性別、標準化されたBMIでモデルの調整を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・対象は243例(女性の割合:68%、平均年齢:15.04±1.81歳)。
・うつ病群および健康対照群における脂質異常症(48% vs.46%、p>0.7)、高TG血症(34% vs.30%、p>0.7)のレベルは同程度であった。
・未調整モデルでは、思春期うつ病患者におけるうつ病重症度と総コレステロール濃度の高さとの関連が認められた。
・共変量で調整した後、うつ病重症度と高HDL-C、低TG/HDL-C比との関連が認められた。

(鷹野 敦夫)