認知症のリスク軽減とスクリーニングに対する意識調査

提供元:ケアネット

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公開日:2023/05/24

 

 認知症に対する薬理学的および非薬理学的介入は進歩しており、将来の認知症予防において、対象を絞ったスクリーニングやライフスタイルの改善に組み込まれていくことが期待される。認知症予防を推進していくうえで、コミュニティの関与を妨げる潜在的な問題を解決することは、認知症予防へのアクセスや実現の可能性を最大化するために重要である。オーストラリア・認知症研究連携センター(DCRC)のNikki-Anne Wilson氏らは、認知症のリスク軽減とスクリーニングに対する現在の考えおよび問題点を調査した。その結果、認知症のリスク軽減行動やスクリーニングに対する意欲が社会人口統計学的要因と有意に関連していることが明らかとなった。Alzheimer's Research & Therapy誌2023年4月10日号の報告。

 対象は、オーストラリア最大の有料データ分析サービス(ORIMA)から提供された18歳以上の成人607人。他の一般的な健康状態と比較した認知症のリスク軽減とスクリーニングに対する現在の考えおよび問題点を調査するため、54項目の多肢選択式調査を実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・認知症のリスク軽減行動に対する重大な問題は、経済的要因(p=0.009)、モチベーションの低さ(p=0.043)、時間不足(p≦0.0001)であった。
・時間不足は、高齢者よりも若年者で高く(p≦0.0001)、女性は男性よりも経済的要因(p=0.019)、モチベーションの低さ(p=0.043)を報告する可能性が高かった。
・二項ロジスティック回帰では、認知症検査の各手法を希望する意欲は、性別、年齢、社会経済性により大きな影響を受けることが明らかとなった。
 【性別】遺伝子検査(p=0.012)、唾液検査(p=0.038)、修正可能なリスク因子のスクリーニング(p=0.003)
 【年齢】認知機能検査(p≦0.0001)、血液検査(p=0.010)
 【社会経済性】網膜イメージング(p=0.042)、修正可能なリスク因子のスクリーニング(p=0.019)
・回答者の65%以上が、少なくとも1つの非認知症の健康状態のリスク軽減について十分な情報を得ていると感じたのに対し、認知症の場合は30.5%でした。
・本調査結果は、認知症発症リスクの高い人を特定するための潜在的な手法へのアクセスや実現可能性に関する知見を示しているだけでなく、生涯にわたる認知症のリスク軽減行動への関与を、より適切に推進、サポートしていく必要性を示唆している。

(鷹野 敦夫)