NAFLDに対するペマフィブラート、よく効く患者の特徴

提供元:ケアネット

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公開日:2023/02/16

 

 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に対するペマフィブラートの投与は、BMI に関係なく肝炎症および線維化のマーカーを改善し、なかでもBMI 25未満の患者のほうがBMI 30以上の患者と比較して効果が高いことが、篠崎内科クリニックの篠崎 聡氏らの研究で明らかになった。Clinical and experimental hepatology誌2022年12月8日号の報告。
※ペマフィブラート(商品名:パルモディア)の効能・効果は「高脂血症(家族性を含む)」(2023年2月3日現在)。

 NAFLDは、世界で最も一般的な慢性肝疾患であり、近年発症率が増加している。日本では2018年に登場した選択的ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体-αモジュレーター(SPPARMα)であるペマフィブラートは、NAFLDの改善が期待されている薬剤の1つである。本研究は、NAFLD患者におけるペマフィブラート投与後の炎症および線維化改善の予測因子を特定する目的で行われた。

 対象は、ペマフィブラートで6ヵ月以上治療された非糖尿病のNAFLD患者71例。肝臓の炎症と線維化に関しては、それぞれアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)値とMac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体(M2BPGi)値によって評価を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・ペマフィブラート投与6ヵ月後のALT値およびM2BPGi値は、ベースラインと比較して、BMIに関係なく、有意な改善が認められた。
・BMI 25未満であることは、肝炎症患者のALTを50%以上減少させる有意な正の予測因子であることが認められた。
・BMI 25未満の群におけるALT値は、BMI 30以上の群と比較して有意な減少が認められた (p=0.034)。
・BMI 25未満であること、および50歳以上であることは、肝線維化の減少を示すM2BPGiを20%以上減少させる有意な正の予測因子であることが認められた。
・BMI 25未満の群におけるM2BPGi値は、BMI 30以上の群と比較して有意な減少が認められた(p=0.022)。

(ケアネット 溝口 ありさ)